商談前〜商談中〜商談後の営業におけるタスクの考え方 openpage流セールス

法人営業を進めるうえで、意外と営業としてのタスクが細かく解説されている書籍や情報が少ないと思い、openpageで(というか私個人が)考えている営業タスクの一覧を共有します。

①商談前
◾️顧客の事業内容、担当者情報、商談背景を言語化
お客様と話す内容を考えるのに、お客様のことをまず知らないといけない。
BtoBであれば、顧客の事業内容、そして担当者個人の情報、今回商談に至った背景くらいは最低限知っておきたい。
お客様に合わせた提案をするのに、お客様のことを深ぼる必要があり、深掘りポイントを見定めるうえでも顧客調査は必須だ。

◾️商談で何を話すのかアジェンダを作る
商談は1時間しかないので、無駄にできない。だいたい5個くらいの構成のアジェンダを作ると無駄がない。

1.商談背景の共有
2.自社/自己紹介
3.お客様のヒアリング
4.ニーズに合わせた自社製品の紹介
5.ネクストアクション
のように、1項目10分〜15分ほどでアジェンダを想定しておく。

行き当たりばったりではなく、こんなお客様であればこんなニーズがあって、こんな提案をすると良さそうだと、事前に仮説を持った状態で望めば、プロとして自身を持って商談できる。
新卒や若い営業マンだと、ヒアリングをできず50分ほど話しっぱなしで、顧客が聞き疲れていて、ネクストアクションも切れずに商談がそこで終了…なんて失敗はよくある。

◾️アジェンダの中で、何をヒアリングして、何を提案し、何をネクストアクションと置くか軽く考えておく
余裕があれば、各アジェンダの中で深ぼって話すポイントを軽く考えておくと、より商談が充実する。
自己紹介はお客様の業態に合わせてAとBの話をしよう、顧客のヒアリングではCとDを聞いておこう、ネクストアクションはEを必ず切ろうなど。
1時間はあっという間に過ぎてしまうので、計画的に商談を進めないと、聞き忘れたり、話し忘れたり、約束し忘れたりということかが起こる。
そうならないように、事前に商談の1時間の使い方を考えておくと、お客様にとってもちゃんと準備した提案の打ち合わせなのだと安心してもらえる。

②商談中
◾️顧客のニーズをヒアリングする
BtoBの場合は、営業の提案を受けて社内に話すのはお客様自身である。
その際に、お客様のニーズ、課題の●●があるから、これを導入するべきだ、この会社と取引するべきだと顧客も話さなければならない。
その意味で、営業はお客様の強いニーズありきで成立する。
そもそも商談とはお客様も何かの課題解決や成長を期待して打ち合わせしているものなので、まずそれを正確に把握する。
どんなニーズがあるか、なぜ他のニーズに加えてこの課題は強いのか、このニーズは全社的なものか、これまでどうしてきたか、どんな解決や効果を期待しているかなど入念に聞いておく。

◾️顧客のニーズに合わせて製品や事例を紹介する
そのお客様のニーズに合わせる形で自社の製品を紹介する。
しかし、注意したいのは、初回で初めて会った人が、あなたの課題はこれで解決します!と言い切るのは逆に胡散臭いということだ。万人を解決できる魔法なんてない。
なので、この課題なら弊社のこの製品で役立てるかもしれません、この事例が近いと思うのでお話しします、こんな方法ならニーズに応えられるかもしれないのですが、と1次回答としてあくまで仮説であるとお話したほうがいい。
実際に、本当にニーズ合致した製品提供が出来るかは60分の打ち合わせだけではわからない。自社でやるべき重要な投資を、会ったばかりの人の話で大した情報も伝えていない中即決する、これ自体が失敗の匂いがしてしまう。
なので、初回はニーズに応えられるという仮説を具体的にするために、顧客にも情報提供をお願いしながらより深ぼった打ち合わせを次回にするよう設定する。

◾️顧客にお願いしたいタスクを考える
だいたい初回は双方の軽い紹介程度で終わるので、より踏み込ませてもらうためのタスクを設定するべきだ。

・もしこの領域ですでに企画書など作ったことがあれば、それを見せてもらって具体議論をする
・今の業務のやり方をヒアリングさせてもらうMTGを設定してもらう
・チームの人たちに共有してもらって、取り組みにあたっての他の人の意見も聞いてきてもらう
・上司との社内ミーティングでどのくらいこの取り組みにリソースを割いていいか確認してもらう
・今回の提案をもとに、自社で利用するイメージを検討してもらって質疑応答MTGを次回組む

などだ。営業が一方的に提案して話がクロージングすることはまずない。まずお客様個人が取り組みに納得し、かつお客様の組織の関係者の合意が得られ、この会社との取り組みは成功すると組織的な合意形成があって商談は成立する。

◾️ネクストアクションを合意する
お客様と双方で進めなければいけないタスクを洗い出して、ネクストアクションの期日や担当者の割り振りに合意していただく。
営業はお客様側がタスクを推進してもらわないと受注できない。お客様にしかるべき関係者に話を進め、必要な確認を済ませてもらい、予算を確認し、稟議をあげて予算獲得し、しかるべきフォーマットで発注するまでに様々なタスクがお客様に発生する。
それを営業がプロジェクトマネジメントとしてサポートする必要がある。
そのため、商談が終わった後のネクストアクションは何をするか、必ず双方で合意を取る。

◾️次回の商談日程を決める
その上で、次回の商談日程を決める。
だいたい、1週間後、2週間後、1ヶ月後くらいが目安になる。
できればネクストアクションとして必要となる顧客の工数を考慮して日付は設定したい。
AとBを進めてもらうのに2週間はかかるので、2週間後のちょうどここで次回の打ち合わせをしましょうと設定する。
社内であれば週1でMTGを組むのは当たり前といえば当たり前の頻度なので、重要な商談なら遠慮することなく短いスパンで打ち合わせをする。
打ち合わせ回数は多ければ多いほど話が具体的になる。とはいえ、長期化するとプロジェクト自体が頓挫してしまうので、顧客の集中力が維持できるくらいの頻度で商談日程を入れる。

③商談後
◾️顧客の検討状況をチェックする
お客様が社内で検討する、としたときに、その担当の方個人と、チームの人と、上長の人とで果たして誰がどの程度検討するのかはできれば商談中に握っておくのが望ましい。
openpageは自社のツールを使って関係者の検討状況を議事録の読み直しの頻度で計測している。
商談をして、検討すると言われても全くその商談の議事録が顧客社内で見返されてないなら、検討はされていない。しっかり、どの点をどう検討してもらうのか、商談の中では話を詰めておく。もちろん検討に値するだけの提案を持っていっているということは前提となる。

◾️依頼したタスクが進んでるか確認する
商談が終わった後にお客様が実際に持ち帰って社内で話を進めているのか、タスクをこなしてくれてるかを確認する。
これもopenpageは自社ツールでお客様に渡したタスク管理の機能があるのでそれで計測している。
お客様には商談が終わったあとも営業と取り交わしたタスクを意識して仕事をしてもらってるかが重要だ。
お客様は営業が話した内容以外の業務も多くこなしているので、気を抜くと商談の内容やタスク自体まるっと忘れてしまう。
そうならないように、しっかりお客様には行ってほしいことを言語化して、約束して、ちくちく連絡して忘れさせないようにする。

◾️次回の商談に合わせてアジェンダを考える
商談は1回だけでは終わらない。だいたい何回くらいの商談で今回の取引はスタートできそうかを見積もり、次回話すべき内容をアジェンダとして残しておく。
お客様にはできれば、今後こんな展開で打ち合わせを進めていくことを考えている、と考えている打ち合わせの全体像を示して共有するのもいい。
①双方の自己紹介→②ニーズや課題の深掘り→③ソリューションの提案→④具体的なソリューションの適応と効果→⑤社内調整や稟議、予算の獲得→⑥セキュリティや申し込みなど正式手続きの進行
と今洗い出しただけでも6回は商談の打ち合わせをすることになる。
この回数をどれくらいに設定し、どういう流れで商談がクロージングし、取引がスタートするのかをお客様とも軽く合意が取れていると毎回の打ち合わせの意義がわかり、高い生産性で双方の取引がまとまるだろう。