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〈ゲーム感想〉【Risk of Rain Returns】リスク無くしてリターン無し


そしてまた、惑星ほしに降り立つ

2Dのローグライクアクション『Risk of Rain』のリマスター版。前作『Risk of Rain 2』から入った新参者でしたが、しっかり買ってやっぱりハマりました。

集めるほど効果が強力になるアイテム、時間が進むほど逃げ場がなくなるぐらい増えてくる敵、ゲームクリアでもゲームオーバーでも解放されるキャラや新技、新装備。

何度も繰り返して遊んでいるうちに、できることが広がって、どんどん深みに沈んでいく恐ろしいゲームです。さてもう一周やろうかな…。


ゲーム性 − 同じ時は二度と来ない

モンスターがはびこる惑星に不時着したプレイヤーは、各地に設置されたテレポーターの門をくぐりながら宇宙への脱出を目指します。

しかもこの星は、冒頭にも書いた通り経過時間に比例して敵の数と強さが上昇していきます。

そのピンチを切り抜ける鍵が数々の特殊な能力を秘めたアイテム群です。ナイフや対戦車ミサイル、バールのようなものからぬいぐるみやキノコ、ブタさんの貯金箱とヘンテコなものまで実に多様なものが揃っています。

えっ…戦いながら買い物しろって!?

プレイヤーは、プレイするごとにリセットされるこのアイテムをフィールドから見つけ出しながら自分を強化し、より強く、より長く遊ぶことを目標に遊びます。

何度も遊びながらそれぞれのアイテムの効果が分かってくると、自分なりのお気に入り組み合わせができ、このアイテムを集めれば間違いないといった勝利の方程式が見えてくるようになります。

操作するキャラクターは皆ほとんど宇宙服を来ているため表情が一切見えないですが、見た目も持っている武器も繰り出す技も一人ひとり個性的で、アイテムとの組み合わせ含めてプレイスタイルがべらぼうに多いです。

みんなより一回りでかいコックさん。

ゲーム始めたてのころの「使用キャラと相性の良いアイテム探し」も楽しいんですよね。

周回して遊ぶこと、組み合わせを探すこと、強い自分に酔いしれること。これら全てが楽しい要素です。


難易度 − ネバーレインズ

ここまではローグライク、ローグライト系のゲームを遊ばれている方にとってはお馴染みの評価点です。欲を言えばもう一声、プラスアルファが欲しいと思ってしまうところ。

画面を埋め尽くすアイテムで最強に見える。

この作品の魅力プラスアルファはなんと「難しさ」。

難易度が三段階用意されており、弱い順から「小雨(Drizzle)」「大雨(Rainstorm)」「暴風雨(Monsoon)」と言う呼び名です。

難易度における一番の違いはゲーム内時間の経過スピード。難易度「小雨」では各マップをじっくり探索して戦力を整えられますが、「暴風雨」ともなると小雨と同じ探索をしようにも、程なく敵との戦力差に苦しむことになります。

戦力強化には時間が必要だけれども、時間は一切待ってくれない常にあっぷあっぷした状態です。

正直歴戦の猛者たる既プレイヤーさんの感想を見聞きしても「難しい」の一言。

しかしなぜだか遊んでしまう…。ゲームは好きですが特に上手いわけではないおぽのだってそのクチです。

どうしてそんな心持ちなのか考えてみましたが、いっつも「あと少しだけ頑張れそう」なんです。

このゲームは常に、ちょっと手を伸ばせば届きそうなところにゴールやミッション、アイテムの宝箱が用意されています。

もう少し耐えれば次のステージに行けるのでは?この瞬間にダッシュすれば崖の向こうに届くのでは?あとちょっと敵を倒せば新しいアイテムが解放されるのでは?

この作品はゲームをクリアした時はもちろん、ゲームオーバーだったとしても何かしらの解放要素が存在します。

収集要素である敵モンスターの詳細データもバッチリ。

ということはですよ、クリアの成否よりも挑戦することに重きが置かれていると言ってもいいのではないでしょうか?!

どうせ誰にも怒られないので難易度小雨で、じっくり探索をしながらアイテムやキャラの解放をしていくのがオススメです。これでも結構厳しい戦いになることもしばしばあるので、面白さは十二分に伝わるはず。


マルチプレイ − それはアイテム争奪戦

とはいえ負け続けるのは面白くないし、むずかしいのがそもそもつまらない、という意見もあります。

誰かと遊ぶとより面白いのがこのゲームです。

近しい間柄であれば協力したり時には喧嘩したり。ネットで募って猛者に高みに連れて行ってもらったり、逆に同じぐらいの人たちとワイワイ遊んだり。

難点を挙げるのであれば、拘束時間がめちゃくちゃに長いです。おぽのの場合、周回前提のゲームなのにサクッと遊ぼうって時には向いていませんでした…。

ナンデって、先に述べた通り「もう少し頑張れ」ちゃうんです。

一人でもそうなのに、二人、三人とプレイヤーが増えれば言わずもがな。止め時はみんな見えているのですが、あと少し…もうちょっと…と尾を引くゲームでした。


BGM − …その音楽は電子だった。

音楽に明るいわけではないのですが、ここに良いトコとして残したいほど曲がとにかくかっこいいんです。

ウクレレがこのゲームの象徴。

惑星の不安さ気だるさ不気味さが全部乗っかったような、繰り返されるシンセサイザーとギターの響きが耳によく残ります。プログレッシブっていうんでしょうか?

暗澹としていてずっしりと重い印象の曲調が、この厳しく苦しい星での戦いに非常にマッチしています。明るい気持ちゼロです。

そこを強くなったキャラクターが切り抜けていくのはなんとも痛快でたまりません。

黄昏を感じるBGM。

ローグライクは一度ハマるとなかなか止められませんね。そして一度止めてもまた戻ってくるという…。

(…思い返してみると、なんでこの星のモンスターたちは執拗にこちらを追い回すんでしょうか…??こっちはただ帰りたいだけなんだってば)

こいつら意外と愛嬌あるんだよな。ちょこまかされるけど。

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