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〈ゲーム感想〉【ピクミン4】もっと頑張ってみようか、なんて


小さい「やったね」を重ねよう

人生で初めてのピクミンシリーズ、『ピクミン4』を遊び倒しました。その面白さたるや、遊んでいても感想が止まらず、プレイ記を残してしまうほどです。

ゲーム感想を以て、『ピクミン4』はシメとしたいと思います。


ゲーム性 − 達成感の種を蒔く

まずはおぽのが『ピクミン』シリーズを避けていた理由を思い返してみます。トラウマ…については置いといて、パッと見、“難しそう”なんですよね。

例えば…
ピクミンって食べられちゃうんでしょ?
毎日制限時間があって時間に追われるんでしょ?
ダンドリとか言って効率を求められるんでしょ?
自分の判断がダイレクトに結果につながるんでしょ?
…といったところでしょうか?

ピクミンは確かにそういう一面のあるゲームでしたが、ゲームの本質はそれじゃないことにおぽのも気づきました。実際簡単じゃないのは間違いありませんし、厳しい場面も多かったのですがそれでも最後まで楽しく遊べていたんです。

今日はこれやるぞ、あそこに行くぞ、今日こそあれを持って返ってくるぞ、と「やりたいことリスト」を自分自身で決めて、その達成具合を振り返る遊び方がしっくり来たんですよね。

“難しそう”の中身は、積み重なった「やらねばならないリスト」だったんです。

ピクミンたちを増やすように、毎日毎日小さな“できたこと”を積み上げていくことがピクミンを楽しむヒケツでしょう。

コツコツするのも勝利のコツ。

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前置きが長くなりました。『ピクミン4』のゲームとしての魅力を語っていきましょう。

まず『ピクミン』シリーズはストラテジーとかシミュレーションの部類ですが、中でも『4』は大きく分けて3つのゲームジャンルを楽しめます。

メインの惑星を舞台にした冒険。
制限時間内ありのダンドリバトルとチャレンジ。
ヒカリヅカを凶暴な原生生物から守る夜の探索。

どれもこれもピクミンを集めて増やして戦わせて運ばせるというのが基本のルールですが、それぞれにやりたいことがゴロゴロと転がっています。

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メインストーリーとなるレスキュー隊の新米として遭難者を探す昼の探索。どこかで見たような地表をピクミンと歩きながら、あちこちに巣食う不気味かわいい原生生物と戦ったり、ピクミンを増やしたり、オタカラを集めたり、遭難者を発見したりします。

中でもマップのいたるところに有る、通行止めを見つけるのが楽しい。ピクミンの基本は「荷物を拠点に持って帰ること」です。通行止めがあれば当然迂回を余儀なくされるのですが…

壁や段差、スプリンクラーに欠けた橋。ピクミンに指示を出して、その進路の妨害を取り除けます。

すると新しい帰り道が出来上がるわけです。ショートカットができるようになってもっと早く拠点に帰ることができますし、結果行動範囲も広がり、作業時間の短縮につながって、当然一日の稼ぎにも差が出てくるのです。

エリアを制圧し、進路を確保して戦利品を船へと運ぶ。この地道な作業の繰り返し、をショートカットがより効率的にしてくれるのが良いトコです。

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続いてダンドリバトルとダンドリチャレンジ。制限時間内に相手よりも多く荷物を運んだり、フィールドに散らばる敵や荷物を片付けるまでの時間を計ったりします。

得手不得手が出てきますが、何度も遊んでいるうちにどんどん成長を実感できるモードです。

リアルタイムストラテジーに近いシステムで、より最短経路を見いだせるものが強いという「ダンドリ」の名を冠するにふさわしいですね。

ダンドリバトルなんて、相手の邪魔をすることに夢中になってギリギリの勝利…なんてこともよくありました。ダンドリとは目標に対する道筋のこと。

とりあえずできるからって邪魔をすることが目的になってしまった結果、真の目標であるスコアが伸び悩むなんてことはざらなのです。

そういうやっちまった感を反芻できることも含めて楽しいです。

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今作から初めて追加された夜の探索。夜間は何が理由か原生生物が凶暴化し、ヒカリのミツ生み出すヒカリヅカをあっちこっちから目指して集まってきます。

オッチンと主人公を駆使しながら繰り広げられるタワーディフェンス。一人と一匹を時には切り替え、時には集まり、ヒカリピクミンを増やして敵を撃退していきます。

ちっちゃいのもおっきいのも厄介極まりないですが、オッチンが噛みついて飛びかかって八面六臂の活躍を見せる、オッチンの最高に輝くシーンなので思っているよりもずっと楽しく戦えます。

夜明けが待ち遠しくなるぐらい激しい攻防になることもあります。しかし育ってきたオッチンがいれば、一方向からの侵攻を封殺できることもあるので、誰にどこを守らせるかを考えるのがキモとなります。

オッチンは最高だな。


テーマ − 濃厚なフレーバーテキスト

プレイ記の中でも触れていましたが、『ピクミン4』はなんだか気になることが多いです。

舞台となる未知の惑星『PNF-404』は古いゲームが転がっていたり、何かの写真が残っていたり、サイリウムに能面にデコポンにとありとあらゆる我々が知っているものが転がっています。

焼きたてモーニングセット。

うーんここはおそらく地球だろうなぁ、と皆さん考えたときに様々な想像や妄想が膨らみ始めることでしょう。

人間が絶滅した地球かな…
→にしてはあらゆるものが綺麗なまま残ってるな?
 →そういやゲーム機は電源がついたぞ?
  →滅んでからそんなに時間が経ってない?
   →けどラスボスは間違いなく長い年月生きてるでしょ?
    →???

結論らしい結論は先達の素晴らしい考察記事にお任せするとして、ここでいいたいことは、あらゆるものに想像を掻き立てるようなフックがぶら下がっているってトコ。

ネーミング一つ取ったってなんでその名前をつけたのか?を考えるのも楽しいんです。雑な感じのするものもありますが。

ワニノフグリ(アボカド)とかは秀逸。

フレーバーテキストから得られる情報が本当に濃くて濃くて。ドドロの説明とか読んでると点と点が繋がる感じを味わえます。


キャラクター − あなたに寄り添いたい

ピクミンってどいつもこいつも何考えてるかわからない無表情で、個性なんてもっぱら種族の違いしかないんですよね。

でもなぜだかしっかり愛着が湧く。

消耗品のように使い倒す遊びもできますが、生死は自然の摂理と捉えるノーリセットプレイ、はたまたその逆の無犠牲プレイなんて縛りも存在します。

(おぽのは自分のミスを極端に嫌がるタイプなので無犠牲を貫きました。)

使役しているはずのピクミンを第一に考えて行動している。しかしピクミンたちも、こっちがなにか指示を出さないと動けない。立派な共依存です。

ピクミンは寄生生物っていう考察も見かけましたが、なるほど別の意味で「寄生」はされてそうです。(まあこの場合は「共生」が妥当ですかね?)

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オッチン。ゲームを始めて主人公が一番最初に出会う遭難者(遭難宇宙犬)です。

もちもちボディ。

犬とは言うものの二本足で立っており、走るときは少しホップしながら前へと進みます。

最初は小柄でできるのはせいぜいコチャッピーと殴り合うぐらいと少ないですが、冒険を通して主人公とともに成長してくれる名実とともに相棒の愛犬です。

ストーリー的にもゲーム的にもいるといないとでは大違い。シリーズ初めての人も楽しく遊べる理由の一つがこのオッチンにあります。

とにかく頼もしい。そのトッシンは岩をも穿ち、万里を駆けます。

こんなに可愛いし助かるのに、オッチンが泳ぎを覚えるには一度溺れさせないと覚えられないのは鬼の所業。


操作感 − Yボタンに機能を持たせすぎ疑惑

最後に一つ気になった悪いトコを一言。

サブタイトルの通りですが、「何でもかんでもYボタンに持たせすぎ」なのでは?オッチンに乗るのもアイテムをなげるのも、オネガイをするのも大事な操作がYボタンに集合しています。

アイテム使いたくないけど、オッチンから降りたいときもその操作が許されない。とてももどかしい…。


「おぽのさん、“ダンドリ”どう考えてますか?」
「ええ、説明しますとまず全体から………」

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