リリーアルバこと奥本有里候補の似非医療行為疑惑

国民民主党は2月16日に次期衆院選の東京都第三区の候補として奥本有里氏を擁立することを発表した。しかし、奥本氏にはスピリチュアルカウンセラー若しくはカウンセラー育成として似非医療行為に携わってきた疑惑が提起されている。
なお、本記事では違法・合法関係なく「科学的なエビデンスもなく具体な疾病に効果があるとし、対価を得る行為」を似非医療行為とする。


Ⅰ 奥本候補の似非医療行為のエビデンス

詳細は山口弁護士のnoteを参照されたい。ブログにおいて「万能細胞DNAクリアリングセッション」等がガンや認知症等で効果が実感されたとしている。

(1)「リリーアルバの魔法のランプ」のリリー氏の同定

「リリーアルバの魔法のランプ」は(一財)日本スピリチュアルカウンセリング協会代表理事ことリリー氏のブログである。2013年8月18日にはリリー氏が自らを紹介したとする雑誌記事を掲載しているが、氏名は「奥本有里」である。

出典:https://web.archive.org/web/20130820035203/http://ameblo.jp/lilly-alba/

また、2014年8月11日にリリー氏がブログで紹介した雑誌にはスピリチュアルカウンセラーとして奥本候補の写真・インタビュー記事がある。

ブログの雑誌記事の検証

(2)(一財)日本スピリチュアルカウンセリング協会代表理事

似非医療行為をしていた(一財)日本スピリチュアルカウンセリング協会と奥本候補の関係については、山口弁護士のnoteを参照されたい。奥本候補はH31年2月まで代表理事、山口弁護士が疑惑をツイートするR6年2月まで理事の職にあったと登記されてる。

Ⅱ 奥本候補の疑惑対応

(1)奥本候補のブログでの主張

奥本候補は似非医療行為疑惑に関してブログで反論した。

これまでに法令違反を起こしたことはありません。当然ですが一部SNSで流布されているような、医事法違反も一切ありません

岡本有里 オフィシャルブログ

3月3日以前となると奥本候補の意図するSNSとはこの山口弁護士のポストであろう。彼は法令違反や医事法違反を指摘しておらず、奥本氏の反論は論理のすり替えでしかない。

山口氏ポスト

合法であってもマルチ商法の幹部への投票を忌避する有権者がいるのと同様、例え違法でなかったとしてもガンや認知症といった具体な疾病に効くとする似非医療行為をする候補者や党に投票したくない有権者は私を含め多数存在する。山口弁護士や有権者が知りたいのは「ガンや認知症に効くとしてスピリチュアルカウンセリング」を奥本候補が行ったりカウンセラーの養成をしたか否かであるが、この点について奥本候補は正面から答えていない。

一番最初にデマが流れたのは、2017年に私が都議選候補者だとする誤報がツイッターで流れ、様々な中傷、憶測のデマがツイッター以外のSNS上でも拡散されました。候補者ではないと分かると沈静化しましたが、2019年、2021年、2023年の選挙のたびに、同様のデマや中傷、他人のものと私の会社のものを混同した投稿、フェイク画像などが、他党の支持者と思われるアカウントから多数流れておりました。「拡散希望」「落選させたい!」「危険人物」といった投稿もSNSや掲示板などに散見されました。

奥本候補は選挙のたびにデマ、中傷、会社の混同、フェイク画像が流されたと続けるが、具体なデマの内容については言及しない。リリーアルバは奥本氏ではないのか?(一財)日本スピリチュアルカウンセリング協会が勝手にリリーアルバこと奥本候補としてブログ記事を書いたのか?いったい何がフェイクなのか明らかにせず、抽象的なお気持ち表明をしたところで公党の公認候補としての説明責任は果たしたことにはならない。
また、この中で着目すべきは「他人のものと私の会社のものを混同した投稿」の記述である。Xでのポストのやりとりからも「(一財)日本スピリチュアルカウンセリング協会は奥本候補とは関係ない」との主張だと思われる。

似非医療疑惑に関する奥本氏のポスト

しかし、上述の財団ブログ以外に山口弁護士の調査により奥本候補と同財団の強い関係性を示す信ぴょう性の高い証拠が多数提示されている。

  • 奥本候補は財団の代表理事(~H31.2)又は理事(~R6.2)だった

  • 財団の現代表理事は奥本琉希と同性であり、奥本候補の都議選の選挙ポスターの頒布責任者でもある

  • 奥本候補が代表を務める(株)LillyAlbaと財団の住所は一緒であり奥本候補が所有

(2)「訴えてやる」

奥本候補は似非医療行為疑惑について事実関係を詳らかにするつもりはないようである。抽象的かつ違法ではないとの筋違いの主張をした後に、有権者に対する法的手段を示唆した。

これまでは容認しておりましたが、今回の事態を鑑み、一部の過激で悪質な投稿に関しては、開示請求をし、法的手段を取らせていただくことにいたしました。

岡本有里 オフィシャルブログ

不思議なのは、デマの元凶たる(一財)日本スピリチュアルカウンセリング協会への対応である。もし、同財団が勝手に奥本候補の名前や写真を使用し万能細胞DNAクリアリングセッションなる施術を行っていたのであれば、名誉毀損といった法的手段は、有権者ではなく同財団に向けられるべきであろう。「連絡して削除して頂きました」という上品な対応で済ませる状況ではない。

奥本候補ポスト

Ⅲ 浦川弁護士の参戦

(1)上松医師による奥本候補への事実確認

上松医師がスピリチュアルカウンセリングに関する事実確認のポストをしており、奥本候補も反応をしていた。上松医師は、がんの詐欺治療医師への突撃(参照)等の似非医療撲滅の活動をしている。前回の参院選では、大学病院の職?を辞し国民民主から立候補し落選した。

(2)浦川弁護士の登場と「訴えてやる」

奥本候補の曖昧な弁明に対して事実確認を求めるポストが上松医師をはじめとして相次いだ中、浦川弁護士が登場した。「国民民主には浦川という自動発信者開示マシーンがいる」との有権者に対する法的措置を示唆する決め台詞つきでである。また、彼は上松医師に対して国民民主党立候補時代のことを当て擦り、振られた元カノへの腹いせと同じだとした。

浦川弁護士の登場

上松医師については連連と過去を引きずる人間ではないことは国民民主立候補前の上松氏の活動を見れば明らかであり、浦川弁護士による侮辱・中傷であろう。浦川弁護士こそ参院選時代から上松医師に対して悪感情を抱いており、公平・中立な視点に立てていたのか自ら振り返る必要がある。

また、弁護士の名を使って法的に強張ったポストをする以上、綿密な事実確認を踏まえる必要があったのではないか。「事実認定は執行部の判断に委ねる」「捉えているように感じて」「してきたはずであり」「はずなのです」「いただきたいなと思います」と憶測、推測、お気持ちの積み重ねを根拠に事実を知りたいとする有権者に睨みをきかせるのはいただけない。

浦川弁護士の弁明

(3)削除した上松医師への揶揄ポスト

浦川弁護士は「すみませんの一言が言えない」と上松医師を揶揄した。しかし、浦川弁護士はその松医師揶揄ポストを削除したようである。SNSという衆人が目にする所で誹謗・中傷したのであり、削除理由の説明や上松医師にそれこそ「すみません」の一言が必要ではなかろうか。

Ⅳ 奥本候補に求められること

有権者が事実に基づく適切な投票行動をとれるよう、事実関係を詳らかにするのが最優先である。R6.2月に理事を辞任したとて、それ以前に財団の経営に関与していたことを否定できるものではない。長期に渡る大量の整合のとれた財団のデジタルアーカイブがどうして残っているのか。どうしてこれまで放置されてきたのか。奥本候補の写真を入手した経路は。ブログはどのような執筆体制だったのか。説明すべきは山ほどある。今の曖昧な言い分で法的措置に言及するのであれば公党の公認候補を辞するべきである。


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