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ホーンテッドマンション草稿

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今やディズニーランドを語る上で外すことができないのが「ホーンテッドマンション」の存在だ。

このアトラクションは東京ディズニーランドが1983年に開業して以来存在する。

まぁ、データ的なことは置いておいて多くの人は「ホーンテッドマンション」と聞くと、「ゴシック」というワードと結びつくのではないだろうか。

実際、ハロウィンの時期は「ゴスロリ」服に身を包んだ若い女性がホーンテッドマンションに熱心に並んでいるのを見かける。

ゴシックとは

ところで「ゴシック」とはなんだろうか。

「ゴスロリ」のようなロリィタ服が最初に頭に浮かぶ人々も多いのではないだろうか。

ゴシックの定義は難しい。

ゾンビ?ミイラ?ドラキュラ伯爵?不気味な洋館?暗い空?墓場?棺?コウモリ?黒?

ざっとイメージを挙げてみる。

何の気なしに挙げてみてもホーンテッドマンションが日本における「ゴシック」のイメージ形成においてかなり影響を与えていることがわかる。


そもそも、「ゴシック」とは建築様式を表す言葉である。

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この有名なケルンの大聖堂みたいなながーいとんがった屋根がワシワシ生えているのがゴシック建築の代表。

もともと、ゴシックは"ゴート族風"という意味だ。

ゴート族、つまりは当時のローマ人から見た蛮族なわけで、最初は蔑称だったようだけども、徐々に意味が転じてきたというわけだ。

なぜ、ホーンテッドマンションとゴシックなのか。

そこには「中世趣味」なる文化が関わってくる。


話はそれるが、いつの時代も 自身が生きている”現代”ではなく”過去”の世界に憧れる人々が存在する。

私もその一人なのだが、手に入らないからこそ追いかけてしまうのだろうと思う。

「中世趣味」とは18~19世紀にかけて流行したその地点から見た過去に対する憧憬と好奇心からくるものだったといえよう。

そして、まさに18〜19世紀から見た過去というのがゴシック様式が繁栄した12〜13世紀の「中世」だったというわけである。

12〜13世紀と18〜19世紀ではかなり時代も価値観も変わっている。

ルネサンスから始まる「近代」の到来は自然科学の発達をもたらし、近代人に「自我」を目覚めさせた。

 

教会が絶対的な力を持っていた「中世」という時代は近代人の目には奇妙で不思議なものに映ったのだろう。

私も、古い神社仏閣を訪れた際に感じる奇妙な感覚がある。

特に、古い神社などを夜に訪れるのはなんか避けたいなあという気持ちになる。

 

それは置いておいて、街中で見かけるゴシック様式の建造物は、18世紀にもほどほどに古くなっていてなんとなく不気味な廃墟的な雰囲気が漂っていたに違いない 。

 

こうして「ゴシック」の持つ意味が、ゴシック建築みたいな不気味で退廃的な雰囲気を表す言葉として転じた。

まさに、ホーンテッドマンションの雰囲気を表すには「ゴシック」理解が欠かせないのである。

長くなってしまったが今日はここまで。


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