見出し画像

元彼の幸せと反比例するわたしの孤独

いろいろあって振り回された挙句、裏切られた男に、子どもが生まれたことを知った。

同じコミュニティにいて、共通の友達もいるから、周りの人はそりゃワイワイする。形としては私も「おめでとう」くらい言わなければならない。不自然だから。でもみんな実は何となく知ってる。私とこの男の間に何かあったことくらい。深くは知らない。知っていたら、みんなこの男にそんなに親しくできないくらいのことをされた。

こういうシチュエーションになったら、私がどんな振る舞いをしようと微妙な緊張感が走る。それを誰もが分かっているのに、形としてやり過ごさなければならない。その場にいなくても不自然だし、何を言っても一瞬空気がパキッとする。私だってできるならこんな場を避けたい。

どうにかやり過ごして、通り抜けて、一人になって、その日、私はやっと泣いた。

なんで、最低なことをしたのはあいつなのに、あいつは今こんなに幸せで、それを黙って抱え込んだ私は今だに不幸のままなんだろう。孤独で、寂しくて、不安で、悔しくて、報われなくて、理不尽で、何よりそれを誰にも言えなくて、泣いた。

私にすごく素敵な人がいて、幸せだったらそうじゃないのかもしれない。せめて、相手が間違ったことをしたことで不幸だったら、私の正当性を証明してくれたのかもしれない。

それなのにそのどっちでもない。
ただ私が泣き寝入りしている構図にしかならない。
それじゃああまりにも自分がかわいそうだ。

だから私はあいつが幸せな姿を見たくなかった。
私が孤独である限り、あいつの幸せは私の孤独に反比例している。

この反比例を脱するには、自分が幸せになる一択しかない。
どうしたら幸せになれるかなど答えがなくて。

スピッツの「8823」という歌に
「君を不幸にできるのは 宇宙にただ一人だけ」という歌詞がある。
これは2番の歌詞で、1番は「君を自由にできるのは 宇宙にただ一人だけ」の裏返しだ。

それだけの濃い人であり、そんな人の後に、それを超えるものを手に入れるのは至極難しいことなのだ。

こんなに辛い思いをさせられたのに、こんなに深い傷を残されているのに。
私に知らんぷりして背を向けて、踏み潰して、幸せな姿を見せる人を、許すことも、好きでい続けることも、恨むことすらもできないで、微妙な、ただ消化不良の苦しさだけを抱えたままで。

私、よく普通に振舞ってるな。と自分で思う。
それくらい強いから、選ばれなかったんだけど。

早く抜け出したい。
新しい恋をしようと頑張ってるし、仕事や趣味も没頭してるけど、今だにぶり返すように湧き出てくるこの黒い気持ちを、早く昇華させたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?