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【足底腱膜炎】トレーナー目線から改善方法を考える

足底腱膜炎の改善で何をするべきか、曖昧な方法で足部内在筋の強化を行なってしまわないように改めて考えてみようと思います。

あらゆる症状の名称に付く「炎」


足底腱膜炎などの「炎」とはその名の通り、「炎症」を表す表現です。
炎症は安静にしていれば、沈静化します。
ただ足底腱膜炎に関しては、この安静というのがかなり難しいです。
足底腱膜は足底に位置しておりますので、足部に体重がかかった時点で必ず伸張ストレスがかかってしまいます。

日常生活で
ほぼ休むことなく使われている足底


この伸張ストレスを減らすことが必要になってくるのですが、一歩も歩かずに生活することなどは通常考えられませんよね。
安静の徹底という観点で最も有効な方法としてインソールを使用するという手もありますが、
もちろん伸張ストレスが0になるわけではありません。

あくまで炎症の安静になるだけなので、今回はその後の再発予防の観点で考えていきます。

なぜ足底腱膜炎は起こる?


まずは足底腱膜炎がなぜ起こるのか、考えられることは「後足部の回内増加 → 内側縦アーチの低下」です。

発端になりそうな、後足部の回内をどうにか抑えれば足底腱膜炎を防ぐことができるかもしれません。
では、どう後足部の回内を軽減させればよいのか?

後足部の回内をどう改善する?


よく言われるのは、後脛骨筋や足部内在筋の強化です。
カーフレイズをしたときに、後足部が回内していたり、足趾屈筋群(外在筋)の緊張が高い場合には、これらに対する介入が有効です。
ただ今回あえて着目したいのが、足関節の背屈可動域です。
実は背屈制限も後足部の回内に影響しています。

足関節背屈角度が10°未満の場合、歩行中に距骨下関節の異常な回内を引き起こし、足底腱膜へのストレスが増加する可能性がある。

実際にこのようなことが言われています。

個人的にも、足底腱膜炎の方のセッション時に背屈制限が出ているケースを多く見ています。
こういうケースでは、歩行時のみならず、OKCの状態で背屈運動を行っても、足部が外転したり、外がえし方向へ引っ張られる印象にあります。(癖になっている)

下腿三頭筋のストレッチがやはり有効?

背屈制限へのアプローチとして、下腿三頭筋のストレッチは有効だと考えています。
ただ、背屈制限を改善することのメリットはこれだけではありません。
例えば、背屈制限の原因が下腿三頭筋だった場合、この下腿三頭筋のストレッチは足底腱膜の柔軟性改善にもつながる可能性があります。
これは足底腱膜と下腿三頭筋(腓腹筋)の関係性をみると分かります。
(腓腹筋内側頭の停止腱と足底腱膜はつながりがあるため)

こういった関係から、腓腹筋をストレッチすることで、同時に足底腱膜も伸張されるというわけです。
アキレス腱と足底腱膜を同時にストレッチすることは足底腱膜炎の痛みの改善に有効ということが分かりますね。

長母趾屈筋のストレッチが有効?


また背屈制限を生み出す要因として、長母趾屈筋の伸張性低下も挙げられます。


長母趾屈筋は距骨の真後ろを走行しますので、ここが伸びないと背屈時に距骨が後方に移動するのを阻害してしまいます。
そしてここでフォーカスをあてたいのが、今回のテーマである「足部内在筋」です。
長母趾屈筋のストレッチをすることで、足部内在筋を活性化することができると考えています。

足底腱膜炎患者=足部内在筋の断面積が減少、母趾・足趾屈曲筋力、外反筋力が低下している可能性あり



足底腱膜と足部内在筋は連結していて、いい意味でお互いの機能を補助しあっているのですが、どちらかに炎症が起こると他方にも影響が出る可能性があるわけです。

ですので、炎症が沈静化したあとに再発予防を図るには、この萎縮した内在筋を改めて強化する必要があります。
内在筋トレーニングは足底腱膜炎の迅速な疼痛の軽減と機能を改善する可能性が大いにあるでしょう。


以上…

【足底腱膜炎】トレーナー目線から改善方法を考える

でした!


セッション中のヒントになると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!




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パーソナルトレーナー
鈴木フミヤ

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