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笑って、泣いた


久しぶりに笑い泣きした。

笑いすぎて涙が出ることはしょっちゅうあるけれど、そうじゃない。

可笑しくて、悲しかった。

こういった矛盾した2つの感情を同時に抱くことは、普段の生活ではそうそうないだろう。

友人の結婚式で新郎さんがやたらと号泣しているのを見たときの、幸せな泣き笑いもあれば、元彼との楽しい出来事を思い出したときの、切ない笑い泣きもある。

わたしが笑い泣きするのは、大切なものやひとに対する思いがこみ上げて、心が震えたとき。


先日、sumikoさんの記事の写真を見て、視線が釘付けになった。

マーシー。懐かしい。ふと、当時のことを思い出した。

同じ頃、ニュースで亡き志村けんさんの人気番組だった『志村けんのだいじょうぶだぁ』がYouTubeで期間限定で公開されたことを知った。

わたしは慌てた。え?これは見るしかない。今すぐ。


大きな声では言えないけれど、こどもの頃テレビばかり見ていた。

志村けんのだいじょうぶだぁは、たしか小学生の時に見ていた。記憶はあいまい。でも、おなかを抱えて大笑いしていた。へんなおじさんも真似して踊った。恥ずかしいね。

同い年の主人に聞くと、見ていないと言う。

どうして?普通見てるでしょ?


さっさと仕事を終わらせて、ひとりで動画を見た。

いきなり冒頭からパンチをくらった。

地上波では流せないものがそこにはあった。いろいろとね。あまりに見ているほうが恥ずかしくて、オープニングは早送りしたよ。ぱいのぱいのぱいだもん。親が顔をしかめていたのを思い出す。


面白かった。

30年前と同じように、苦しくなるくらい笑った。抜群のチームワークで、笑いを作り上げていた。みんなコントをしながら笑いをこらえていて、そんな姿も、そう、大好きだったのだ。


でも、笑いながら同時に悲しくなった。

画面には笑顔でいきいきした志村けんさんがいる。でも、もういない。

こんなにおかしくて笑っているのに、笑わせてくれているのに、もういない。

そう思ったら、笑いながら涙が出た。


こんなにひとを笑わせて、泣かせてしまうひとなんて、そういないよ。

何度も何度も水をかけられて滑って転んでいる姿を見て、涙がこぼれてしまった。


あっという間の30分。懐かしくて、楽しくて、切ない不思議な時間だった。


世の中は大変なことになってしまった。志村けんさんも、そのウイルスで亡くなった。みんなに元気を届けたいと、番組の制作の方も昔の映像をそのままに流してくれたのだと思う。広告収益は、赤十字に寄付されるという。

おもしろい番組は色あせない。暗くなりがちな今を忘れて、遠慮なく笑わせてもらった。


志村けんさん、いままでたくさんの笑いをありがとう。そして、マーシーは輝いていた。悲しくなるくらいとても。


寂しいのに、次の動画が見たい。おかしいよね。そのときわたしはきっとまた笑い泣きするだろうな。










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