見出し画像

《有料、冒頭試読》【ロッテ球団73年考察/(24)-投手-「無四球完投」73シーズン歴代ベスト10】

(写真 無四球試合各種個人記録の球団記録を持つ小山正明)

(24)(投手編)「無四球完投」ロッテ73年ベスト10

 投手のコントロールの良さを図るには、無四球試合(四死球を一つも許さなかった完投試合)が指標となる。数字が低いので同数字が並ぶランキングとなるが、コントロールの良さを図る指標としてご覧頂きたい。

 まずはチームシーズン無四球試合数から。73シーズンの投手記録を考察すると、チームのシーズン無四球試合数はほとんど変わっていない。概ね10試合前後で推移している。ただ、その内容には大きな変化がある。

【チームシーズン無四球試合 ベスト10】

※継投による無四球試合も含む
★1位…2011(平成23)年 22試合 (成瀬(4)、唐川(2)、渡辺俊、上野(1))
★2位…1967(昭和42)年 19試合 (成田(5)、小山(3)、坂井(2))
★3位…1956(昭和31)年 18試合 (荒巻(5)、植村(3))
★4位…1997(平成9)年 15試合 (黒木(3)、小宮山(1))
★〃 …2002(平成14)年 15試合 (ミンチー(3)、高木(1))
★〃 …2005(平成17)年 15試合 (渡辺俊(3)、清水直(2)、小林宏(1))
★〃 …2007(平成19)年 15試合 (成瀬(4)、渡辺俊、小林宏(2))
★〃 …2022(令和4)年 15試合 (佐々木朗、美馬(1))
★9位…1960(昭和35)年 14試合 (中西(2)、若生、三平(1))
★〃 …1970(昭和45)年 14試合 (木樽(4)、小山(3)、成田(2))
★〃 …2008(平成20)年 14試合 (清水直(2)、渡辺俊、唐川(1))
★〃 …2016(平成30)年 14試合 (涌井、石川(1))

 73シーズンの無四球試合数をランキング化すると様々な時代が入り、時代によって数字に変わりがないことがお分かり頂けると思う。ただ、その内容は大きく違っている。昭和の時代は主力投手が試合数を稼いでいるが、マリーンズとなってからは、個人の完投数が減り継投による試合数が増えているのだ。

 1位は2011(平成23)年に記録した22試合。成瀬が4試合の他、4投手が記録しているが、14試合は継投による無四球試合が完成している。2位の1967(昭和42)年の19試合は4投手が11試合で無四球を記録。継投では8試合になる。3位には毎日最終シーズンの1956(昭和31)年の18試合が入った。
 4位には5シーズンが15試合で並んだが、全てマリーンズ時代の記録だ。個人では佐々木朗と美馬の2試合だけだが、昨シーズンの2022(令和4)年が入った。
 9位には大毎時代、東京球場時代、マリーンズ時代の4シーズンが並んだ。

 なお、逆に73シーズンで無四球試合が0試合だったことはなく、必ず1試合は無四球試合が記録されている。シーズンチーム合計が1試合だったのは、1983(昭和58)年(継投で記録)、1988(昭和63)年(継投で記録),
1989(平成元)年(村田が記録)、1990(平成2)年(前田が記録)、1991(平成3)年(前田が記録)と川崎時代の晩年に5シーズン記録が残っている。

 では、個人の無四球試合を考察する。

【シーズン無四球 ベスト10】

◆1位…小山正明 7試合 1966(昭和44)年 ※NPB100傑23位タイ
◆2位…荒巻 淳 5試合 1956(昭和31)年 ※NPB100傑72位タイ
◆〃 …成田文男 5試合 1967(昭和42)年 ※NPB100傑72位タイ
◆〃 …小山正明 5試合 1971(昭和46)年 ※NPB100傑72位タイ
◆5位…荒巻 淳 4試合 1950(昭和25)年
◆〃 …坂井勝二 4試合 1965(昭和40)年
◆〃 …成田文男 4試合 1969(昭和44)年
◆〃 …木樽正明 4試合 1970(昭和45)年
◆〃 …木樽正明 4試合 1971(昭和46)年
◆〃 …村田兆治 4試合 1979(昭和54)年
◆〃 …成瀬善久 4試合 1910(平成22)年
◆〃 …成瀬善久 4試合 1911(平成23)年
※NPB最多…13試合 野口二郎 (阪急) 1948(昭和23)年
※現役最多…唐川侑己 2009(平成21),2011(平成23) 小島和哉 2021(令和3)年 2試合

 歴代投手の中でコントロールの良さでは「精密機械」と呼ばれた小山がナンバーワンになる。1966(昭和44)年に記録した7試合は球団記録である。小山は1971(昭和46)年にも5試合を記録し、これが2位になるが、小山は移籍前の阪神(大阪)時代の1958(昭和33)年には10試合を記録している。これはNPB100傑の3位に入る記録だ。2位にはその小山とともに毎日時代のエース荒巻、東京球場時代のエース成田の5試合がランクインする。
 5位には4試合で6投手が並んだ。荒巻、成田とともに東京球場時代のローテ坂井、成田とともにチームを支えた木樽、村田も1979(昭和54)年に記録。マリーンズ戦士では1910(平成22)年と翌11年に左腕エース成瀬が記録している。

【通算無四球 ベスト10】
◆1位…小山正明 26試合 (通算/73試合 ※NPB100傑2位)
   <在籍9年 1964(S39)~1972(S47)/通算21年3球団>
◆2位…荒巻 淳 25試合 (通算/25試合 ※NPB100傑22位タイ)
   <在籍12年 1950(S25)~1961(S36)/通算13年2球団>
◆3位…成田文男 23試合 (通算/23試合 ※NPB100傑25位タイ)
   <在籍14年 1965(S40)~1978(S53)/通算17年2球団>
◆4位…村田兆治 14試合 ※NPB100傑80位タイ
   <在籍通算23年 1968(S43)~1990(H2)>
◆〃 …坂井勝二 14試合 (通算/18試合 ※NPB100傑42位タイ)
   <在籍11年 1959(S34)~1969(S44)/通算18年3球団>
◆6位…成瀬善久 13試合 (通算/13試合 ※NPB100傑69位タイ)
   <在籍9年 2006(H18)~2014(H26)/通算13年3球団>
◆7位…木樽正明 12試合 ※NPB100傑80位タイ
   <在籍通算11年(1966(S41)~1976(S51)>
◆8位…仁科時成 9試合
   <在籍通算15年 1977(S52)~1988(S63)>
◆〃 …渡辺俊介 9試合
   <在籍通算13年(2001(H13)~2013(H25)>
◆10位…黒木知宏 8試合
   <在籍通算13年(1995(H7)~2007(H19)>
※NPB最多…78試合 鈴木啓示 (近鉄) 1966(昭和44)年~1985(昭和60)年
※現役最多…唐川侑己 6試合

 小山が在籍9年ながらトップに立つ。小山は阪神時代の47試合を加えると通算73試合。近鉄の鈴木啓示に次ぐNPB史上2番目の記録を残している。以下、荒巻、成田、村田、坂井とオリオンズ各時代の主力投手
が続く。
 6位には13試合で成瀬がランクイン。成瀬のコントロールの良さが歴代主力投手と肩を並べるものだったことが分かる。7位には12試合で木樽がランクイン。木樽までが2ケタを記録した。
 8位には偶然にも仁科と渡辺俊の歴代サブマリン2投手が並んで9試合でランクイン。10位にはジョニーこと黒木が8試合でベスト10に入った。

 なお、現役の最高は唐川の6試合が最多。

(次回)⇒《有料、冒頭試読》(25)(打者編)「塁打と長打率」の73シーズンベスト10

※参考文献、引用--------------------------------
『千葉ロッテマリーンズ ガイドブック』各年度版
『千葉ロッテマリーンズ球団50年史』株式会社スリーライト刊
『日本プロ野球記録 公式戦全スコアWEB』
 https://2689web.com/#google_vignette


【オリオンズ&マリーンズ 記録・数字の球団73年史 INDEX】

【無料公開】(40)【まとめ チーム記録 1】「試合、勝敗」ロッテ球団73シーズン球団記録
【無料公開】(41)【まとめ チーム記録 2】「表彰、タイトル獲得」ロッテ球団73シーズン
【無料公開】(42)【まとめチーム記録 3】「投手記録」ロッテ球団73シーズン投手チーム記録
【無料公開】(43)【まとめ チーム記録 4】「打撃記録」ロッテ球団73シーズン打撃チーム記録
【5/25・無料公開予定】(44)【まとめ個人 投手編】ロッテ球団73シーズン打撃記録ベスト3
【5/27・無料公開予定】(45)【まとめ個人 打撃編】ロッテ球団73シーズン打撃記録ベスト3
【5/28・無料公開予定】(46)(チーム)「ポストシーズンの足跡」
------------------------------------------
【全文無料公開】(1)(チーム)「試合数」の73シーズン考察(チーム&打者ベスト10、投手ベスト10)
《有料、冒頭試読》(2)(チーム)「勝利数と勝率、監督」の73シーズン考察
《有料、冒頭試読》(3)(チーム)「敗戦数と引分」の73シーズン考察
《有料、冒頭試読》(4)(チーム)「МVPと新人王、表彰」の73シーズン考察
《有料、冒頭試読》(5)(投手編)「完全試合と無安打無得点」の考察
《有料、冒頭試読》(6)(打者編)「打率」首位打者&73シーズン打率ベスト10
《有料、冒頭試読》(7)(投手編)「勝利」最多勝と20勝&73シーズン勝利ベスト10
《有料、冒頭試読》(8)(打者編)「安打数」73シーズン考察&安打ベスト10
《有料、冒頭試読》(9)(投手編)「勝率」最高勝率&73シーズン勝率ベスト10
【全文無料公開】(10)(チーム)「本塁打 球団記録」の73シーズン考察
《有料、冒頭試読》(11)(打者編)「本塁打 個人記録」の73シーズン考察
《有料、冒頭試読》(12)(投手編)「防御率」最優秀防御率&73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(13)(打者編)「打点」打点王&73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(14)(投手編)「奪三振」奪三振王&73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(15)(打者編)「出塁率」最高出塁率&73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(16)(投手編)「先発・完投・完封」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(17)(打者編)「盗塁」盗塁王&73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(18)(投手編)「交代完了とセーブ」セーブ王&抑え・完了73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(19)(打者編)「二塁打」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(20)(投手編)「ホールドと中継ぎ登板」ホールド&中継ぎ73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(21)(打者編)「三塁打」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(22)(投手編)「投球回数」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(23)(打者編)「得点」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(24)(投手編)「無四球試合」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(25)(打者編)「塁打と長打率」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(26)(投手編)「敗戦数」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(27)(打者編)「犠打と犠飛」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(28)(投手編)「自責点」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(29)(打者編)「四球と敬遠」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(30)(投手編)「被安打」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(31)(打者編)「死球」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(32)(投手編)「被本塁打」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(33)(打者編)「三振」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(34)(投手編)「暴投」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(35)(打者編)「打席数と打数」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(36)(投手編)「ボーク」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(37)(打者編)「併殺打」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(38)(投手編)「与四死球」の73シーズンベスト10
《有料、冒頭試読》(39)(打者編)「失策」の73シーズンベスト10
------------------------------------
【全文無料公開】(番外編)「オールスター」73シーズン考察
【全文無料公開】(番外編)「開幕戦」73シーズン考察
《未定公開予定》【全文無料公開】(番外編)「野球殿堂」に入った関係するОB

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 150

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?