腰野アンヘル

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    星新一ファンが、腰痛をきっかけに腰野アンヘルとしてSFショートショートに目覚めるか目覚めないかのすれすれを行くマガジン

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おざなりな梅干しではよだれは出ない

人と会う予定が立て続けに入っているので、はじめてPCR検査を東京都の無料PCR検査所で受けてみた。予約をしていったのに、特に確認されなかったとか、スマホで個人情報を記入したのに、また改めて手書きで書いたとか、そういった類のおかしなところについての突っ込みは四十路のおじさんあるあるなので、この際おいておく。 検査所では抗原検査と抗体検査のどちらもできるので、せっかくだから両方を受けてみることにした。知らなかったのだけど、抗原検査は唾液、抗体検査は鼻に綿棒をぶっさすタイプだった

    • 汚れた大人を君は体験したか?

      甥っ子に薦められて「鬼滅の刃」を読んだ。おもしろい。ジャンプマンガにありがちな展開ながらも素直に面白い。多分これは私がいまさら声高に言っても、何をいまさらと思われるだけだろう。 私が読み進めているうちに思ったことがあるのだが、柱たちのやさしさが異常だ。読んでない人のために柱について簡単に説明しておくと、主人公よりはるかにレベルが上の先輩だ。先輩たちは当初冷たい。だが、事情を察するや否や、とてつもなく優しい。だからずっと話が進行していくうちにその優しさはいつか裏切ってくるとタ

      • 宇宙全体の教訓

        資源が枯渇するとずっと言われていたにも関わらず、人類は怠惰に任せて結局何もしなかった。だが幸運にも平和な地球は世界政府が樹立して久しく、話し合いの末、隣の銀河にある資源の存在が有望な星を目指して探検隊を送ることにした。 何千年か前にも資源を求めて地球上の他の大陸を目指して探検をした記録があったが、どうやらその時は原住民を暴力や持ち込んだウイルスによって絶滅に追い込んだらしかったので、非殺傷兵器を持っていくことにした。これは攻撃対象を柔らかな紙に変えてしまうというたいしたこと

        • 世界に一つだけの花の本当のサビ

          先日なんとなく、マッキーこと槇原敬之の世界に一つだけの花を聞いていた。SMAPのヒット曲としても知られる、名曲中の名曲だ。そしてサビの部分はおなじみだと思うが、こうだ。 世界に一つだけの花 一人ひとり違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい これは泣ける。生物大好きのダイバーシティー至上主義者の私としては泣ける。しかし、世界に一つだけの花のサビは実はここではない。音楽をきちんと聴いていこう。本当のサビを探す手がかりになる、「ウポゥ」をまずは探してみよ

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          一生の恥をかくとオオタニサンにはなれない

          私は小さい頃リトルリーグという少年野球をしていた。硬式ボールという、いわゆるプロ野球と同じ硬いボールで行うリーグで、少年野球の中ではかなりガチ勢だった。 小学生の頃から体が大きかった私は一塁手だった。しかし、バッティングがあまり上手じゃなかったので、打順は7か8番あたりだった。足も早かったし運動神経も良かったが、うまく打てなかった。なぜか。 ある日チームメイトが「マシンで打つといいよ」とアドバイスしてくれた。多分業界用語で「真芯」つまりバットの芯のことだった。しかし当時は

          一生の恥をかくとオオタニサンにはなれない

          電車に乗るためには特殊部隊の訓練がいる

          戦争の賛否などはここではちょっと触れないが、純粋なエンターテイメントとして、私は戦争映画が好きだ。特に好きなのは多勢に無勢な作品で、生き残るにせよ、全滅するにせよ、少数で奮闘するさまにワクワクする。 中でも何回も見てしまうのがブラックホークダウンだ。一応あらすじとしては、1993年、ソマリアの内戦の激化に伴ってアメリカ軍が介入。その際にいくつかの米軍の組織的な問題に起因して、少数の米軍対多数の民兵で未曾有の市街戦に突入する。 その中で大活躍するのが米軍特殊部隊だ。特殊部隊

          電車に乗るためには特殊部隊の訓練がいる

          米津玄師で帰宅すると映画泥棒と間違えられる

          私は一日中ずっと音楽を聞いている。最近はサブスクリプションで古い新しいに関わらず聞きたい曲が聞けるようになって嬉しい。昔から音楽をずっと聞いているのが好きで、夏休みなんかはアルバムをずっとリピートして、カーテンの下で寝て、風が吹くたびにカーテンが顔を撫でる感覚が好きだった。今はそんな暇でもないわけなので、仕事しながら聞くことが多い。 サブスクリプションで聞くと楽しいのは、全く知らない曲に出会って、ハッとし、よくわからなくなってワナワナすることで、何を言ってるかわからないかも

          米津玄師で帰宅すると映画泥棒と間違えられる

          人は唐突なライブ感にしびれる

          集中してやりたい作業があったので朝からホテルのラウンジでコーヒーを飲んでいた。ホテルのラウンジはスタバなんかとは違って、ドヤな人よりも何かしら会話をする人が多い。保険の勧誘をする人、商談をする人、面接をする人。聞き耳を立てる悪趣味な私的ベストトークは江戸時代の震災時の徳川幕府の対応について、インタビューを受ける教授らしき人と記者の話。 いつもはこのように聞き耳を立てているのだけれど、今日は不意にオーディエンスに仕立てられた。人は不意にオーディエンスになるとなんでも感動できる

          人は唐突なライブ感にしびれる

          小説に出てくる女の語尾は過去の女に使わせている

          少し前に夏休みを利用してニセコにいった。民泊を利用してホームステイのような感じで行ったのだけれど、そのお宅が有島地区というところにあった。有島といえば武郎だなーと思いながら何も知らずに行ってみると、本当に有島武郎にゆかりの場所というか武郎の家だった。 これは文学好きな皆さんは知ってると思うのでみなまで書かないが、有島武郎の農場があった場所だ。これまで有島武郎に興味があったわけでもないので、作品はろくに読んでなくて、子供のころテレビの下のキャビネットに文庫本があったなと思いだ

          小説に出てくる女の語尾は過去の女に使わせている

          与謝野晶子になりたい

          だいぶ前にトヨタの車のCMで真木よう子が「柔肌の熱き血潮に触れもみでさびしからずやみちをとくきみ」とつぶやくとたちまち車がいけてるふうに見えるというのをやっていた。 学のない私はそれが有名な与謝野晶子の詩だと調べて知って、あ、与謝野さんてやっぱ天才だわと地元のヤンキーの先輩を見る感じでサラッと評価し終えたがふとそのヤンキー先輩のさらなる凄さに気づいた。 名前がイカスこれが山田さちこくらいだったらどうだろう。悪くはないが、熱き血潮に触れもみでないのは当然な気がする。だってさ

          与謝野晶子になりたい