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「ICOCAを捨てないで」に感じる違和感

私が勤務している会社の所在地、岡山県新見市が発行する「市報にいみ1月号」の中にある1ページです。

新見市ではこのほど交通系ICカードICOCAの新見市オリジナル版を導入されました。

  • 地域ポイント「にーみんポイント」が市内加盟店で使える、貯まる。

  • 利用促進キャンペーンとして、申請した方には「にーみんポイント」が5千円分付与される(現在3千円?)。

というものです。そして今月の市報で見かけたのがこの「ICOCAを捨てないで」という記事です。

私の勝手な想像ですが、おそらく結構な数のICOCAが捨てられている現状を見かねてこのような記事を掲載されたのだと思われます。内容が内容だけに、このような事態を未然に防ぐために前もって掲載したとは考えにくいので。

仮に「ICOCAが捨てられている」のが事実だとして、この記事では「その行為は間違っている」「しかもポイントだけ使い切って」という困惑感が伝わってきました。

ICOCA担当部署からすると、意図していなかった悲しい使われ方をされて残念なのだと思います。捨てた人を非難こそしていませんが「頼むからそんな事はしないでほしい」と訴えておられます。

一方、市民からすると何かルール違反をした訳ではありません。ずる賢いと言われるかもしれませんが、「あげると言われたポイントを貰って、それを使っただけ」です。

この記事を書かれた方々の大前提には「ICOCAを持つ気がない人は(ポイントが欲しいとしても)カード申請などしない」という考えがあったように思えます。そのうえで、申請者を増やすためにポイント付与という手段を講じています。

ここに私の感じる違和感の根本があるように思います。

本来、利用者を増やしたいのであれば、「オリジナルICOCAを持つとこんなに素晴らしい暮らしが待っていますよ!」という事を訴求しなければいけない筈です。「5000ポイントあげるから」はICOCAを持ち続ける理由にはなりませんが「とりあえず申請して、貰ったポイントで買い物をする」理由にはなります。

従って、今回の出来事は悲しいものだったかもしれませんが、ある意味で理に叶った反応のような気がします。持ち続ける事のメリットが感じられないからこそ捨てられるのでしょう。

自分たちの住む町を良くしていきたいという思いは誰しも同じはず。この機会に「オリジナルICOCAを持つ事のメリット」をまず考えてみる、というのはどうでしょう?無ければ新たに作れば良いのです。それなくして「やめてほしい」と訴えても空中戦になってしまいます。

オリジナルICOCAを導入しさえすれば町が活性化する訳ではありません。賛否両論あるかもしれませんが、よろしければ「コメント」からお声を聞かせて下さい。是非皆さんと考えてみたいと思います。