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映画「アンダーカレント」夫×失踪×嘘つき

●夫が失踪したのに、それが嘘でさらに嘘で人を苦しめていたらどうするか。夫が失踪して、銭湯をやりくりしながらも帰りを待っている。見た目は悪くなさそうなんだけど、探偵の話でどんどん過去がわかるにつれてとんでもないやつだと知ってしまう。かなえはかなり悩んで、夫を信じてみると思っているのだけど、探偵の調査で打ち砕かれる。好きな相手が嘘をついて、しかも結婚までしたらどうか。わたしなら嫌悪感があるし、失踪したのも相手の意志であり、裏切りである。それを知ってからは信じることができないし、友達でもなく配偶者なのだから、法的な手続きに移るたまろう。当然である。失踪ではなくて逃げていて、自分に言えない秘密を持っている。嘘だらけの人生で、ただ自分だけならまだしも、過去に会社の人間を巻き込んでいるから許せないだろう。正直、結婚までの背景が気になるし、実際に結婚生活が上手く行っていたのかも気になる。配偶者が嘘つきで、自分の想い、自分への想いがうそかもしれないと疑心暗鬼に陥るだろう。何が正しいか分からない。劇中ではかなえはかなり静かだったが、探偵から真実を聞いたら怒るし、悲しくなる。

○真木よう子さんの演技が光っていたと思う。銭湯が舞台であるのだが、失踪した夫、銭湯で働きたいと言う謎の男性。ラストまで謎な部分があり、最後まで見ないとよく理解できない作品だ。銭湯を経営するかなえの夫、悟が失踪するのだがらこれがとんでもない人物。嘘、しかも自分に都合の良い嘘をつき、それを人に信じさせ、さらにいなくなっても悟に対して悪い感情を抱かせないように対処するのが上手い。これが非常にたちが悪く、本人は何とも思っていないが、まわりが不幸になるという最悪な状況に陥る。悟は最後にかなえと対話して、離婚届を渡し、お互い離れるというがどこまで本当か分からない。嘘で塗り固められた男だから、観ていて不安しかなかった。海沿いのカフェで対話するのだけど、いつ暴力的な行為があるのかとドキドキしてしまった。なにせ、探偵を雇いかなえを調査させているぐらいなので何を考えているか分からない。暴力は杞憂に終わったが、結局上手く別れることができた。詐欺師のように相手やまわりを丸め込む才能があるために本当に信用していいか分からない。最後まで謎の人物でなぜかなえと結婚したのかもわからない。信じるなら安らぎをえたかったのだろうか?

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