見出し画像

チャートリーディングの基本② ー「道具」の紹介

 投資を学び始めた頃は、いくつかのインジケーターを掛け合わせる事で単純に精度は上がるものだと考え、様々なインジケーターを学び、《ボリンジャーバンド×RCI》《一目均衡表×MACD》など、一般的によく言われる《トレンド系×オシレーター系》の組み合わせの試行錯誤を重ねた時期もありました。しかし試行錯誤の末に私が辿り着いた結論は、

インジケーターは出来る限りシンプルに、増やすべきではない

ということでした。

 シンプルである必要性は、複雑なインジケーターは、まず使いこなすまでに奥が深すぎること。他人が生み出してくれたインジケーターを理解しきることはなかなか困難で、自分に落とし込めていなければそれは信頼して使える武器にはならないと感じたからです。

 次に増やすべきではない理由は、主観が含まれ過ぎてしまう事。複数のインジケーターから得られる答えは当然1つではなく、それぞれが示す答えからどのインジケーターを優先するかは自分の裁量であり、その数が増えれば増えるだけ、自分に都合の良いものばかりに目が行き、時には多数決ですらなく少数派に望みをかけてしまうようなことまでも。利益を伸ばす為にはメンタルとの闘いは避けられないと感じているので、せめてインジケーターの優先順位(メインの道具)を明確に決めておく必要があると感じました。


道具① 移動平均線の種類


誰が見ても同じ、客観的な局面判断が出来る。
自分の都合の良い見方でチャートを見ることが出来なくなる=メンタルに左右されない』
事が重要だと自分の中で結論が出たところで選択したのが単純移動平均線でした。

単純移動平均線(SMA,Simple Moving Average)は、計算の対象となる期間の複数の終値について平均値を算出し、期間をずらしながらでつないで表示したものです。

期間設定値

 単純移動平均線5本
■ 5日線(赤)
■ 20日線(緑)   =週足の5週線(赤)
■ 60日線(青)
■ 100日線(紫) =週足の20週線(緑)
■ 300日線(オレンジ)=週足の60週線(青)

どこの証券会社にもあるツールですが、デフォルトは
日足では 短期線 5日や7日
     中期線 21日や25日
     長期線 75日や100日
週足では 13週線 や 26週線
になっていることが多いかと思います。

これは 短期線=1週間分 中期線=約1か月分 長期線=約3~4か月分 13週線=3か月 26週線=半年

の根拠からだと思いますが、私は「チャートリーディング①」にも書いたように、長期的な流れにはあまり逆らいたくないので、日足だけを見ても週足が分かるように、且つ全ての時間軸のチャートで同じ見方が出来るよう時間軸ごとに数値を変えたくなかったので、この数値で落ち着いています。
 「週足は週足で見れば良いじゃないか!」「60日では3か月分の営業日に満たない!そこは厳密にするべきなのでは…」なんて言う意見も聞こえてきそうですが、私の移動平均線の使用目的は局面判断で、いわゆる「ゴールデンクロス・デッドクロス」などの線の交差はエントリー理由にはならないので、その辺りの細かい誤差は問題ありません。

線の役割① 5日線(赤)

5日線は、局面判断には使えません
■ 短期的な上げ止まりや下げ止まりを示す。
■ 20日線との組み合わせで横ばい局面の出口を示す。
■ ローソク足との組み合わせでエントリーやエグジットポイントを示す。

5日線はあくまでも出入口を教えてくれるだけです。チャートに集中して考えていると、どうもこの線ばかりを気にしてしまう方が多い傾向があるようなので、この線では局面判断はできないことを頭に叩き込んで、騙しの動きの多い線でもあるので注目をし過ぎないよう要注意です。

線の役割② 20日線(緑)

メインの局面判断に使用する重要な線です。
私は過去の検証から得たパターン分析を多用しますが、
緑の高値安値から得れるトレンドに逆らうエントリーをするときは、それ相応の理由が必要になる程、優先順位が最も高い線です。

■ 20日線の高値安値で、トレンドの方向(上昇・横ばい・下落)を判断できる。
■ 60日線との交差でトレンドに変化があったことの証拠になる。ただしまだ転換したわけではない。
■ 100日線との交差で、次に狙う方向が真逆になる。
■ 週足の5週線とほぼ同じ。

線の役割③ 60日線(青)

■ 20日線との交差でトレンドに変化があったことの証拠となる。ただしまだ転換したわけではない。
■ 5日線がトレンドに逆行した時の一旦のゴールとなる。
■ 100日線との交差の頻度で横ばい局面である証拠となる。
■ 大きな下落時、下げ止まりから60日線までの動きでその後の強さの予測が立てられるようになる。

線の役割④ 100日線(紫)

■ 週足の20週線(緑)とほぼ同じ。
緑は局面判断に最も重要な線なので、日足で週足の局面を見ることが出来る。
■ 20日線との交差で、次に狙う方向が真逆になる。
■ 60日線との交差の頻度で横ばい局面である証拠となる。

線の役割⑤ 300日線(オレンジ)


■ 週足の60週線(青)とほぼ同じ。
■ この線の上か下かで戦い方が変わる。
■ 日足で週足を見ることができる。
■ 直近2~3年の高値安値の大体の位置がわかる。
■ 20日線(緑)との交差で本玉の方向が変わる。
■ 上昇や下落の一旦のゴールになる

週足と日足をリンクさせる為に重要な線なので、私は20日線(緑)に次いで2番目に重要視している線です。

線の役割は、取り敢えず箇条書きにしてみましたが、これでは当然説明が足りないと思うので、後日図を付けて改めで捕捉を行います。
ここでは、局面判断に一番重要な線は20日線(緑)の高値安値であることを頭に置いておいて下さい。


道具② 移動平均線の順番

線の順番は、上から 5日線→20日線→60日線→100日線→300日線 の順番がきれいな上昇トレンドの並び、パーフェクトオーダーと呼び、
この逆が下落トレンドの並び、逆パーフェクトオーダーと呼びます。
短期的な動きを示す5日線のみが順番を崩した時などに、長期線に支えられて戻りやすい、というような使い方をします。
線の役割でも触れたように、20日線と長期線(60・100・300日線)との交差で局面が変化していく様を読み取ります

20日線(緑)が300日線の上であるか下であるかで、伸びしろがあると判断される売り買いの方向が変わります。
300日線(オレンジ)の上 → 狙うべきは買い
300日線(オレンジ)の下 → 狙うべきは売り
細かい話をしないと一概にこれだけでは道具にはなりませんが、短期足チャートで300線を20線が割り込むということは、その上位である長期足チャートが局面を崩している事が理由です。


道具③ 移動平均線の傾きと距離

ここで言う移動平均線とは、主に長期線のことを指します。
■ 60日線(青)と100日線(紫)に一定の距離があり共に上昇しているときはは上昇トレンド、その逆なら下落トレンドなので、そのトレンドに逆らうエントリーの際は短期・少量で行うべきことを示唆し、本格的な転換までは時間がかかることを示唆します。
■ 長期上昇を続け青と紫の距離が近づき、青と紫の距離に比べてオレンジとの距離が極端に広いようであれば、日柄と節目の条件に基づいてトレンドに逆行する逆張りが有効な可能性を示す。
■ 青と紫の交差が短期間に2回以上行われていれば、それは横ばい局面の証拠。
■ 長期線の傾きが鋭角なときは、長期線の向きに逆らった5日線の一旦のゴールとなる。
■ 緑の下げの角度が前回の下げの角度よりも緩くなってきていれば、転換点が近い事を示唆する。


道具④ 高値安値

20日線(緑)の高値安値

高値安値は、緑の局面判断に非常に重要です。
トレンドの定義として、
上昇局面=緑の安値切り上げ・高値越えが継続して起こっている状態
下落局面=緑の高値切り下げ・安値割れが継続して起こっている状態
グレーゾーン=条件の一つでも崩れた状態。トレンドの転換点になりうる

ローソク足・5日線(赤)の高値安値


■ 買い下がり、売り上がりの「コスト管理法」を行う際のエントリーのきっかけをくれる。
※ 上昇局面なら、「前の高値を越えたから売り」であって「前の高値を越えたから買いor追加」は遅すぎるのでしない。

例 大きな下落の下げ止まりは、過去のしこり=前の安値の付近 or 300日線(オレンジ)、
横ばい相場なら上昇の上げのMaxは前の高値まで、など…


道具⑤ 日柄と節目

トレンドに逆らう「逆張り」エントリーをする際に必須な条件です。
私は、過去の検証により「トレンド継続3か月 or 6か月」「区切りの良い節目 or 過去のしこりのある価格」その両方の条件がそろった時以外は、トレンドに逆らう逆張りはしません。

※ 逆張りをする際に必要な条件であって、トレンドフォローをしている際にはこの道具は使用せず、むしろ敢えて無視をしなければいけません。

※ 日柄は、赤と緑の交差の起点になった安値や高値から数え、自分に都合の良い数え方をします

道具⑥ ローソク足

ここまでの上記の道具と緑の高値安値をメインとした局面判断に於いて、トレンドを取りきった最後の転換点は、一旦逃げの建玉を強いられたり、入れていても少量しか入れられないのでもっと玉を積みたいというような欠点が出てきます。それをカバーするためにローソク足を使用して多少出遅れてはいますが「順張り」でエントリーを行います。

ローソク足は5日線(赤)との組み合わせでエントリーポイントを教えてくれますが、局面判断には使用しないので、日々のローソク足に気を取られる必要はありません。

下げはスピードが命なので、下げの最中に大きな陽線が出ることは、その後の緑の傾きを緩くしてしまうという意味で良くありません。


道具⑦ フィボナッチ


フィボナッチ・レシオは黄金分割としてもマーケットで使われている比率です。
ひと言でいえば、1対0.618という比率が基本となるものです。
はじめに1をふたつ並べて書きます。次にその1と1を足し2を右に並べて書き足します。その次は1と2を足して3、さらにその次は2と3を足して5としていきます。
そうすると 1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…となります。これをフィボナッチ級数といいます。そして、前の数字を後の数字で割ります。1÷2、2÷3、3÷5とするわけです。そうしますと次第にその答えの数字は0.618…に収斂されていくのです。
この0.618という数字こそがフィボナッチ・レシオの基本で、
この比率は自然界の法則の1つとされ、「最も美しいもの」の比率とされています。
例えば、ピラミッドやパルテノンとかいった宮殿の建築をはじめミロのヴィーナスといった芸術作品にも使われています。     

株コム証券

私が使用するのは、5本の「株価フィボナッチ」です。「コスト管理法」を行う際に、基本的に玉の積み場所は移動平均線で決めますが、そこまで行ってくれないこともよくあり、もう少し細かく玉を積める場所を探る為に使用します。


最後に


細かく説明を加えながら書くと、この道具紹介が全く終わる気がしなかったので、取り敢えず何を使っているのかだけは紹介させていただこうと思い、思いつくままにドバっと書いてしまいましたが、こんな文字の羅列のみでは全く分からないと思うので、後日補足を書くか、日々の練習を載せていこうかとも思うので、その中で都度説明をしてみようかなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?