見出し画像

プレミアリーグ ユースランキング (前編)

 はじめまして大阪スパーズです。

 前々回のブログ「スパーズアカデミーってどうなん??」でスパーズのユース出身者について書いたのだが、比べる対象がないとスパーズユースが優秀なのか判断がつかないということで、今回はプレミア全クラブを対象に今シーズントップチームに出場したユース出身者について記述する。
 プレミアリーグの全てのクラブのファンの方に楽しんでもらえる内容になっているので最後までご覧頂けたらと思います。

用語の定義 

 ここから細かい定義を述べていくので、先にランキングを見たいという方は、下にスクロールして頂いて気になるところがあればここを読んでいただけたらと思います。

 ユース出身者

 ①シーズン開始(8月1日とする)の時点で満16歳であり、当該クラブに所属している者。

※幼少期より当該クラブに所属している者も、16歳の8月1日に加入した選手も同等に扱う。

 ②当該クラブユース出身で他クラブに移籍したが、再獲得により当該クラブへ戻ってきた者。区別を付けるために再獲得者とする。

 ③上項①の時点では他クラブ所属だが、2シーズン後の6月30日までに当該クラブに加入した者。区別を付けるために途中加入者とする。

※以前所属したクラブでトップチームデビューした者は途中加入者の対象外とする。
例:ベン・ゴッドフリー(ヨーク・シティ→ノリッジ・シティ)、シープ・ファン・デンベルフ(PECズヴォレ(NLD)→リヴァプール)などが対象外となる。

 また、プロ契約で当該クラブに加入した者も今回の調査の対象外とした。

 この期間を対象にした理由は、イングランドでは16歳の7月1日にU18カテゴリに在籍となり、トップチームの昇格がなければ18歳の7月1日にU23カテゴリに在籍となるからである。ご承知の通り、18歳で移籍してくる選手はほとんどがトップチーム所属になるため上限は18歳とした。

表の説明

 名前横の●は再獲得者、※は途中加入者を表している。

 出場数についてはトップチームの公式戦全てを含み、総出場は当該クラブでの全てのシーズンでの出場数を表す。2部などの下部リーグでの出場も含んでいる。()内は今シーズンの出場数を表している。
 (全てのデータはtransfer marketを参照、5月17日時点)

ランキングについて

 今回のランキングは、今シーズンにトップチームでプレーしたユース出身者の今シーズンの出場数の合計、今シーズン出場した人数、総出場数の合計の3項目で順位を付けた。その3項目での順位を合計し、一番順位の悪かったクラブを20位とし順に発表する。

今シーズンの出場数の合計・・・今シーズン、ユース出身者がどれだけクラブに貢献しているのかがわかる。ユース出身者の質と量、両方の側面から評価できる。

今シーズン出場した人数・・・トップチームに出場するに値する最低限の質を持った選手が何人いるのかがわかり、ユース出身選手の量を見ることができる。

総出場数の合計・・・現所属者の中で長年クラブに貢献しているユース選手を輩出できたかを見ることができる。ユース選手の質を見ることができる。

※対象は今シーズンの出場なので以前のシーズンでトップチームに出場し、今シーズン出場していない選手は全ての項目で対象外としている。

※今シーズン当該クラブで出場しているが、すでにクラブを退団した選手も対象外とした。

ねらい

 贔屓クラブのトップチームに所属しているユース出身者の現状を知ることができ、他クラブと比べることにより、贔屓クラブのユースの強みと弱みを見つけることができる。
 また、プレミアリーグで今シーズンどれだけユース出身者がプレーしたのかマクロ的にみることができる。

 20位 エヴァートン 

エバートン

今シーズン出場数 17位 出場人数 17位タイ 総出場数17位 

 全ての項目で下位に沈んだエヴァートンが最下位となった。エヴァートンユースは定期的に優れた選手を輩出しているイメージがあったので意外な結果となった。
 最近は移籍市場でビッグ・ディールを成功させている影響か、ここ2シーズン、ユース出身者のデビューはなく、ほぼトム・デイヴィス一人が出場数を稼いでいる。
 ウェイン・ルーニー(ダービー)、ジャック・ロドウェル(シェフィールド・ユナイテッド)やトム・デイヴィスのようにセンセーショナルな活躍をする選手は近い将来現れのか?
 ジョンジョー・ケニーやキーラン・ドゥウェルなどのローン選手や、昨シーズン、プレミアリーグ2(以下、PL2)で優勝に貢献したメンバーなど期待されるユース選手は多いので今後に注目である。

19位 ボーンマス 

ボーンマス

今シーズン出場数 20位 出場人数 9位 総出場数20位

 2項目で最下位だったボーンマス。しかし、出場人数が多くなんとか最下位を免れた。
 現在のボーンマスはユース出身者でのレギュラー選手はいなく、今シーズンの最多出場はシンプソンの8試合に止まった。
 途中加入者をうまくトップチームデビューさせている上に、20歳台前後の若手選手をチャンピオンシップやプレミアリーグのクラブから獲得し戦力としている。
 出場人数がリーグ中位なので、今後ユース出身者の活躍が期待できる。

18位 ワトフォード 

ワトフォード

今シーズン出場数 19位 出場人数 17位タイ 総出場数9位タイ

 ワトフォードは、出戻りのマリアッパの出場数が効き18位につけた。マリアッパはレディングに移籍するまでの7シーズンとパレスからフリーで復帰してからの4シーズン、ワトフォードユース出身としてクラブを牽引している。
 マリアッパを除くとベネッツのみがユース出身者で厳しい状況が見てとれる。ベンチ入り経験者に対象を広げてもアンディ・ジャンジェバが増えるだけで、今後ユース出身者の躍進はあまり望めないが、ボーンマス同様20歳前後の若手選手を獲得し少しずつ戦力にしている。

17位 バーンリー 

バーンリー

今シーズン出場数 12位 出場人数 17位タイ 総出場数15位 

 7シーズンぶりにクラブに復帰したジェイ・ロドリゲスとマクニールが今シーズンほぼすべての試合に出場したバーンリーが17位にランクした。
 マンチェスター・ユナイテッドから14歳で加入したマクニールは昨シーズンの中盤戦以降にレギュラーに定着し年齢もデビューシーズンも10年先輩のジェイ・ロドリゲスと共にクラブを牽引している。2003年生まれの17歳ルイス・リチャードソンは早くもリーグカップでベンチ入りを経験し今後の成長が期待される。

16位 ウォルヴァーハンプトン

ウルブズ

今シーズン出場数 18位 出場人数 6位タイ 総出場数19位 

 昇格後、好成績を収めるウォルヴァーハンプトンは16位にランクした。ギブス・ホワイト以外は今シーズンデビューした選手でELやリーグカップで出場。試合数が増えればユース選手を使いやすい例を表している。今後、これらの選手がどう成長するのか注目である。
 特にケム・キャンベルは17歳ながらひと世代上のカテゴリであるプレミアリーグ2で2得点をマークしている。

15位 マンチェスター・シティ

シティ

今シーズン出場数 13位 出場人数 8位 総出場数18位 

 2014年にシティ・フットボール・アカデミーを設立したマンチェスター・シティが総出場数の少なさが影響し15位。ビッグ6最初の登場となった。
 今シーズンだけに目を向けると、フォーデンはもちろんのこと、アンヘリーノ、ガルシアもプレミアでスタメン出場し戦力となっている。エリク・ガルシアとベルナベは元バルセロナのカンテラーノでペップ・グアルディオラやチキ・ベギリスタインFDの影響が見て取れる。
 これらの選手がジョーダン・サンチョなどのように金銭に変えられるのか、このままシティでプレーするのかわからないが、コンスタントにいい選手を輩出しているシティユースからは今後も有望な選手は出てくるだろう。

14位 クリスタル・パレス

パレス

今シーズン出場数 15位 出場人数 16位 総出場数7位 

 今シーズンの出場数と総出場数をともにザハが一人で稼いだパレスが14位にランクした。今シーズンの移籍市場で大きな利益をもたらしたユース出身のアーロン・ワン=ビサカを育成した点や、17/18から3シーズン連続でユース選手をデビューさせている点など評価できるところは多く。
 ベンチ入り経験者を見るとイングランドの年代別代表に名を連ていたニャ・カーヴィーなど4人がトップチームデビューを狙っている。ザハやワン=ビサカに続く選手が出てくるか期待したい。

13位 シェフィールド・ユナイテッド

シェフィールド

今シーズン出場数 16位 出場人数 17位タイ 総出場数3位  

 今シーズン7位と昇格クラブにも関わらず大きなサプライズを与えているシェフィールドは再獲得者のシャープとジャギエルカの二人で総出場数を稼ぎ13位にランクした。
 シャープは15-16にクラブに戻り、3部時代からクラブを支えプレミア昇格に貢献。ジャギエルカは今シーズン12シーズンぶりにフリーで古巣に帰還した。若手でユース出身者の出場はなく、近いうちに大きな戦力になりそうな兆候はみられず、今後については不安な結果となった。

12位 アストン・ヴィラ

ビラ

  今シーズン出場数 14位 出場人数 9位タイ 総出場数12位 

 3シーズンぶりにプレミアに戻ったヴィラは12位にランクした。若くしてキャプテンを務めるグリーリッシュを筆頭に5人の選手がユース出身者でトップチームの試合に出場している。
 昇格クラブながらユース出身者にチャンスを与え、その中でもヴァシレフはすでにプレミアデビューも果たし、クラブの期待がうかがえる。ちなみに、このヴァシレフはアメリカのIMGアカデミーの出身である。

11位 レスター・シティ

レスター

今シーズン出場数 7位 出場人数 12位タイ 総出場数14位

 イングランド代表のLSBチルウェルと昨シーズン冬にローンから戻ると瞬く間にレギュラーに定着したバーンズ、DMFのレギュラー格として出場機会を増やすチョードゥリーとユース出身者が着々と定位置を掴むレスターが11位にランクイン。
 大型補強、若手補強の補強戦略とユース出身者がうまくかみ合いプレミアリーグでも3位と好調をキープしている。
 国籍を問わず若手選手を獲得し、クラブの中心選手へ成長させるイメージが強いレスターだがユース出身者も戦力に成長させバランスのいいクラブとなってきている。


 前編はここまでとなります。最後までご覧頂きありがとうございます。後編はベスト10、全体の総評とまとめを書きますのでよかったらご覧ください。

  後編はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?