私が48日かけてドライヤーを買ったのは、思い出深い理由があります。

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長年使い続けていたお気に入りのドライヤーから、急に焦げ臭い匂いが漂い始めました。

その匂いは、私の日常に不安と苦悩をもたらしました。


5年間、私の信頼できるドライヤーは、数々の髪の日々のパートナーでした。そのドライヤーは、私の髪を優しく乾かし、時にはスタイリッシュに仕上げてくれました。しかし、焦げ臭い匂いは、それまでの安定を崩し始めました。

焦げ臭い匂いは、日に日に増していきます…
ドライヤーの終焉の始まりを告げるものでした。


私は、お気に入りのドライヤーとの別れを決意しました。

そして…

その決断は苦難の始まりでした…

絶望

私の目には絶望が写った。

電気屋のドライヤーのコーナーには、大量の商品がずらりと並んでいました。

それぞれが異なる機能や特徴を持ち、一見するとどれを選べば良いのかわからない状況でした。

店員に尋ねると、彼らは全てのドライヤーに個性があると教えてくれました。


恐れる手でドライヤーを手に取り、それぞれの製品を確認しました。書かれている説明を読み、どのドライヤーが私のニーズに最も合っているかを見極めようとしました。

それは、新しいドライヤーを選ぶことが、私の髪や健康にとって大切な決断であることを示していました。

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大量の情報が一度に入ってきます。最新のドライヤーの多機能さには困惑しましたが、それでも私は諦めることはありませんでした。

電気屋さんに3日間通い、そこにあった全ての説明書きを読みました。

説明書きを読むことで、各ドライヤーの特徴や機能を理解し、自分にとって最適なものを見つけるための手がかりを得ました。

情報の中から、私の髪質やニーズに合ったドライヤーを選び出すことが、重要なステップであることを理解しました。


困難な選択の中で、私はじっくりと考え、細部にまで注意を払いました。それは、私の髪や健康を大切にするための積極的な行動であり、自分自身への投資でもありました。

これらの努力が、新しいドライヤーを選ぶ上での自信と安心感をもたらしてくれました。

そのはずだった。

5𝒟𝒜𝒴      出会い

出会ってしまった。
まさにそれは悪魔の出会いだった。

出会ってしまったのは、違うコーナーにあった高級ドライヤーでした。

7万円近い価格に、私は驚きました。

そんな馬鹿な…

高すぎる…


どんな機能がつけばその値段に…？

まさか…？一瞬で髪を乾かせるの…か…？

そう思わずにはいられませんでした。

高価なドライヤーの存在に、私の心は動揺しました。

そして同時に価格に見合うだけの価値があるのか、疑問が頭をよぎりました。

私は、本当にその高価なドライヤーが必要なのか、考え込みました。

しかし、その疑問が私の選択を考え直すきっかけとなりました。

7𝒟𝒜𝒴   広がる世界

私は気づいてしまった。

見ていなかったコーナーがあるということは、もっと他のドライヤーもあるかもしれないということを。

私は慌ててスマホで調べました。そこには、見たこともないおすすめのドライヤーが大量にあったのです。


私は急いで家に帰り、パソコンを起動し、ドライヤーを検索しました。

機能…
ワット数…
風量…
デザイン…
カラー…

etc

さまざまな要素を比較しました。何日も調べましたが、今まで調べていたドライヤーの中にもネットの情報と違うものがあり、そして何よりその膨大な量に私は疲弊していきました。

情報の過剰な量に圧倒され、私の心は疲れ果てました。選択肢が多すぎると、どれが最適なのか分からなくなり、不安が募っていきました。

自分の髪のために選ぶべき最適なドライヤーを見つけるために、私は懸命に努力しましたが、その過程で心身ともに疲れ果ててしまったのです。

14𝒟𝒜𝒴     決まる心

私の目の前で赤い火が弾けました。

それは私の相棒の本当の最後だったのです。

ドライヤーは煙を吐き出し、焦げた匂いは焼けた匂いに変わっていました。

直ぐにコンセントを抜き、放心状態の頭を部屋の冷たい空気が冷やしました。

「買わなきゃ…ドライヤー…」

私は初日の店に舞い戻りました。もう私には怖いものはありませんでした。たくさんの知識と私に必要な機能、そしてネットで沢山見た審美眼が私を支えました。



決めることができるのです。

自信を持って、新しいドライヤーを手に入れるための決断を下すことができるのです。そのドライヤーは、私の髪の健康を守り、新しい始まりを告げるものとなるでしょう。

「1年程で壊れました…あまりおすすめしません！星2です」

…

…ぇっ

私は一度実家に帰ることにしました。

17𝒟𝒜𝒴    悪魔のささやき

私は諦めて実家に帰りました。



実家での生活も三日が過ぎ、快適な生活に慣れ、気持ちを落ち着かせていました。

しかし、ドライヤーが壊れたため、家で寝ることはできませんでした。



あの日最後に見たあの光景は、夢に見る程でした。クチコミ…それまで私はデザインや機能などを見て考えていました。


実際に使って見た感想…


その作業は難航を極めました。人による好みや使い方の問題、その人にしか分からないこと。

今考えれば無視できるような内容も取り入れ、頭を悩ませます…。


その過程で、私はドライヤー選びの難しさを痛感しました。クチコミのみに頼るのではなく、自分自身の感覚や体験を大切にし、その結果を活かすことが重要だと気づきました。人それぞれの要望や使用環境に合わせて、最適な選択をするためには、努力と慎重な検討が必要なのです。

21𝒟𝒜𝒴

私は美容室にいました。

髪を整えることと、ドライヤーの相談に乗ってもらえるのではないかと思いました。

プロに聞けば、適切なアドバイスがもらえるのではないかと期待しました。私は自分の直感に従い、美容師さんとたわいのない会話を続けました。


美容師さんとの会話の中で、ついに確信に迫る情報がやってきました。

私が求めていた情報が、美容師さんから提供されることを信じていました。

その瞬間、期待と興奮が胸を膨らませました。美容師さんのプロフェッショナリズムと知識に期待して、私は確信に満ちた瞬間を迎えました。

「SALONIAのドライヤーとか結構いいですよ」

「コスパいいです」

20日以上悩んだ結末が

コスパ…？

私は一度家に帰りパソコンでSALONIAを調べました。

そして

もっとよく調べるために実家にノートパソコンを持っていく決意を固めました。

27𝒟𝒜𝒴    残酷な決断

実家と会社の行き来をしながら、新しい相棒を探しました。

しかし

何もしなくても出るご飯
自分で洗わなくても洗濯された衣類

私はもうドライヤーを買わなくてもいいとさえ考えました。

そんなある日、静かにドライヤーが母親から渡されました。私は必死に抵抗しました。

もう買う！

今決まるとこ！

そう何度も繰り返しました

私は今、家にいます。

母の反対の手には新しいドライヤーが握られていました。

その温かい手が、私の心に染み入りました。母の愛情が込められたその行動に、私の心は満たされました。

家族の温かさと支えに触れながら

私は家にあった古いドライヤーをもって家に返されました

37𝒟𝒜𝒴   激動の10日間

家に帰らされた日からの10日間は、一瞬で過ぎ去りました。

仕事から帰り

食事を作り

洗濯をする

当たり前の繰り返しの中で

母よ、あなたは偉大でした。

そんな言葉で心がいっぱいになりました。

私は改めて母の偉大さを感じながら、今日もパソコンでドライヤーを検索します。

母の愛と優しさを胸に、私の新しい相棒を見つけるため、慎重に選択を進めていきます。

43𝒟𝒜𝒴   友人

その日、私は久しぶりにあった友人とランチに行くことにしていた。

友達との食事の中で、友人にドライヤーは何を使っているか尋ねたところ、プレゼントされたものを使っていたことがわかりました。

私は驚きましたが、自分が調べた知識を生かし、友人にドライヤーの素晴らしさを伝えました。

しかし、友人からの返答には意外な言葉が返ってきました。

「ドライヤーより乾かし方らしいよー」

盲点だった

そして同時に美容師の言葉を思い出します…

「コスパいいですよ」

私は今迄の出来事を友人に全て話しました。

そう…


この物語はこうして産まれました

47日目

私は友人と一緒に電気屋さんに来ています。

彼女はいろいろなドライヤーを触り、感触を確かめています。

時折、カバンに手を伸ばしているので、私が持っている彼女のスマホを探しているようです。

全てを決めていた

私は

彼女の腕を引っ張りながら

「SALONIAのブラックのドライヤーください」

47…

私は今日もプレゼントされた
ドライヤーで髪を乾かす。

私が47日かけてドライヤーを買わせたわけ…

～完～

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