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『SHINJO』

202X年、地球は未曾有の出来事に襲われた。

オーストラリアの広範囲で火災が起こったり、新型コロナウイルスが蔓延したり、日焼けサロンに通いすぎたSHINJOが再登場したり。

学者もメディアもアーティストという名の偽りの表現者たちも、芸能界のお笑い芸人というジャンルに属する人たちも、誰も彼もが黙りこくってしまった。

黙りこくっている場面じゃあねーだろが?

SHINJOの一個下、今年年男の日焼けサロンに通いすぎたオレは、どいつもこいつも、ハリセンで、ハリセンで、ぶん殴ってやることにした。

誰も、SHINJOの身体能力の凄さを信じていなかった。

誰も、SHINJOが本気であることを信じていなかった。

誰も、この世で一番面白いSHINJOが、地球を危機から救ってくれると願ったりなんかしなかった。

ハリセンで、殴って、殴って、殴り付けても、ちょっとだけ東スポが取り上げてくれただけだった。Y工業専門学校やコマネチ学園など、学歴偏重社会の癒着で、日本のお笑い界は化石化しているのだから。

相変わらずテレビは、くそ面白くもないコメントをリピートしてテロップで流したり、弱者のケツを蹴飛ばして、何となく雰囲気で笑いを取っていた。

もう、うんざりだ。真の笑ってな、一生懸命な物に宿るんだよ。滑稽なくらいに。

オレはいつまでもSHINJOの可能性を信じている。

厚切りジェイソンは大好きだ。

写真 小幡マキ 文 大崎航

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