良い事って、邪魔が入って長続きしないよね～

という意味の言葉。らしい。

和風のキャラが使う必殺技みたいでかっこいい。こういう、カッコいい1フレーズだけに絞って教えてくれたら、中学/高校の国語の授業って、もっと面白かったのでは？花に嵐の例えもあるの？さよならだけが人生なの？まじ？どこ情報？ソースは？マヨネーズは？鰹節は？

今日で30歳の誕生日を迎えた。

いや、迎え撃った。
30歳の誕生日を。
先手は必勝。

30歳かー。人生、6分の1を過ぎたと思うと、感慨深いな。

本日も曇天なり。
これで、20代は終了。

10代最後のあの日から、もう10年たってしまったか。

19歳、最後の夜は、よく覚えている。

時刻。23時30分。

何かよくわからない衝動に駆られて眠るのが惜しくなった。

チャリンコでとりあえず、海を目指すことにした。
海はそれ以上先に進めないので、理由もなく向かうにはちょうどいいゴールだ。

10代最後の夜を、一人、夜の海で過ごしたら、
なんか特別なことをした気分になれると思った。

物語の登場人物のように、特別な存在になれると思った。

ほらごらん。まっすぐな中学二年生の心を持った大学生だよ。きれいだねぇ。

マイノリティに酔うことすら、没個性だってことに、未だ気づけない。

というか当時、「10代」という概念自体に、なぜか非常におセンチになっていた。

そうそう、
その日は急いで家を出たのはいいけど、
自転車じゃあ、30分では海にたどり着けない事は、薄々気づいていたよ。

だから途中で、急ぐのが怠くなって、海まで行くのはあきらめたんだ。

夏の夜の下。海へと続くサイクリングロード。
その両脇にある、田んぼ道で空を仰ぐ。

ウチは7月8日が誕生日なので、その日は7月7日の夜。七夕だ。

満天の星空に、天の川でも広がってるなら、七夕かつ、棚ぼた だが、おあいにく様の曇り空。お月様も見ることができない俺様である。

そして、すっげぇじめじめしている。

いつの間にか時刻は0時をまたぎ、
バカみてぇに蚊に刺されながら、20歳になった。

そのまま、ゆっくり海を目指しても良かったが、
普通に来た道を帰った。

めんどくなったから。

あと眠いし。てかなに？ 海って。ただの水じゃん。ざぶーん(笑)

10代 最後の自分は、妥協で終わり、
20代 最初の自分は、諦めで始まった。

あの夜、ちゃんと海にたどり着けていたら、

特別な人間になれていただろうか？

具体的に言うと、
海でよくわからない生命体に出会ったり、上位存在に気に入られたり、能力者同士のバトルを目撃してしまってそのまま巻き込まれたり、浜辺に落ちている重要なアイテムを拾って「きれいな石だな～」とか言って持って帰ってしまったり、それが原因で未来の自分が過去を修正しにやってきたりしただろうか。

今の俺が10年前のあの日に戻れるなら、

あの夜の俺に渡したい。虫除けスプレーを。

それから10年。

「30歳 までに、すべての都道府県を制覇する」という、なんとなく決めた目標は、あと少し、間に合わなかったね。多分残り5県くらいだったのだけど。

頑張れば全然余裕で達成できたのに、頑張らなかった。

昨日は29歳 最後の夜だったわけだが、あの夜のように、飛び出して、10年後にも記憶に残る事をしたい気持ちもあった。バイクがあるので少し頑張ればどこにでも行ける。

でも頑張らなかった。

そう。俺は頑張らない。
歳を重ねるごとに少し、腰が重くなってしまったようだ。代わりに今、この文章を書いている。

あと、普通に会社の飲み会が入ってしまったせいで、昨夜は特に何もできなかった。

あの日と同じ曇天だ。

20代 最後の自分は、やはり妥協で終わる。
30代 最初の自分は、焼肉で始まった。

10年経って、いつのまにか自転車は、バイクに変わった。結婚もした。誕生日に焼肉に連れて行ってくれる妻がいる。
丸一日、麻雀を打ってくれる友人もいるし、徹夜でボードゲームをやってくれる連中もいる。年に数回、ツーリングにもいける。上等。
10年分のリザルト画面としては、随分、上等じゃあないかね。

上等すぎて、たまに怖くもなる。

メメント・モリ

and モハメド・アリ

in モーリー・ファンタジー

みんなが自分みたいに、あと150年生きる予定とは限らない。自分と、自分の周りの人が、長く健やかであり、そして焼肉はおいしいままであることを希う。

30歳。人生、6分の1を過ぎたかと思えば、感慨深い。

大きくなったら何になろうか。

キリンさんかな。　きりーん(笑)

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