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バナナはおやつに入るのか?あの難題に向き合う――2023/01/20


この問題を考えるには、

まず、「おやつ」の定義を決める必要がある・・・と思いがちだ。

しかし、それは大きな間違い。
本質を見失っている。ともいえる。
考えるべきは、そもそもなぜ、
この疑問文が生まれたか。

おそらく、
遠足の「おやつは〇〇円まで」
というルールによるものだろう、と想像がつく。
金額は時代や学校により異なる。

遠足に持ってくるお菓子の質や量について、
家庭によって差がつくと、
子供が「自分の家は貧しいのでは?」など、
要らぬ不安を感じてしまったり、
子が親に必要以上に
お菓子をねだる構図になることで
各家庭の負担になってしまったりする。
そういうことを避ける目的の取り決めだろう。

「バナナはオヤツに入りますか?」とは、
子供が、自分が持っていく
おやつの金額を計算するにあたり、
限りなくおやつに近い存在「バナナ」は、
学校側の定義では、
「おやつ」として計上されるのか?
というレギュレーションの確認だ。

最初にこの質問をした子供は、
ボードゲームや、
カードゲームに向いているタイプだな。


少し話は逸れるが、
ここまで書いて、ふいに思い出したことがある。
「ちびまる子ちゃん」の、遠足のエピソードだ。

作中では、
たしかお菓子は200円までとされており、
まる子が200円の中で、
センス良く遠足のお菓子を選ぶコツが
たくさん書かれていた。

友人とのお菓子交換で
大好きなお菓子が目減りしないように、
交換用の細かいお菓子を
あえて生贄として用意する。など、
小学生にとっては
かなり実用的なノウハウだった気がする。

また、悪い例として、
きっちり200円で
大好物の甘納豆を大袋で買う女が描かれており、

「こういう奴は、青空の下一日中甘納豆ばかり噛みしめることになる」

という、面白すぎる一文が書かれている。

さて、まる子が遠足に行くと、
金持ちの「花輪くん」が、
フランス製の高級チョコ(たしかトリュフ)を
もってきている。

まる子は
「そのチョコはレギュレーション違反ではないか?」という鋭い指摘をするが、
花輪くんは、
「もともと家にあったものだから」という暴論をかましてくる。

・・・花輪くんとはボドゲをやりたくないね。

その後まる子は、口止め料として、
花輪くんから高級チョコを1個食べさせてもらう。

まる子は、
初めて食べる高級チョコのとりこになってしまい、帰り道で花輪くんの荷物を持つなど、
労働を自ら買って出ることで、
対価として追加の高級チョコをもらう。

高級チョコを何個かもらって、意気揚々と家に帰ったまる子だったが――。


…この遠足の話は、オチまで含めて
とても秀逸なエピソードなので大好きだ。

ちびまる子ちゃんは、
令和になった今こそあえて読みたい神マンガだと思う。(遠足の話は、おそらく5巻に収録されている)

作中に登場するキャラクターは
みんな精神年齢が高めなので物語は成立するが、

現実の小学校では、
自分の家庭では買ってもらえない量のお菓子や、
高級なお菓子を持ってくる友達がいた場合、

なかなか丸く収まらないだろう。

子供が
家庭ごとの経済的なギャップを
肌で感じてしまうことが無いように、
遠足のレギュレーションは重要である。


――閑話休題

私の結論としては、
バナナはオヤツに入るかは、
明言するべきではない。

ただし、明言せざるを得ない場合は「含める」とすべき。

バナナはおやつに含めるレギュレーションなら、
子供たちは
遠足にバナナを持ってくることが
できなくなってしまう。

では、バナナをおやつに含めないレギュレーションの場合は、
いったいどうなるか。

私は、その遠足をきっかけに、
学校は崩壊すると考えている。


理由を書こうと思っていたのだが、
せっかくなのであえて言わせてもらおう。

「後半へつづく」(キートン山田)

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