縁起を巡る旅「めでたび」の概要はこちら。

日本にはめでたい言葉を体に取り入れると、その恩恵を受けられる言霊ことだまを信じる文化がある。私はこの度、体内に入れまくりたいものを手に入れてしまった。
土井酒造の日本酒、その名も「開運」。

車を駐車場に止めて辺りを見渡すが、販売所の場所が見当たらない。
「ここは勝手に入っていいのか？」
と敷地内をおずおず進むと、山積みにされたプラスチック製ケースの奥に「直売所」の文字を見つけた。

重い扉を開けると直売所があった。しかしお店の人が見当たらない。
もう一度表に出て、扉に書かれていた番号に電話をかける。お店の人が来てくれて、ようやくお酒を買うことができた。響きだけでも縁起が良くて最高にめでたい。

ずらっと並んだお酒の隅に「開運」のミニチュアだけが入ったガチャガチャが置いてあるのを見つけた。私はガチャガチャを回し、ついでに「開運」と書かれたお猪口も購入した。

開運という名前は、土井酒造場の地元である小笠郡小貫村が貧しい村だったことから、地域をもり立てる意味をこめて名付けられた。
パッケージにお多福などのイラストがデザインされ、現在ではめでたい時や開店祝いなどに用いられている。

せっかくなら、めでたいときや祝いたいときに開けて、誰かの開運を願いたい。