牡鹿戸

【Oshikado】

牡鹿戸

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マガジン

  • ●散文、雑記、詩っぽいの。

    ギンフルマの青いやつの延長とか

  • ◇撮ったやつ

    自分で好きで撮影したやつ。

  • ◎短編 のようなものとか

    短編小説っぽいもの。のようなもの。

  • ☆コント  のようなものとか

    登場人物2人以上のギャグ的・声劇向け掛け合い台本がメイン。たまに1人向けの読み物系ネタも。

最近の記事

「こんなに廃墟や空き家があるんだから、1つくらい秘密基地にしてみたいもんだよな」 「そんな余裕があるなら離れなよ。こんな……」 「大切な人がまだ残ってる」 「……せめて、いつまで探すか決めない?」 「いつまでも」 「死ぬ気?」 「いや。これこそ生きる気というやつさ」

    • おととしの末に書いたすずめの感想、長くて下手で読みにくくて酷い。 今夜の地上波放送を機に書き直そうかとも思った。 けどやっぱり、これはこれで当時の自分の記録だから、残しておくしかないのだった

      • 2024.4.4

         きのう。  やる事がなかった。  家にも居られない日だった。  映画館へ『52ヘルツのクジラたち』を観にいった。  原作が小説なのは知っていたけど読んだことはなく、あらすじも知らずに行った。  これは映画の感想や評価を述べるものではない。  日記で、ちょっと虚構も混じっている。  上映館はよく行くにぎやかなシネコンではなく、行き慣れない古い映画館のほうだった。  電車に乗って、駅で降りた。  駅のレストラン街はスーツを着た若い人があふれていた。多分、近くの大学で入学式が

        • 言いたかったことは言えないまま、書きたかったことは書けないまま。

          2016.2〜2024.4  言いたかったことは言えないまま。  書きたかったことは書けないまま。  好きでもないものを「好きです」と言ってみたり。  つらくもない仕事を「もう毎日大変ですよ」と言ってみたり。  適当な資料ひっぱって文字数稼いで、書き連ねて、ふと俯瞰して虚しくなって。  「ああここに"伝えたいこと"なんか何1つないな」  それでも"伝えたいこと"を太字にする作業をやめない。 ・ ・ ・  言いたかったことは言えないまま。  書きたかったことは書けな

        「こんなに廃墟や空き家があるんだから、1つくらい秘密基地にしてみたいもんだよな」 「そんな余裕があるなら離れなよ。こんな……」 「大切な人がまだ残ってる」 「……せめて、いつまで探すか決めない?」 「いつまでも」 「死ぬ気?」 「いや。これこそ生きる気というやつさ」

        • おととしの末に書いたすずめの感想、長くて下手で読みにくくて酷い。 今夜の地上波放送を機に書き直そうかとも思った。 けどやっぱり、これはこれで当時の自分の記録だから、残しておくしかないのだった

        • 言いたかったことは言えないまま、書きたかったことは書けないまま。

        マガジン

        • ●散文、雑記、詩っぽいの。
          105本
        • ◇撮ったやつ
          19本
        • ◎短編 のようなものとか
          19本
        • ☆コント  のようなものとか
          37本

        記事

          +2

          2024.03.29

          平行する2本の飛行機雲は 色眼鏡を通せば春めいて見える はじまりが違うだけで 同じ目的地へ飛んでゆく それを 「寄り添っている」と表現するには まだ少し勇気がたりない

          平行する2本の飛行機雲は 色眼鏡を通せば春めいて見える はじまりが違うだけで 同じ目的地へ飛んでゆく それを 「寄り添っている」と表現するには まだ少し勇気がたりない

          多分 バレたんだ 生きていないこと 死者の影ばかり追っていること 樫の木でできた人形の 床にゴトリと落ちる音

          多分 バレたんだ 生きていないこと 死者の影ばかり追っていること 樫の木でできた人形の 床にゴトリと落ちる音

          よるクッキー。

          夜になって 冷えてきて 何時間も ぼうっとしてしまった ひとりきりの夜は 子供のころの「夜」と ずっとひとつづきの ひとつの「夜」な気がする 実感や 時間の感覚は 昼の世界の舞台装置 暗転したら ただ暗闇への親しみと 毛布のような自己憐憫 そればかりになる それで スタンドライトをつけた クッキーがあった 昔いた工場のプレス機みたいに 口を縦に大きく動かして なるべくざくざくと 音が立つように   「砕く」という語の   硬そうな響き やがてクッキーはとろけ

          よるクッキー。

          そんなことはわかっている、そんなことはわかっている。

          そんなことはわかっている そんなことはわかっている ぼくが 心からこの世に馴染めず いやな顔をして歩いていたら あの人は きっとぼくを見て だまって悲しい顔をするのだ 悲しい顔を させてしまう それが憂鬱で まったくよくなかった あの人が 悲しい顔をするのはまったくよくなかった でも 何のイメージもつかめない 窓ガラスにもメガネにも 水滴がまとわりついてよく曇る 駅前のぼこぼこした歩道を ふらふら歩いて 一方通行の標識にぶつかった 痛くて 腹が立った 戻るな

          そんなことはわかっている、そんなことはわかっている。

          心の傷を最初に「傷」と表現した天才がいる。

          心の傷を最初に「傷」と表現した天才がいる。

          悲観的晩夏妄想。

          2013.08.22  感傷と追慕のほかに感情があっただろうか。  悲しむことをやめたら僕はとても暇になるのじゃないかと思う。  心に何かが入っていた試しがない。  あってもそれは穴だらけで、いつも空気をなめているばかりのような。  たとえば。  夏は、  いっぱい死ぬ季節だ。  セミなど生きているうちはどこにいるのか、僕にはよくわからない。ただいつも激しく空気を振動させ、石を震わせ、木々を震わせている虫がセミなのだと教わったから、きっと生きているセミはそういうことをす

          悲観的晩夏妄想。

          他人の欺瞞を許さない者が 自己の欺瞞に耐えられるはずもない スカイツリーの下の人為的なシタマチ 落ちつける椅子ひとつ見つけられない 遊離目的自動航行 無意識にエスカレーターを次々と乗り継ぐ なぜ自分の無意識は 上へ 上へむかうのでしょう

          他人の欺瞞を許さない者が 自己の欺瞞に耐えられるはずもない スカイツリーの下の人為的なシタマチ 落ちつける椅子ひとつ見つけられない 遊離目的自動航行 無意識にエスカレーターを次々と乗り継ぐ なぜ自分の無意識は 上へ 上へむかうのでしょう

          「伝えやすさのために言葉を削る」みたいなことを、いくらかポジティブに捉えられるようになった一方で そこで削られてゆく、絶対に他人に伝わったり受け入れられたりしないであろう感覚や感情に執着していた自分を喪失したような気がしてたまに寂しい なお、伝わりやすさではない 伝えやすさ

          「伝えやすさのために言葉を削る」みたいなことを、いくらかポジティブに捉えられるようになった一方で そこで削られてゆく、絶対に他人に伝わったり受け入れられたりしないであろう感覚や感情に執着していた自分を喪失したような気がしてたまに寂しい なお、伝わりやすさではない 伝えやすさ

          紅色のさざんか。

          遠いひとり旅をしていた おばあさんが 帰ってきた年に 植えたのだそうです 小道の脇の垣根 紅色のさざんか 北関東の台地は 毎年の西の風ふきっつぁらし 凍えて震える集落 広がる土煙り 色枯れた夕暮れ 遠い峰を雪雲がふさいでいる 雪は積もんねえから 死ぬほどじゃねえけど 菜の花やハイビスカスは ねえから やさしくはなれない ほんと 半端な土地だぃねって 笑いかける さざんかと根を下ろす #詩 #のようなもの

          紅色のさざんか。

          おおきな夜。

          2023.12.31 除夜の鐘 白い息ゆれる 火の粉 舞い上がって溶け落ちる 人がわらう 腕時計ちらちら スマホのロック画面つけたり消したり 日付変わるまでの何十秒は 毎年やたら長いもの 住宅地はみんな電気がついていたし 普段さみしい参道に屋台が並んでいるし へんな夜 みんな ひとつのできごとを待っている 人というものが 人というものが 一年に一度 おなじ ひとつの おおきなできごとの 到来を こんなにも いっしょの気持ちで 待ちかまえている 何十秒 塗り替わる時空

          おおきな夜。

          電車で湖をわたる #写真

          電車で湖をわたる #写真