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日記 2024.4.29
数値がリアルタイムでグラフ化され、数秒おきに更新される。
それは実体世界の何かの観測結果を示しているのだけど、表示されるのは数学Iのテストの問題用紙みたいな、シンプルな白と黒の画面。繰り広げられる微妙な変化に、規則性や意味を見出そうとしたけど、ほんの1日見ただけでは全く何もわからない。
そのまま新しい1日が終わった。
無力さを感じた。
池の鯉を眺めているのとほとんど変わらなかったなぁ、
そもそも俺は「人に嫌われている」といつから言い始めたのだっけ。
生まれてすぐ、ではないよな。
いつから「人に嫌われている」と感じるようになったのだろう。
いつから「人に嫌われている自分」という意識で自分自身を捉えるようになったのだろう。
「こんなに廃墟や空き家があるんだから、1つくらい秘密基地にしてみたいもんだよな」
「そんな余裕があるなら離れなよ。こんな……」
「大切な人がまだ残ってる」
「……せめて、いつまで探すか決めない?」
「いつまでも」
「死ぬ気?」
「いや。これこそ生きる気というやつさ」
おととしの末に書いたすずめの感想、長くて下手で読みにくくて酷い。
今夜の地上波放送を機に書き直そうかとも思った。
けどやっぱり、これはこれで当時の自分の記録だから、残しておくしかないのだった
そんなことはわかっている、そんなことはわかっている。
そんなことはわかっている
そんなことはわかっている
ぼくが
心からこの世に馴染めず
いやな顔をして歩いていたら
あの人は
きっとぼくを見て
だまって悲しい顔をするのだ
悲しい顔を
させてしまう
それが憂鬱で
まったくよくなかった
あの人が
悲しい顔をするのはまったくよくなかった
でも
何のイメージもつかめない
窓ガラスにもメガネにも
水滴がまとわりついてよく曇る
駅前のぼこぼこした歩
心の傷を最初に「傷」と表現した天才がいる。