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適当過ぎる告白

女子学生2人の掛け合い。A=後輩、B=先輩。


A:先輩。相談があるんです
B:どうしたの
A:好きな男の子に告白したいんですけど、
  どうしたらいいかわかんなくて……
B:バカねぇ、そんなの悩むことじゃないわ。
  男なんて単純な生き物なんだから、いくらでも騙せるわ
A:だ、騙す?
B:いい?まず男はツンデレが好きなの。
A:そうなんですか?
B:そうなの
A:でもそれって人によるんじゃ
B:いい?男は絶対にツンデレが好きなの
A:絶対、ですか
B:告白場所へ呼びだしたら第一声で
  「あんたのことなんか、好きじゃないんだからね!」
  とツンしておけばいいの
A:いきなりですか?
B:善は急げよ
A:でも自分から呼び出しておいて、
  第一声で「好きじゃないんだからね」って
  なんか矛盾してませんか?
B:まったく矛盾してないわ。何故なら
  男は絶対にツンデレが好きだから
A:本当かなあ
B:それから男はね、カヨワイ女の子に惚れるの。
A:ああ、それもよく聞きますけど……
B:「私……あの木の葉が色づいて落ちる頃には……
  ここにはいないんだ……」
A:どうしたんですか急に
B:と死亡フラグを立てておくの
A:私死ぬんですか
B:死亡フラグを立てておくの
A:どうして死亡フラグを立てる必要が
B:いい?男はね。絶対にか弱い女の子が好きなの
A:それか弱い子じゃなくて、ただの痛い子じゃないかと
B:ああ、言い忘れてたけど、語尾は全部「ニャン」ね
A:ニャン!?
B:これで落ちない男はいないわ
A:ちょっと想像がつかないんですけど
B:じゃあ私が男の役をやるから。
A:えっ
B:あなたが告白してきて
A:え、いきなり!?
B:はい、いくよー。……ごめーん。待った?
A:あ、いえ。全然大丈夫……
B:だニャン
A:だニャン
B:で、話って何?
A:あ、えっと
B:ツンデレ
A:あ、あなたのことなんて、全然好きじゃないんだニャン
B:やっべ、この子かわいい
A:待ってください先輩
B:何よ乗ってきたとこなのに
A:おかしくないですか
B:おかしくないわよ
A:頭のおかしな子になってませんか?
B:大丈夫だから。もう1回行くよー
A:えええ……あ、あなたのことなんて
  全然好きじゃないんだニャン……
B:死亡フラグ
A:でもあの木の葉が色づいて落ちる頃には、
  私はここにはいないんだニャン
B:な、なんて可哀そうな子なんだぁああああ!!!
A:先輩!!
B:何よ乗ってきたとこなのに
A:私自分で言ってて支離滅裂だなぁって思うんですけど
B:大丈夫だから
A:絶対大丈夫じゃないと思うんですけど
B:で、最後に告白の台詞
A:告白の台詞?
B:アイウォンチュー・アイニージュー・アイラビュー
A:ヘビーローテーション!?
B:今流行りのAKB48がそう歌ってるでしょ?
A:ものすごく前の曲ですけどそれ
B:どうせ男なんてみんなAKB好きなんだから。
  はい最初から行くよ
A:最初から
B:ほら、「あなたのことなんて」
A:あ、あなたのことなんて全然好きじゃないんだニャン……
  でもあの木の葉が色づいて落ちる頃には、
  私はここにはいないんだニャン……
  だからアイウォンチュー・アイニージュー・アイラビュー
B:だニャン
A:だニャン
B:最っ高
A:先輩やっぱりおかしいと思うんですけど
B:これならどんな男も落ちる
A:あり得ませんって
B:あり得ないくらいに馬鹿なのよ、男って
A:先輩が馬鹿なんでしょ!?


こえ部で投稿していたものの再投稿(一部改変)です。

☆ 朗読・音声作品用台本としてご利用いただけます。

☆ 詳しくは以下リンク先「利用規約」をご一読ください。https://note.mu/oshikado_9/n/nd0eedc01e6b6

★ 表紙画像は「写真素材 足成」(http://www.ashinari.com )様の画像を加工させていただいたものです。

★ 同内容で投稿しています→ 

★ 初回投稿:2011-06-12 (旧「こえ部(koebu)」にて、櫟山ギンフルマ名義。)