2回観劇したのですが、1回目全く前情報入れずにただ和田くんが出演していて、中屋敷さんが演出だからという理由で観に行ったもんだから、色々と衝撃的すぎて言葉に出来ず…。
なんだかダラダラしてたらアーカイブ配信も終わってました…w

宝田多家良と鴨島友仁に感じる違和感

頭出しから2人の距離に違和感を感じた。
まるで右も左もわからないような多家良を親のような目線で会話していく友仁。
友仁にすがるような…好意を抱いているような多家良。

え？もしかしてBL？できてるの！？と錯覚するようななんだか不思議な感覚。でもお話が進むにつれてやっぱりお互いがお互いを見る目が違ってずっとボタンを掛け違えたままみたいな感覚でした。

愛姫が登場することにより「あ、違う」と落とし込み再度物語に戻る。
でも、ここで愛姫と多家良が付き合うまでに行かなかったのは多家良の中で何か違うと思ったからだろうなと。
愛姫は絶対多家良のことが好きだったと思う。だから友仁のことも邪魔だなと思っていたし、友仁もそれを自覚していた。でも多家良は友仁を完全に崇拝していたしそこに入り込むのはかなり至難の業なのでは…。
ラストも結局全員幸せになってないよね！？
いや…友仁だけは思い通りになっているのか…？結局友仁は多家良をどうしたいのか私には理解しきれなかった…。いや考えるのをやめた。
それくらい、二人だけの立ち入れない世界がそこにあった。

和田くんの憑依した演技がすごかった

演技以外のことは全くの多家良が、お芝居のスイッチが入ると憑依したように全くの別人になる。この演じ分けが本当に鳥肌立つくらい迫力あった。
普段は、ふにゃっとした柔らかい彼がセリフを口にするとそこは部屋であろうが一瞬にして劇場と化する。

そして無言劇のシーン。
あんな和田くんを見たのは初めてでした。言葉なしにここまで表現することができるのかと圧倒され言葉になりませんでした。視線を奪われ恐怖さえ感じたシーンもありました。

和田くんが演じるというよりは、そこには完全に多家良がいた。
ヒキゲキの時も思ったけど、和田くんのゴリゴリのストレートプレイをもっと見たい。望くんと同じくらい没入して演じられてるなと思いました。
彼自身も憑依型の俳優さんなんだろうな…。（語彙力）

円盤化されない。もう見られない『ダブル』

つかこうへい作品や、音源などきっと円盤に残すのは難しい作品だろうと思っていましたが、いざ公式から言われると悔しいものがありますよね。
あんないい作品が手元に残らないなんて…

今回演劇の良さを『ダブル』を通して改めて教えてもらえました。
板の上のその場限りの芸術。
演劇への愛と小演劇への愛が詰まった作品でした。