独学無課金で確定申告をした話。

おはこんばんちわ。

2023年9月に新卒で入った会社を辞めて、フリーランスへ転職し、
生まれて初めて確定申告をした話です。
最近は便利な会計ソフトなども出ているようですが、年に一回の確定申告のためにサブスクで月1000円、年1万円…意味が分からない。

腐ってもエンジニアなのでサーバー代、DBアプリストレージ諸々メンテナンスに金がかかることは承知している。。しかし解せぬ。。個人事業主全員からその額を毎年徴収するか?いいビジネスすぎんだろ…払うのが悔しい。
できれば払いたくない。自分でできるところまで、やってみて無理なら課金しよう。そう心に決めて、自力で確定申告の準備を始めた。そんなお話。

まず、フリーランスとして仕事を始めて早々に、開業届・青色申告申請は提出済であった。確定申告でどうやって使うのかはわからないが、前職の源泉徴収票と生命保険の控除証明書は手元に準備済。
経費を使えるらしいことは知っていたので、退職後に購入した仕事関係の領収書は全部PDF化して保存。
そして使えるだけ控除を使い、課税金額を少なくする。
これが確定申告の極意である。

しかし、ここで大きな失態を犯していたことが判明する。
年金控除だ。。。
国民年金へ切り替えが必要だったため、退職後に手続きを行っていたのだが、口座振替処理がまあ~~~遅いんだわ。(2か月くらいかかる)
そのくせこっちが支払いしてないと電話で催促をかけてくる。
腹が立って、口座振替処理が終わるまで振込みしないぞと愚かにも高らかに宣言し年金事務所からの催促電話を切った。

そして年明け、確定申告のことを思い出して、控除が受けられないことに気づき大慌てで振り込みを行うも時すでに遅し。
っていうか、国民年金の控除証明書は10月中に振込済ませてないと出ないらしい。
初見者殺しすぎだろ!と地面を叩くが時すでにお寿司。🍣
悔しいが今年の分は控除来年に繰越して諦めるしかなかった…。
(できるんかな…?不安)


そして始まる怒涛の確定申告準備。会計のかの字も知らなかった。大学生が簿記の試験を取ってるのを横目で見ながら「簿記ってなんだ…?役に立つんかそんなもん聞いたこともねえわ」と思っていたくらい無知である。
何も知らないが、青色申告の65万控除は欲しかったのでとにかく調べまくった。

まず、帳簿が必要らしかった。
主要帳簿が、「仕訳帳」と「総勘定元帳」の2つ。
補助簿がいくつか。
しかも青色申告をするためには複式帳簿なるものでの記載が必要とのこと。
聞いたことのある言葉がひとつもなく気が遠くなりそうだった。

どうやら基本になるのは「仕訳帳」らしく、こいつを作れば自動的に他の帳簿も転記していけば作れるそうだ。
なので仕訳帳の作成に取り掛かった。
とりあえず給与振り込みのあるメインバンクの明細をダウンロードしてみた。当初仕事関係の明細だけ抜き出して記載するのかと勘違いしており愚かにも「ちょろくね」とか思っていた。
しかし実際にはプライベートの支出も全ての記載が必要で(当たり前)お金の動きがきちんとわかるように記載しなければいけないと知り、白目になった。
そしてすべての取引に対して「勘定項目」とやらが必要で「資産」「費用」「収益」「負債」「純資産」なる分類に分かれるらしい。
やっべえ用語がなんもわからんと思いながら、必死に項目を分類した。
細かいコンビニ支払いとかも全部クレカでやっていたので、泣きながらすべての取引を仕分けし、業務以外の定期的な支払いはすべて別の口座からの引き落としにし、プライベート用の口座としっかり区別することを心に誓った。

そして作成した「仕訳帳」をもとに各勘定項目ごとの「総勘定元帳」を作る。何の意味があるんだ…と思いながら、無心で作った。
エクセルでvlookupとか条件抽出の関数あったはずと思ったが、「仕訳帳」が日付数値文字列入り乱れた構成の表だったため、一筋縄でいかず断念。
ちまちまとフィルターかけてから手でコピペする。(技術不足)

そうして、できたお手製「総勘定元帳」を元に、「試算表」を作る。
勘定科目の合計値を並べて貸/借で同値になれば良いというものである。
複式簿記の仕訳帳に貸し借り同じ額を書くので当たり前なのだが、不思議なことに貸借で金額合計が合わないんですよね…(ただのコピペミス)
帳簿に不正やミスがなければ、まあ合致して当たり前なんですが、ここの修正に無限に時間がかかる。
不正やミスでうまく合致が取れないようになっている部分はよくできているなあと感心した。

「試算帳」の貸借合致が取れれば、「損益計算書」と「貸借対照表」の作成だ。仕訳帳作成時に勘定項目の5分類を適当にフワッとしていると、ここで訳が分からなくなって死ぬ。
「損益計算書」はなんとなく利益っぽいものと費用っぽいものを足し引きするだけなのでいいのだが、「貸借対照表」が一番面倒だった。
例によって右左での合計値の合致が必要なのだ。
そして「総勘定元帳」作成時に残高計算がよくわからず、面倒で飛ばしていたので痛い目をみた。
個人事業主としての開業は10月1日からなので、期間が10/1-12/31なのも余計ややこしかった。結局元入れ金の意味もあまりよくわかっていない。
全て終わってしまえば、項目もそんなに多くないし大したことないのだが、勘定項目の分類を間違えていると何もかも計算が合わないため控えめに言っても地獄だった。
損益計算書をふわっと通過しても、分類が間違っていれば貸借対照表で無間地獄が待っているので強制的に修正が必要になるという寸法だ。(罠すぎんだろ…)

個人事業主特権で使える事業主貸借項目でどうしても合わない過不足金の調整ができるようだが、なんだかそれを使うのも癪だった。
税金の支払い金額さえ合っていれば、細かいミスは指摘されないらしいのだが、やり始めると右左で計算が合わないのが気持ち悪い。
どうしても解決しなければ会計ソフトに課金するか確定申告解説本を買うかの瀬戸際だった。
心が折れかけて弥生会計の初年度無料版に手を出し、最初から仕訳しないといけないことに直面し絶望した。
意地でも自力でなんとかしようと思った。
Youtubeやkindleunlimitedの情報はゴミばかりで役に立たなかったので、本を買おうかどうしようか悩みに悩んだ。

結局備品や消耗品などでの分類分けができていなかったのと、元入れ金の書き方、売掛金と未払金の書き方のミスなどだった。当時はマジで数字を一つ直すたびに左右の数字が近づいて喜んだり、逆に死ぬほど離れて絶望したりして、このまま一生終わらないのでは…とヒヤヒヤしていた。

年始に取り掛かり、2月の半ばに申告を完了した。
計算が合わな過ぎて絶望の夜を何日も過ごした。
何度も課金しようと思ったが、なんとかなった。
なんか65万控除のための帳簿には色々制約があるらしい。
しかし自作のエクセルでも複式帳簿形式であれば検索機能はフィルター程度で十分らしく、あとは会計ソフトのような「優良な電子帳簿」でなくともeTaxで申請すれば65万控除の条件には合致するため、自作でも特に問題ないようだ。(今後の法改正はわからないが…)

会計ソフトは便利だと思うが、チラッと見てみて(弥生会計の無料版)結局仕訳すんのか…となった。(明細の自動取り込みはあるやろうけど、結局勘定項目は自分で記入しないといけなそうだったので。)
計算が合わな過ぎて発狂しそうな人や、今後の法改正でも課金している分自動で対応してもらえるため、そういうことが面倒な人にはいいのかもしれない。
自力でやってできないことはないなと感じた。(生存バイアス)
生まれてはじめて会計をして、発狂しそうになり、会計のすごさを実感するとともに経理会計の人たちに感謝の気持ちでいっぱいである。
会社員の時は何も考えなくてよかったのは、この人たちのおかげやし、「簿記の資格はめっちゃ役に立つ」と今は思う。成長した。

まあしかし、会社員は窮屈だし、給料低いし、学歴フィルターあるし、人間関係だるいし、飲み会あるし、上下関係あるし、etc.でちょっと自分には向いてなかったなと思う。
今は自由で、給料も良くなり、学歴関係なく技術力で働けている、えぐいプロジェクトや対応の会社とは仕事しなくていいし、こちらから給与交渉や労働条件の交渉もできる。フルリモートなので私物を経費計上したり、青色申告で65万の控除が得られるのはデカい。

そして、初回とはいえ確定申告2か月半もかかったので、労働単価として1万円なら払う価値もあるかもしれない。サブスク地獄はできる限り避けて生きていきたい、一年目が何とかなったのでこれからも自力で確定申告を頑張る所存。
国税庁とデジタル庁の今後の技術革新に期待。

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