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増え続ける老老介護の問題~問題点とその解決策~

最近、よく耳にする「老老介護」という言葉。
みなさんも、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

介護問題の中でも、実はかなり深刻なのが「老老介護」。あわせて、「認認介護」というのも深刻化してきています。

今回はそんな「老老介護」や「認認介護」について触れていきたいと思います。家族に65歳以上の方がいる場合は要チェックです!!

■そもそも老老介護とは?

老老介護とは、65歳以上の人が、65歳以上の人の介護をすることをいいます。これは、夫婦だけのことではなく、兄弟や、親子などのことも含みます。在宅介護を行う上で、年々増えている「老老介護」は今やかなり問題視されている状況です。

2013年(平成25年)に厚生労働省が行った国民生活基礎調査では、在宅介護している世帯の半数以上にあたる、51.2%が老老介護(65歳以上同士の介護)の状態にあるという結果が出ました。
参照:平成25年 厚生労働省『国民生活基礎調査の概況』

若い世代が、介護施設で高齢者の身の回りのお世話をしていても、腰などの調子を壊すこともあります。そのため老老介護をしている場合、腰だけではなく、ほかの部分にも影響が出てしまいがち。

老老介護が続いてしまうと、介護者は疲れがたまってしまい、結果的に心身に不調をきたしてしまうケースが多いので、注意が必要です。

■認認介護って何?

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では、老老介護と同様、問題視されている「認認介護」とはどのようなものなのでしょうか?「認認介護」とは、認知症の人が、認知症の人の介護をすることをいいます。

認認介護には大きな問題があります。認知症の人同士の介護のため、介護どころではなくなってしまうケースです。介護を受ける人への虐待につながってしまったり、介護放棄につながってしまったりするケースも少なくありません。

高齢者夫婦が2人で暮らしている場合、家族や周りが気づかず、認認介護になっているパターンもあるので、周囲が目を配ることも大切になってきます。

老老介護をしていたはずが、気づかないうちに、認認介護になっていた……なんてことも少なくないので、家族はもちろん、近隣に住んでいる人は、少し様子を見てあげるようにするとよいでしょう。そうすることで、少しずつ、問題も解決へと向かっていく可能性が出てきます。

■老老介護の原因

それでは、なぜ老老介護をせざるを得なくなるのでしょうか。その3つの原因について見ていきましょう。

1.家族に頼りたくないという考え

現在の日本は、核家族化が進んでいます。息子や娘が遠方に住んでいることも多く、なかなか頼ることができないのも原因のひとつです。

介護が必要になっても、なかなか頼ることができず、結果として老老介護になってしまうパターンが多いのが現状。親世代も、息子や娘に頼るのは迷惑がかかると思ってしまい、なかなか頼るという考えに至らないのも原因です。

2.金銭的余裕がない

介護施設への入所や、通所介護(デイサービス)、ショートステイなどを利用したいけれど、それらを利用するための金銭的な余裕がない場合、利用することができず、仕方なく在宅介護となってしまう場合もあります。

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それゆえに、老老介護となってしまうこともあるのです。老老介護となる前に、貯蓄をしておいたり、区役所や市役所などに相談しておくとよいでしょう。

3.他人へ頼ることへの抵抗感

自分の身内のことだから……と、「自分が何とかしなくちゃ!」という気持ちが生まれてしまい、「介護は自分がやる!」というプレッシャーを感じてしまう人も少なくありません。

排泄介助や入浴介助、食事の介助など、他人にはしてほしくない……という抵抗感から、自分一人で介護を抱え込んでしまい、どんどん自分が追い込まれてしまうことも……。

あまり思いつめず、介護は周りのサポートも受けつつ、協力して行うようにしましょう!

■老老介護が抱える問題点

老老介護が抱える問題は大きく分けて2つあります。どんな問題点があるのか見ていきましょう。

1.体力的な負担

介護は、ベッドから車いすへの移乗や入浴、着替え、排泄介助など体力を必要とすることが多いため高齢の介護者にとっては大きな負担となってしまいます。

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介護施設において、若者が介助をしていても負担になる場合があるにもかかわらず、それらすべてを高齢の介護者が行うとなると、体力的に負担が大きすぎてしまうのです。

また、移乗等の際には、不安定な姿勢になってしまう場合も多く、介助されている側も不安になります。転倒の危険性も生まれてきてしまい、けがをする可能性も……。

老老介護はお互いにとってリスクが大きいので、避けるべきであることがうかがえます。

2.精神的な負担から認認介護になる可能性も

日々の介護疲れで、介護者は疲れてしまい、ストレスを抱えてしまうことが多いでしょう。無理に介護を続けた結果、精神的にも疲労が限界値まできてしまい、共倒れしてしまうパターンも少なくありません。

介護者も、介護にばかり時間を使っていると、社会とのコミュニケーション不足になってしまい、脳の機能が衰えて、認知症を発症してしまうこともしばしば……。

こうして認認介護になってしまうこともあるので、ストレスを溜めないようにすることも大切です。

■老老介護を少しでも減らすための対策

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老老介護は問題点があることがわかりました。では、その問題点を少しでも減らすためにはどうしたらよいのでしょうか?
ここからは、老老介護の問題を減らしていくポイントを2つ紹介します。

1.介護施設への入所を検討してみる

老人ホームとひとくちに言っても、特別養護老人ホームや有料老人ホームなど、形態はさまざま。一番、安い出費で入れる施設は「特別養護老人ホーム」です。

老人ホームはデイサービスや訪問介護よりは費用がかかってしまいますが、介護への負担は大幅に減少するので、老老介護の問題を一気に解決できます!

特別養護老人ホームに入所したい場合は、役所に相談に行ったり、見学に行ったりしてみましょう。ケアマネージャーと相談して、入所可能かどうかが決まります。

2.デイサービスや訪問介護を利用する

デイサービスとは、日中、要介護者を預かってくれる施設のことをいいます。日中だけでも、介護の負担がなくなるだけで、介護者は自由な時間ができますから、負担も少し軽減されるでしょう。

訪問介護は一定の時間、一定のサービスを行うため、時間になるとヘルパーさんが自宅に来てくれるサービスです。要介護者の身体的介護はもちろん、食事作りのような、生活に関わることも行ってくれます。
サービス内容はケアマネージャーとともに決めるので、役所に相談にいくとよいでしょう。

■最後に

老老介護と認認介護は今の日本では深刻な問題となっています。

今は大丈夫、と思っていても、自分のパートナーが要介護状態になったらどうしますか?
介護を続けていく自信はありますか?

介護は身内の介助でも大変なものです。自分ひとりで抱え込まず、まわりのサポートや、介護施設などの利用を考えたり、「身近にある頼れるもの」をぜひ利用してほしいと思います!!

一人で介護を抱え込まないためにも、同じ世代の仲間との交流は必要です。シニアコミュニティアプリ「おしるこ」で、悩みを相談し合える仲間をみつけてみませんか?仲間を見つけることで新しい発見や、同じ悩みを持った仲間ができるかもしれません!

ぜひ、活用してみてくださいね!



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