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恋はつらいよどこまでも

昨晩、社会人をやってる教え子からLINE。以下のような内容だった。

・彼氏が旅行に行った。
・泊まりとは聞いてない。
・女の子がいるとも聞いてない。
・LINEが返ってこない。
・ストーリーは大量にあがってる。

はい。めっちゃ面白そうな展開です。
仕事で疲れた中で彼氏との関係もモヤモヤしていて、めっちゃ辛い状況であろう彼女の話を、僕はいつも通りデリカシーのない返答をしながら聴いた。

彼氏は4つだったか年上で、イケメン&頭がいいといういわゆるハイペックな男性のようで。そういう感じなので、女性との出会いには苦労しないのかもしれない。素敵な男性に多くの女性が惹かれることは悪いことではない。むしろ微笑ましいことじゃないか。なんの問題があるっていうんだ。

・・・いやまあそういう問題じゃないよね。彼女からしたら。そういう問題じゃない。全然そういうことじゃない。わかる。うん、さすがの僕でもわかる。
でも、僕は当事者ではない。
この一件に関しての僕の心情は、ただただ「この先どうなるのかな」という、”興味深すぎてワクワクしている”という感情なわけです。
※彼女は、僕がこういう人間だということを理解した上で連絡をしてきており、こうして文章にすることも断ってあります。

彼女はブチ切れていた。怒りと、悲しさと、いろいろな感情が渦巻いていただろう。大好きな彼氏。信じていた彼氏。
「帰ってきたらしばく」そうだ。
部活の大会が終わった昨日の夜、そんな話を聴きながらお酒を飲んでいた。

でも、別に浮気していると決まったわけではない(そもそも浮気しているかどうかは「浮気」の定義から2人で話し合わなければいけないから、それを定義するのに2年くらいはかかるはずだし、間に合わないだろう)。
みんなで楽しく旅行に行っているのだ、と信じれば大丈夫なはずだ。そう、恋愛では信じ合うことが大切なんだ。どこかの本にそう書いてあった。
でも、彼女からしたら、今回の彼氏の行動が「信じたいけど信じられない」という状況をつくっているのだ。おそらく、旅行先で何をしているかどうかとは関わりなく、まずはこのこと自体が腹立たしいのだろう。
そんな感じで話を聴いていた。
僕のような共感性の低い人間に話をするということは、よっぽど弱っているのだろう、共感と煽りを入れながら話を聴いた。

教育現場では、何かしらのトラブルがあったとき、当事者全員に事情を聴く。これは徹底しなければいけない原則だ。しかし今回の事件は、女性側の話しか聴いていない。彼氏に話を聴くことはできない。
そこで、僕は彼氏の立場に立って、彼氏の素敵なところを僕なりに証明しようと試みる。

まず、彼氏は「旅行に行く」と言って出かけた。 そもそも「付き合う」というのは、なんの法的拘束力もない口約束だ。結婚しているならまだしも、普通は恋人に行き先を告げる義務はない(義理はあるかもしれない)。 そんな中でちゃんと「旅行に行く」と言ってくれる彼氏。 めっちゃ素敵やんな?
この時点で神カレシなわけだが、彼のすごいところはまだある。
それは、「女の子がいる」「泊まりである」と言わなかったことだ。
年下の、純粋な彼女を不安がらせたくない。その一心で、彼は迷いに迷って「言わない方が彼女のためだ」という決断をしたのだろう。それ以外にない、と信じたいという思いを僕は抱いている。
お前は頭大丈夫か、と思われそうだが僕はいたって真面目だ。
「旅行に行く」という事実は伝えながら、「女の子がいて、泊をともなう」ということを伝えていないのだ。普通、やましい気持ちがあったら、「旅行に行く」ということすら伝えずに出かけるはずだ。なのに、旅行に行くということは伝えているのだ。
これは確実に彼女への優しさである、と僕は思いたい気持ちになりたい。
さらに、彼氏の素晴らしいところはまだある。
ストーリーを大量にあげているという事実だ。
彼女いわく、「ストーリーには女の子も映っている」ということ。
なるほど。これで彼氏の潔白は証明できそうだ。
「旅行に行く」と告げる・・・①
「泊まり」と言わない・・・②
「女の子がいる」と言わない・・・③
ストーリーに旅行先の写真をあげている(しかも女子もいる写真)・・・④

①、②、③、④より
彼氏は、
全く悪気なく旅行を楽しんでいる
ということである。       (証明終了)

彼氏にとっては、女の子がいることも、泊まりであることも、なんでもないことなのだろう。だからこそ、無邪気にストーリーを更新できているのだ。もしやましい気持ちがあったら、ストーリーにはあげない。

以上、彼氏の素晴らしさである。
ああ、僕はなんていいやつなんだ。
彼氏への不満を話す彼女の話だけを聴いて、
これだけ彼氏の良さを書けるなんて。
え、ツッコミどころ満載?
(´・ω・`)知らんがな

そもそも、ほとんどの恋愛ってバッドエンドですからね。
ドラマみたいなハッピーエンドばかり観てるとそうは思わないだろうけど。ドラマはハッピーなところで最終回を迎えるからハッピーで終わるんですよ。つくり物だから。その2人のその後を追跡していったら、ほとんどのカップルは別れて終わりです。
それを承知で、傷つく覚悟をもって恋愛をするわけやから、そりゃ色々あるよ。
恋はつづくよどこまでも、もあるけど。
恋はつらいよどこまでも、でもある。
あれ、奇麗事じゃなさすぎてしんどい?
奇麗事も好きなんですけどね。悪い意味で。

じゃあ辛くなるのになんで恋愛してしまうのかってところは、難しい。
それは感情やから、いつの間にかそうなってしまっているとしか。
でも、そういうのも全部自分の財産になると思う。感情は財産なんでね。
「あの恋は無駄だった」と思うこともあるかもしれないけど。
無駄だったとしても、無意味ではないと思う。人を好きになるっていうことは。
人を好きになるということそれ自体に、自分にとっての意味がある
だからって無理に誰かを好きになるっていうのは難しい。
無理やり恋愛するのは違うと思うし、恋人がいる人間の方が充実しとるとは全く思わない。
ただ、好きになれる相手と偶然出会えたら、付き合うか付き合わないか、結婚するかしないか、うまくいくかいかないかに関わりなく幸せやと思う。
今回の一件でブチ切れるほど好きな相手がいる彼女は幸せやと僕は思います。
しんどいやろうけど。笑

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