杉山博一

オウンドSNSプラットフォーム「OSIRO」を開発するオシロ株式会社 代表取締役社長/…

杉山博一

オウンドSNSプラットフォーム「OSIRO」を開発するオシロ株式会社 代表取締役社長/元アーティスト&デザイナー/「日本を芸術文化大国にする」というミッションを掲げ、コミュニティの力でクリエイターやブランドをエンパワーするサービスを開発ご提供中 https://osiro.it/

最近の記事

#19|オシロはつながりを編集する出版社?

オシロはこれまでコミュニティを活性化するオウンドプラットフォームを自社で開発し、SaaS(※)事業者としてSaaS的な組織作りに取り組んできた。だが、7年続けてきた今、オシロって純粋なSaaSではないんじゃないかと、気がついたという話をしようと思う。 SaaSではない、と言うと語弊がある。堅実にSaaSとしてシステムを提供させていただいている。ただそれだけではなく、一般的なSaaS企業が行わないようなコミュニティごとに異なるクリエイティブな企画も丁寧に行っている。 企画が

    • #18|ファンの熱量が集う、コミュニティベースド・メディアとは?

      現在、OSIROで創出されたコミュニティは様々なものがあるが、ぼくがコミュニティと相性がいいと思っているものの一つは、メディアだ。 コミュニティがベースとなるメディア、すなわち「コミュニティベースド・メディア」とぼくは呼んでいる。これには大きな可能性を秘めている。 コミュニティベースド・メディアとは? 大事なポイントはこれらだ。 ・熱量の高いファンが集っている状態 ・プロの編集者さんやライターさんだけでなく、熱量の高いファンによって生み出されたコンテンツがあること ・

      • #17|コミュニティには「サブスクリプション」が必要

        これまで、ぼくはコミュニティの大切さを発信してきたが、OSIROが提供しているのは単なるコミュニティではない。活動を継続するためのコミュニティである。そのためにも会費のあるサブスクコミュニティが取扱いのほとんどを占める。 ぼくらにとってサブスクコミュニティは当たり前ではあるが、一般的にはまだまだハードルが高いと感じられている。そこで今回はサブスクコミュニティの魅力を伝えたい。 そもそも最初にコミュニティを無料で始め、後から有料にしたいと思った時になかなか有料にしずらいと念

        • #16|うまくいくコミュニティの共通点(後編)

          前回はうまくいくコミュニティのポイントとして、目的の重なり、参加者の熱量フィット、ビッグバン現象の3つをお伝えしたが、今回はさらに4つ紹介する。 安心安全の環境づくり コミュニティ運営において何よりも大事なのが安心・安全の場をつくること。これは、誹謗中傷や批判・悪口といったナイフを持っている人がいませんよ、ナイフがない世界だからこそ鎧を脱ぎ裸でとことん語り合えるよ、という環境をつくること。なんなら裸で寝そべっている(=コミュニティにいるだけ)だけでもいい。 それはナイフ

        #19|オシロはつながりを編集する出版社?

          #15|うまくいくコミュニティの共通点(前編)

          コミュニティと真正面から向き合い、OSIROというコミュニティ専用プラットフォームを開発し始めて8年。これまでクリエイター向けから、メディアやブランド、国のプロジェクトまで、合計300強のコミュニティ創出に幅広く関わらせていただいた。様々なタイプのコミュニティを多くみてきた中で、うまくいくコミュニティの共通点を発見した。 そもそも、何をもって「うまくいくコミュニティ」といっているのか。 それにはこれらの意味が含まれる。 ・長期間コミュニティが続いている ・コミュニティがメ

          #15|うまくいくコミュニティの共通点(前編)

          #14|実体験した、コミュニティの力(後編)

          前回はぼくが参加している3つのコミュニティを紹介したが、今回は4つ目、「新種のimmigrations」についてお伝えする。 通称「イミグレ」の長を務める遠山正道さんは、「Soup Stock Tokyo」を立ち上げた実業家であり、2017年にオシロに出資してくださったお一人でもある。 当時から「一緒に何かやりたいね」という話をしてくださっていて、そのときは「乾杯クラブ」というコミュニティを考えていた。 毎月メンバーに投資をし、その人が何か実現できてお披露目する際にみんな

          #14|実体験した、コミュニティの力(後編)

          #13|実体験した、コミュニティの力(前編)

          コミュニティには、偉大な力がある。 それは、ぼく自身が実際にOSIROで運営されている複数のコミュニティに一メンバーとして参加し、そこで予想もしなかった幸せな体験をたくさんしていることが大きい。今回は具体的なストーリーを、ぼくの体験談を通して伝えたいと思う。 すこし長くなるので前編・後編に分けて、4つのコミュニティから紹介する。 まず1つ目は、「Anaguma」 「Anaguma」はアナログゲーマーの略で、ボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームが好きな人たちの

          #13|実体験した、コミュニティの力(前編)

          #12|オシロが目指す、コミュニティの未来

          2023年12月、フィリップ・コトラー氏の新著『Marketing 6.0』の原著が出版された。ファンベースの提唱者である、さとなお(佐藤尚之)さんから教えていただき、さっそく購入してみた。 内容をかいつまんでお伝えすると、マーケティング業界の第一人者であるコトラー氏は、これまでもマーケティングを活用して社会問題を解決する「ソーシャル・マーケティング」を提唱されてきたが、新著では社会問題の解決にはコミュニティをベースとしたソーシャルメディア(”Community‐Based

          #12|オシロが目指す、コミュニティの未来

          #11 |オシロに大波が来た一年

          早いもので、もう年の瀬。 連載今年最後の回ということで、一年を振り返り、大きな変化を伝えたいと思う。 資金調達が完了 大きな変化はなんといっても、シリーズAの資金調達だろう。 日本とアメリカのスタートアップの企業価値が今までのように付かない中で、資金調達を実行した。 一年をかけて資金調達活動をし、すばらしい投資家に恵まれた。 オシロの未来を信じていただき、必要な金額を調達することができた。それだけでなく、希望する企業価値で応援いただけたことは本当に感謝しかない。 この

          #11 |オシロに大波が来た一年

          #10|「唱え」が増えると、業績も上がる?

          ぼくは毎日、自分ができていないことをできるように唱(とな)えている。 これは2020年10月からはじめ、いまでもコツコツ続けていて、唱える数は現時点で25個ある。 人間力を高めたい、成長したい、心配りができるようになりたい、という思いから、この唱えを毎朝、通勤時に(ブツブツ)呟いている。 ちょっと恥ずかしいが、すべて紹介しようと思う。 1.私は朝から笑顔でニコニコ機嫌がよい人です。 2.私は人に腹を立てない人です。 3.私は人の話を最後まで聞く人です。 4.私は人

          #10|「唱え」が増えると、業績も上がる?

          #9|志に向かっているからこそ、日々増える習慣

          天命を全うするには、どうしたらいいのか? 志を成就させるには、どうするべきか? 仕事のパフォーマンスを上げるには、どうしたらいいのだろう? オシロが目指す事業は短期的につくれるものではない、とすれば、いわば長距離マラソンを走るようなもの。 そのために日々いろいろとパフォーマンス維持・アップのための新しいネタを探しては実行し、習慣化している。 気がつくと、特に大事にしていることが以下のことだった。 それは有機的な食事、リズム運動、温度管理。 リズム運動とは一定のリズムを重

          #9|志に向かっているからこそ、日々増える習慣

          #8|「幸せホルモン」をマネージメントする

          「日本を芸術文化大国にする」という天命を授かってから、ぼくから発せられる熱量は100%から1000%に変わった。 まるでスーパーマリオがスターを手に入れて無敵状態になるように、「OSIRO」の開発に没頭し、大変なことも大変と思わず、いわゆるフロー状態になったと言える。 たとえば、それまでの42年間、ぼくは決まった時間に決まった場所に行くことができない典型的なダメ人間だった。でも天命だと気がついた瞬間から、それができるようになったのだ。 そんなぼくの変化を見て、当時一緒に仕

          #8|「幸せホルモン」をマネージメントする

          #7|いつかヨットで暮らしてみたいと思っていた

          物心がついたころから、いつかヨットで暮らしてみたいと思っていた。 理由はわからないが、なぜかヨットという乗り物に惹かれていたのだ。 あの佇まいも好きだし、自由な感じも魅力に感じていた。 そして2012年、知り合った方がヨットを7隻も所有するほどヨットを偏愛されていた。 その方に生まれて初めてのセーリングに誘っていただき、念願のヨットに乗る機会をいただいた。7隻のうちの1隻は世界一美しいと言われているヨットで、なんとそれに乗せてもらうことになった。 とにかく、すべてが美しか

          #7|いつかヨットで暮らしてみたいと思っていた

          #6|偏愛仲間との出会い

          第4回で伝えたように、ぼくは24歳からフリーランスのデザイナーとしても仕事をしていたが、32歳で初めて起業したあと、そのときの経験をいかすべくデザインコンサル会社を立ち上げた。 ただデザインをするというのではなく、「なぜデザインが必要なのか」というところから考え、ロゴからウェブサイトや広告、本の装丁まで幅広く制作していた。 オフィスは表参道で探していたが、なかなかいい物件が見つからない。 そんなあるとき、不動産屋さんが「表参道ではないのですが、とてもおもしろい物件があるの

          #6|偏愛仲間との出会い

          #5|ニュージーランドの海辺でのシンプルな暮らしから学んだこと

          四角大輔と知り合ったのは、2009年の年末だった。 それまで面識はなかったが、きっかけとなったのは、実業家で作家の本田直之さんのウェブサイトだった。 ぼくはそのころ本田さんのウェブサイトなどトータルでデザインさせてもらっていて、それを見た四角が「誰がデザインしたのだろう?」とぼくが当時メインでやっていたデザインコンサル会社のHPにたどり着いたようだ。そして会社の思想・理念に共感し、連絡をくれた。 そのころ四角は長年勤めていたレコード会社を辞めて、ニュージーランドに移住する

          #5|ニュージーランドの海辺でのシンプルな暮らしから学んだこと

          #4|アーティスト活動に終止符を打った日

          世界一周から帰国してすぐに始めたのが、絵を描くことだった。 世界中のアートや建築に触れるうちに感化され、自分も「後世に作品を残したい」と、アクリル絵の具とオイルパステルで、現代アーティストとしての一歩を踏み出した。 もちろん絵を描くだけではまったく収入がない。ゆえに、生活はとても貧しかった。 生活のなかで特に大変だったのは食事だ。 とにかくお金がないので、安い食材を使ってほとんど自炊し、1日3回カレーを食べたり、パスタに醤油をかけて食べることもあった。 それでもやりたいこ

          #4|アーティスト活動に終止符を打った日