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エンタメランドリー

一週間ほど不自由な生活を強いられ、それがようやく解放されてほっとしている。
便利な時代に生まれて、あって当然できて当たり前のことができないつらさを痛感していた。
毎日繰り返すことで慣れたとしても、疲労とストレスはかなりのもの。
金銭的にもずっと続けることはできず、しかし新たな発見もあって、全部が全部マイナスだったかというとそうでもない。
生活を見直すきっかけにもなったため、これはちょっとした神様からのギフトとしてありがたい経験と思っている。

我が家で買ってよかったナンバーワン家電、ドラム式洗濯機が壊れ、全く洗濯ができなくなっていた。
1年半前に壊れたときは、乾燥ができなくなっただけだったから、洗濯自体をすることはできていた。
今回はドラムが回らなくなる故障で、洗濯乾燥どちらもできず、非常に不便だった。

毎夜家族全員の1日分の洗濯物を抱え、コインランドリーに通った。
さすが業務用。
家庭用と比較にならないほどの大きな洗濯機があり、そこに全部放り込んで一気に洗い30分、一度全部出して移動して、こちらも巨大な乾燥機にまとめて放り込んで乾燥30分。
トータル1時間で1日分の洗濯が終わってしまう。
我が家の洗濯量が多いか少ないかわからないが、乾燥なしを1回、乾燥ありを2回毎日洗濯機に働いてもらっている。
洗濯のみだと40分くらい、乾燥ありだと1回約3時間かかるから、それがトータル1時間で終わるとは、機械の性能の違いに驚かせれる。

しかも洗浄力も高く、子どもが学校のイベントで泥だらけにしてきた衣類があり、下洗いしたものの染み覚悟だった白いTシャツが、見事にきれいになっていた。
乾燥も柔軟剤の効果を最大限に活かすことができるのか、全体がふわっと仕上がって、自宅に帰ってからたたむときに大変に気持ちがいい。

乾燥なしは選り分けて別袋に入れ、乾燥かけた衣類は45Lのゴミ袋2枚分になる。
夜遅くに車ででかけてはゴミ袋を抱きかかえて帰ってくるのだが、大きなぬいぐるみを抱いているかのようで、ふわっと抱き心地がいい。
中からは柔軟剤ダウニーの香りがほのかに香り、またじわっと暖かくて、このまま寝てしまってもいいかなと思ってしまう。

今日昼前に業者の人が直しにきてくれて、正午には見事修理が終わり、すぐに溜まった衣類を洗い始めた。
出かけなくていいし、荷物にならないし、自宅で洗濯できる当たり前はとても便利なのだが、入る量は少なく感じるし、洗濯から乾燥までが遅いと感じてしまう。
当時一番大きな「いい」洗濯機を買ったし、今着ていた服が3時間後にはきれいになって乾いているだなんて素晴らしい!と大絶賛だったのに、上には上がいると現実を知ってしまった。

自宅で同じレベルを目指すことはかなり難しいから、柔軟剤を見直したり、洗濯機の効率的な使い方を考えたりと、少しでもあのプロの世界に近づけたらいいなと思っている。
大きくて、ぐるぐると大量の衣類が回る様は見ていて楽しい。
コインランドリーはエンターテイメント。

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