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経営の一貫性とは3つのコンテクストをマネジメントすることである

こんにちは、秋山です。
今日の積読解消シリーズは、コンテクスト・マネジメントを取り上げます。

「秋山さんは、コンテントは強いけどコンテクストは弱いよね。普通に成長してきたら身につくと思うんだけど、どこで取りこぼしちゃったんだろうね。」と前職の上司に言わせるくらい、コンテクストを読み取るのが苦手なので、うまくサマリーできるか不安です。

でもまあ、いってみよう。やってみよう!


キーワード

  • コントロール

  • コンテクスト

  • コンテクストマネジメント

  • スタックインザミドル

コントロールが硬直化した組織を作り出す

人の行動は、組織構造・システム・プロセスによって決まります。制約や追従、管理、ノルマといったシステムでコントロールすると上位下達で考えない現場を生み出します。

では、自由闊達な組織はどうでしょう。挑戦や支援、規律といった構造・システムでマネジメントすることで、現場が自考自動で率先する自律的な組織が作られます。

しかし、自由なだけでは混乱や矛盾が生じる。そこで必要なのが、コンテクスト・マネジメントです。

コンテクストとコンテントの関係

まずコンテクストとは背景や状況、文脈を意味する言葉です。対になるのは中身という意味のコンテント(コンテンツ)です。コミュニケーションはコンテントとコンテクストの足並みが揃って成立します。

例えば、カウンターに料理が並ぶような小料理屋で「お母さん」と話しかけるのは、実のお母さんを呼んでいる訳ではなく、親しみを込めて店員さんに話しかける際の呼び名です。小料理屋さんというコンテクストが、お母さんというコンテントを店員さんへの呼びかけとして成立させています。

組織のコミュニケーションにおいても同じです。会社が生み出すコンテクストに合わせて、それぞれがコンテント=成果を生み出す。このコンテクストをコンテントのやりとりがまさに仕事なのです。

3つのコンテクスト

話を本に戻しましょう。現場の混乱や矛盾を解消するために経営がすべきことは、3つのコンテクストに一貫性を維持し続けることです。3つとは、戦略・経営管理・組織行動の3つです。具体的には以下の通りです。

戦略コンテクスト

  • ミッションやビジョン

  • どのような企業を目指し

  • どんな価値を提供するのか

経営管理コンテクスト

  • 情報の管理・共有システム

    • どのレベルの情報を

    • どの階層のスタッフが

    • どんな頻度でアクセスできるのか

    • どのように組織内でアクセスできるのか

  • 朝礼やオールハンズなどの社員集会

  • 予算策定のフロー

  • 階層ごとの権限

組織行動コンテクスト(=カルチャー)

  • 推奨される社員の行動や社員同士の関係性

  • 行動規範、価値基準、バリュー

  • 暗黙のうちに共有されているもの


ダメな例を考えてみますしょう。

  • 戦略コンテクスト=「人の可能性を最大化する」をミッションに掲げる

  • 経営管理コンテクスト=情報統制ガチガチ、部下は上司の言いなりで考える余地がない、挑戦して失敗すると原点方式で評価されない

  • 組織行動コンテクスト=ギャップ思考でノルマ達成しない理由を1on1で詰められる

極端に感じますが、意外とこのレベルで統一が取れてない組織ありますよね。

経営は3つのコンテクストをデザインし、運営し、それに魂を込めることで現場やミドルマネージャーの意思決定や行動に間接的に影響を及ぼし、複数の行動主体の意思決定と行動が集合的に織りなす組織内のプロセスを誘発していくことが期待されています。

逆に3つの一貫性が成立しないと「うちの会社は言ってることとやってることが違う」「経営者は信頼できない」「大変なのは現場だけだ」といった不満が噴出します。


個人的感想

カルチャー浸透が重要視されて久しいですが、カルチャーだけ浸透してもコンテクストマネジメントには不十分だと感じます。

自由でフラットなカルチャーというなら、それを実現するための情報開示をすべきですし、アップワードレビューなど部下が上司を評価するシステムを導入すべきでしょう。

カルチャーとはコピーライターを入れてそれっぽい言葉にバリューを昇華させて、グッズをつくりまくり配ることでもないし、表彰することでもない(もちろんいちhowとしては有効だと思います)。

人事システムや情報共有プロセスも同じコンテクストで統一し、魂を込めて経営者から行動していくこと、その結果滲み出てくるのがカルチャーというものではいか、と思いました。




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