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sushi 23 「許せるか・仕方ないかマップ」

パートナーと一緒に暮らし始めたばかりの頃、私には困っていることがあった。自分がなんでこんなに怒ってるのかわからないくらい、相手に怒ってしまうことだった。

もともと感情がハッキリしている方ではあったけれど、それにしてもどうしてこんなにも自分がコントロールできないのか、原因が分からなかった。仕事や友達の前なら、もう少し自制心があるのに。
怒りをぶつけられたパートナーの方も落ち込んでしまうので「可哀想だな」とは感じつつ、いざその問題を解決するために2人で話し合いましょうとなると、話が平行線で噛み合わない。
別に無理に解決しなくても、気が合うことと合わないことがあるというだけなので、状況に応じてゆずり合いながら暮らしていくこともできそうだった。
けれど、私の中には「この人と仲良く暮らし続けたい」という目的があったので、傷つける回数は減らしたいけど、私もなるべくストレスを感じずに横にいたいと言うのが本音だった。

そこで今日は、私が自分自身の怒りの感情を整理できた話をします。

ある日、パートナーが昔からの友達と飲みに行っていて、朝まで帰って来なかったことがあった。連絡も何もつかず不安で眠れなかった私は、案の定最初は怒っていたけれど、それも段々と疲れていった。最終的には「浮気とかしてる方がまだマシだ。酔っ払って道で寝て車に轢かれてないか心配」という感情だけが残った。

その時に初めて、私がずっとモヤモヤしていた「自分でも原因がわからないくらい怒ってしまう」という状態が、実は「生きてるか心配→失わないか不安」という、根源的な気持ちからくるものなんだと分かった。そして、そういった行動をとる相手に対して「私を不安にさせるから不快」という風に怒りに繋がっていることも。

怒る、というアクションは相手に改善を求めているから出る感情だけども、ぶつけられた相手からしたら「どうして怒るのか?」の「どうして」の部分が分からなければ、単に怒りの感情をぶつけられた風になってしまい、落ち込んでしまう。今回のケースで言うと、私は生きて無事に帰ってきて欲しいだけなので、自分の怒りの感情を伝えるよりも先に「心配していた」ことを伝える必要があった。
さらに、自分の感情だけで物事を見極めようとすると主観に偏りすぎるので、それ以外の評価軸として「その行いは社会的にありなのか?」という観点も取り入れてみることにした。その2軸で物事を分解すると、こういう風になる。

許せるか・仕方ないかマップ

この図の使い方はシンプルで、何か出来事が起こって不快に思った時に、①心の許容度(自分にとって許せるか)と②頭の理解度(社会的観点からありか、納得できるか)でマップに当てはめてみて、両方が満たされない状態「許せないし、仕方なくない!」になった時だけ怒っていいというもの。
それ以外の時は、ひとまず「心配した」とか「悲しかった」とか自分がどう感じたかを最初に伝える。そうすると、話してるうちに自分の怒りの感情もおさまってきて、相手と落ち着いて話ができるようになる。

実際に先に挙げた「昔からの友達との飲み会で朝帰り」の例で考えてみる。
①心の許容度としては、朝まで連絡もなく心配させられたので不快だったので「許せない」になる。そして②頭の理解度としては、昔からの友達との飲み会はなかなか叶うことじゃないし、人付き合いも大切だから「仕方ない」。これをマップ図に当て嵌めてみると「許せないけど仕方ない」ので、怒りの感情はぶつけないことにした。
なので、その日朝帰りを遂げたパートナーには、まずとても心配したことを告げて、でも友達と会えてよかったと思う、ということも告げた。
最後に2人で改善策を話し合って「遊びに行く時は何時に帰るか、事前に連絡しましょう」という妥協点で落ち着くことができた。

それ以降、怒りが沸いた時はまず、このマップ図を使って自分の感情を分解してみるようにしている。勿論、この図のことを思い出す前に感情が先に出てしまうこともあるし、この図自体もまだ改善の余地があるかもしれないけれど、以前よりケンカの回数を格段に減らすことができた。
もし私みたいに、自分の感情のコントロールに悩んでる人がいたら、ぜひ一度使ってみてほしいです。

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