小説 仮面の告白

三島由紀夫著
1949年に発表された作品。

三島由紀夫を初めて読んだ。
彼の内包する美意識や性に対する葛藤がとても繊細でそれでいて豪快に書かれている。
今では同性愛は当たり前で、異性愛者となんら変わりがないとする社会であるが当時は違ったのだろう。

「正常」(作者が本文の中で言う)になりえない自分との対話、自分でさえわからない欲望との対峙、これをまざまざと語っている。結局主人公(著者ではなく)はなにになりたかったんだろう。社会や個人へのメッセージ性があるだけが小説や映画ではない。それゆえに本作について一読者である私が語り得ない。理解力が足りないのももちろんあるが。

三島由紀夫自身を知ることによりさらに深く理解できる作品であると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?