[帝乃三姉妹は案外チョロい(週刊少年サンデー)]
今回ご紹介するのは週刊少年サンデーで好評連載中の「帝乃三姉妹は案外チョロい」です。
主要登場人物
異世界転生モノが幅を利かす世の中になって久しい現代。チート的に強い主人公が物語の開始早々から無双する物語に慣れてしまうと、ライバルに負けて、メンターと修行して強くなってリベンジする、そんな王道の成長譚はタイパが悪いし読み進めるのが辛い。
でも、そんなんでいいのかなぁ・・・・・
本作の主人公は顔意外は全てが凡人以下でポンコツという綾世優。一方で、帝乃家の三姉妹は芸能、スポーツ、将棋で才能を発揮する天才姉妹。彼女たちも無双しまくる世界が描かれているのか?と思うが、全くそうではない。少年サンデーはあくまで王道的なストーリーを描いてくれていて、だからこそ私も安心して読めているのかもしれない。
本作が、天才三姉妹が無双して読者を気持ち良くさせるのではなく、天才ならではの悩み(トップを維持し続ける苦悩、努力をし続ける辛さ、何の為に努力するのかの迷い等々)とどう向き合い、解決していくか。そこにポンコツ優くんが並走して寄り添う姿が印象的なため、少年誌で描かれる成長譚に分類されると思う。単なる主人公無双モノでもなく、ハーレムものでもない作品の存在は有難い。
現代は、各人がそれぞれの才能をSNSはじめインターネットを介して発信しており、それをテレビが後追いして取り上げるかたちで多くの人々の目に触れるところとなっている。テレ朝で放送中の人気番組「博士ちゃん」がその最たるものかもしれない。
天才が輝いた部分だけを見せられると、自分のネガティブな部分やコンプレックスにばかり目が行ってしまうこともあるかもしれないが、天才とはいえ裏側をみれば努力しかなかったりする。本作でも"天才と秀才の対比"が描かれていたり、"努力とは何か?といった投げかけ"をされている気分にもなるため、そういった点にこそ着目されれば良いなぁと思っていたりもします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?