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政治家のジョブ・ディスクリプションを考える

今回は「政治家のジョブ・ディスクリプション」について考えてみたいと思います。昨年来、政治資金に関することで世間は騒がしいです。みなさんは、そもそもなぜそんなに資金がいるのか?ということを考えたことはありますでしょうか?その部分と政治家のジョブ・ディスクリプションをあわせて考えてみましょう。政治家は主に、行政の長である、村長、町長、市長、区長、知事、首相などと、立法の議会議員があたります。

ちなみに、私のnoteやVoicyでよく出てくる単語に「ジョブ・ディスクリプション」というものがあります。それに触れているnoteはコチラ。

◯なぜ政治にそんなにお金がかかる?

さて、なぜそんなに政治にお金がかかるのでしょうか?
現在、一般的にはは議員報酬と政務活動費が税金から支給されています。
その中で生活と議員活動をやりくりしている人がほとんどです。
議員の報酬などに関してはコチラで記事を書いていますので、ご一読いただければ幸いです。

財政力の弱い基礎自治体での議員活動では十分な可動ができるとは正直言えないのが現状かと思います。広域自治体(都道府県)となると活動範囲も広がるので場所によっては厳しいかもしれません。
一方、国会議員は政務の活動においてはかなりの金額が支払われています。秘書は3名(第一、第二、政策)が公設として雇うことができます。
また、調査研究広報滞在費(月額100万円×12カ月)や立法事務費(月額65万円×12カ月)も支払われています。優秀な人材を雇ったり、専門分野の調査研究において十分な金額であるかは個人によるところが大きいでしょう。

このように、ではなぜ今回のような事が起こったかというと大きな要因としては選挙活動と私は考えています。実際の選挙は選挙期間が定められており、それ以外の期間で選挙運動をすれば違反となります。当然のことながら税金から支給されている費用で期間外の選挙活動を行うことはできません。しかし、国会議員の場合、実際のところは1年365日選挙運動をしている状態になっています。そのために活動費を別途稼ぐ仕組みづくりが必要になっているのです。

実際何をしてる?

各種団体の会合に呼ばれたり、祭りなどのイベントごとに顔を出したり。その場合は顔見せがほとんどであり、政策等を議論する場とはなっていません。会合の参加費や交通費でも費用はかかりますが、最もお金がかかるのは私設秘書です。多く雇えばそれだけ費用がかかります。この方々はほぼ年中選挙対策で活動をされています。そりゃお金必要ですよね。

◯政治家のジョブ・ディスクリプション

改めてジョブ・ディスクリプションの定義をおさらいします。

「ジョブ・ディスクリプション(job description)」とは、職務の内容を詳しく記述した文書のこと。日本語では職務記述書と訳されています。

日本の企業にはこれに相当するものがない場合がほとんどですが、欧米の企業では、日々の業務はもちろん、採用をするにも評価をするにもなくてはならない、というきわめて重要なものです。

ジョブ・ディスクリプションに記載される代表的な項目は、職務のポジション名、目的、責任、内容と範囲、求められるスキルや技能、資格など。特に職務内容と範囲については、どのような業務をどのように、どの範囲まで行うかといったところまで詳細に記述されます。

https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=111

・政治家の職務概要

政治家は、国民の代表として、国や地方自治体の政治に関わる職務です。法律制定や予算編成、政策立案、行政監視など、国民生活に大きな影響を与える重要な役割を担います。しかし、地方自治体の議員では条例提案や予算編成は難易度が高く、政策提案、行政監視が主な活動となります。
現職でない人は、後に書きます求められるスキルと、自分の経験と知識を動員して、今ある制度についての論文記事を書いたり発信をすることで職務としていく必要があるでしょう。

・主な職務内容

  • 立法: 国会や地方議会において、法律や条例の制定・改正に関わる。

  • 政策立案: 国民生活の向上や社会課題の解決に向けた政策を立案・推進する。

  • 行政監視: 行政機関の活動を監視し、適切な政策運営を促す。

  • 予算編成: 国や地方自治体の予算編成に関わり、財政資源の有効活用を図る。

  • 広報: 国民に対して政治活動や政策内容を分かりやすく説明する。

  • 国際関係: 外交や国際協力に関する政策立案・推進に関わる。

  • 地域活動: 地域住民との対話を通じて、地域の課題解決に取り組む。

職務内容としては多岐にわたりますので、すべての項目を満たす人物はいないと思います。いくつかの専門領域をもっている人たちが集まることで、巨大な行政と対峙することができるのではないかと考えます。私は広く浅くの人は国会議員には向いていないと思っています。

◯政治家に求められるスキルは?

政治・経済・社会に関する幅広い知識: 政治家として政策立案や議論に参加するために、政治、経済、社会に関する幅広い知識が必要です。

  • コミュニケーション能力: 国民や他の政治家、行政機関など、様々な関係者と円滑にコミュニケーションを取る能力が必要です。

  • リーダーシップ: 政策立案や推進、組織運営などにおいて、リーダーシップを発揮する能力が必要です。

  • 問題解決能力: 複雑な社会課題を分析し、解決策を導き出す能力が必要です。

  • 倫理観: 公正かつ透明性の高い政治活動を行うために、高い倫理観が必要です。

能力的には上記の内容を平均的に持っている人が望ましく感じます。特に倫理観がぶっ飛んだ人は最悪ですね(笑)。首長をする場合はリーダーシップは求められますが、議員の側ですと突出して必要なスキルではないです。むしろコミュニケーション力と問題解決能力が求められると考えます。


◯選挙活動は政治家の「仕事」か?

選挙活動は、政治家の仕事の一部と言えます。

政治家の主な仕事は、立法、政策立案、行政監視、予算編成、広報、国際関係、地域活動などです。選挙活動は、これらの仕事を遂行するために必要な、「国民の代表として選ばれる」ための活動 と位置づけられます。

具体的には、選挙活動を通じて、

  • 自分の政策や理念を国民に訴え、理解を得る

  • 他の候補者と比較され、国民の選択に委ねる

  • 当選後は、公約実現に向けて責任を果たす

という役割を果たします。

選挙活動は、政治家としての活動の基盤となる重要な活動 です。しかし、選挙活動だけが政治家の仕事ではありません。当選後は、公約実現に向けて様々な仕事に取り組む必要があります。

以下は、選挙活動と政治活動の違いを示す表です。

このように、選挙活動は政治家にとって重要な仕事の一つですが、それだけが政治家の仕事ではありません。選挙の時は全集中ですが、それ以外の時に顔を売ってばかりの人は困ります。
ある意味選挙活動は社会で言う「就職活動」です。就職してからも就職活動を重点的に行なっている人はいませんよね?

では、政治家に本来業務に集中してもらうにはどうすればいいのでしょうか。

◯有権者は何を考えなければいけないか

こういった金満政治から脱却し、本来の職務に邁進するためにはどうしたらいいでしょうか?もっとも簡単で真っ当な方法としては、有権者が有名人や団体の推薦、縁故関係、容姿で投票するのではなく、その人の経歴、能力、主張を見極め投票することです。この際厳しいようですが、「時間がない」とか「よくわからない」「投票先がない」というのは言い訳にはなりません。日本は民主主義の政治体制を取っている以上、ベストではなくてもベター(よりマシな)政治家を選挙で選ばねばなりません。自分たちの生活にかかることについて、自分の意志を示すことなく文句は言えません。

◯まとめ

いかがでしたでしょうか?今回の内容はあくまで私見ではありますが、政治の世界の片隅も片隅、端っこも端っこで生きている自分としては実感を持っているところです。一部厳しい指摘もいたしましたが、政治家の腐敗を正す唯一の方法は選挙しかありません。日頃から自分の関心のあることを中心にそれに取り組んでいる政治家を応援するもよし、能力が高そうな候補者を選ぶもよし、他人任せではなく、自分の意志を示していきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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