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リーマンショック時入社の僕が転職を決意した日(前編)

自分はリーマンショックが起こった次の年に就職活動を迎え、大変厳しい状況のなか今の会社にどうにか就職して、それから13年働いてきた。

当時は企業調査や自己分析、業界のこともよく知らんと採用担当教授のすすめるがまま面接を受けて決まった感じだった。

実際に入った会社はいわゆる一族経営の中小企業で、エンジニアを派遣して収益を得るいわゆるエンジニアリングサービス会社。
各現場に派遣されてソフトウェア開発を行うというの形だ。

そしてこれは業界に身を置いてみて気づいたことがだ、仕事を上の会社から請ける会社、しかも多重下請け構造の下層に位置する会社というのはなかなか立場が厳しい。
そんな状況で、自分が転職を決断した経緯を今回は書いていこうと思う。

ソフトウェア開発は多重下請け構造が基本

ソフトウェア開発というのは基本多重下請け構造である。
例えばうちの場合は
発注元⇒下請け会社←この会社に派遣される形
というような立場が多かった。
もっとひどい場合だと
発注元⇒下請け会社⇒下請け会社・・・もうどこからの仕事なんか分からん。なんてのもまぁ珍しくない。

ただし派遣元の会社には正社員として雇用されているし、いわゆる登録型派遣とは少し違う。ここは入社して初日に教わったことだ。

従業員は大半が客先に派遣

下請けというだけならまだよい。この場合は作業の裁量権を自社で持てるからだ。ただここに派遣として出されているとなると、裁量権は自社ではなく派遣先の会社になる。
自分が所属していた会社は、従業員の大半がこの派遣業態であり、一部請負をやっていはいたが、大体社員の8割以上が派遣で外に出ている状態だった。
派遣先に出てしまうので自社の管理職の目が届くこともなく、直接管理されることもない。代わりに派遣先の上司に管理され、作業指示を受けるのだ。

派遣という立場上、プロジェクトリーダーや管理職にはなれない

個人的に最もこの仕事を続けていくうえで嫌だと思ったポイントがここだ。
派遣先ではソフトウェアエンジニアはプログラマやSEとして作業指示を受けて作業を行う。
派遣先では派遣先の社員がプロジェクトリーダーやマネージャーになったりしていく。派遣社員は現場で管理職になることはない。
まぁ派遣元会社での立場が課長になったりはするが、それはあくまでも派遣元業務として社員を管理する立場でしかない。現場に出れば実質ヒラ社員と同等だ。

例えば今はこちらから仕事を教えている派遣先の新入社員が、後々は自分に作業指示を出す立場に確実になっていくのだ。

派遣先や同業他社の会社と比べても給料がかなり低かった

これはどこでもではないだろうが、うちの会社は特にそうだった。
リーマンショックで入社した時から10数年、数千円の年昇給のみで賞与はほぼ横ばいという低水準のまま35歳を迎えていた。
派遣先の会社と比べるとその差はかなり大きく、それどころか同じく別の会社から派遣されてきている人と比べても給料はかなりの低水準だった。

現場での仕事自体には不満もなく、人間関係も良好だった。

ここまで書いていて不満ばかりだと思うかもしれないが、実際の現場では色々なことを経験させてもらっていたし、人間関係も良好、仕事内容自体も嫌ではなかったしできることが増えているのも実感できていた。
残業時間は40前後とそれなりに多めだったが、残業代は全額出るし基本給が少ない分そこで補っていたので、総じて大きな不満というものはなかった。

現場に対する不満はなかったが、将来に対する不安は常にあった。

このずっとこのままでよいのか、今はいいけど40代50代になった時プロジェクトリーダーやマネージャーになることはできない。そのうち若い社員にこき使われるようになる。
加えて、この現場での自分の功績は派遣先の会社から見たら一応自分の功績としてみてはくれるが、派遣元の自分が所属する会社からすれば残業時間=売上なので、残業時間しかみてもらえない。
そのような環境下でこの先10年20年と働き続けることに、後悔はないのだろうかと。
今でこそ居心地のいいメンバーに囲まれているが、周りが異動することもあるし自分が異動させらることもある。そうなってから動き出したんじゃもう遅いかもしれないなどと

たまたま行ったお客さんとの飲み会で転職の話が出て

そんな不安ががあったなかで、たまたまお客さんと飲み会に行くことになった。
そこで、転職する気がないかと聞かれ、その場の勢いもあり
「今の会社に嫌気がさしてきている、辞めたい」
と答えた。
答えたものの、この時はよくよく考えていたわけではなかったし、軽い発言でもあった。
ただ、前述したように「この先も今の会社に居続けることへの不安」というのはずっとあったわけで、そういう意味では本心でもあった。

そしてここから転職に向けて一気に動き出すことになった。

後編に続く




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