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すぐ眠くなる知性に導かれ。

 本を読む。
 眠くなる。
 寝る。
 夢を見る。
 夢の中で本を読む。
 いや、それでは何のために本を読んでいたのかわからない。
 吾輩は空想の中で遊びたいのだ。
 せめて夢の中にいる時くらい、もっとずっとぶっ飛んだ世界に連れて行っておくれでないかい。視野を広げるための本。仕入れたあまたの知識に導かれ、未知の世界を飛びまわってみたいのだ。

 たとえばそうね、チュールでできたお城に住まうとか、猫島の王様になって「えへん」と胸を張るだとか、あるいはシモベを従わせる主人あるじになるだとか、「にゃあ」と媚びずともごはんが出てくる躾の行き届いた飼い主に換えてくれるとか。

 むにゃむにゃん。
 そろそろお腹が空いたなあ。
「ごはん、くれ」

 寝言には耳にして幸せになる寝言がある。
 だいじょうぶ。寝覚めたら、美味しいごはんを出してあげる。

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