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意識のアップデート

身につまされながら、目が離せないドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(以下おっパン)
昭和生まれからしたら、誠(原田泰造)の言動に感情移入しがちで、一緒にアップデートしている気になる。

不登校気味の高校生、翔が学校と家族、2つの「社会」での生きづらさを少しでも解消するにはと苦悩する姿を丁寧に描いている。父、誠の意識改革とともに少しづつ変わっていく家族との距離。重いテーマになりがちだが、悲壮感をそれほど感じさせない構成に救われる。

男らしさ、女らしさ。
こんな言葉を昭和世代は幼少期から聞いていただろう。私もそう。一番身近な大人から教え込まれているのだから、洗脳だ。洗脳だから疑わない。そうして大人になったら無意識のうちに決めつけてしまうから、怖いのだ。

今思えば、幼少期から「女の子らしく」と投げかけられる言葉に違和感を持っていたのかもしれない。
女の子らしくってなんやねん。
木登りしたり、塀に落書きしたり、給食時間に男の子を笑わせて飲みかけの牛乳を吹かせたりもした。やんちゃで落ち着きのなさに両親は手を焼いたのか、小学校低学年から剣道を習いに警察の道場に通っていた。

家族という最小の「社会」はその数だけ形があって、比較するというのはそもそも無駄なことやなと思うのだ。家族とてそれぞれの適度な距離感も違う。「おっパン」翔の場合は自分の部屋に閉じ籠ることで家族との距離を保っていた。私の場合は実家を出た。

近ごろは昭和レトロという風潮が漂っているみたいだけど、令和がレトロだと思われる社会はどうなっているのかなあと興味がなくはない。

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