見たかった絵がそこにあったので、都会を克服した
去年、たまたま雑貨店で購入したカレンダーで知ってから、すごく好きな作家さんがいる。
日下明さん。
夜空、楽器、人や動物などをモチーフに、どうしてこんなことを思いつくの?というような、独特で静かな絵を描かれる。
ふと、この方は関西在住ならどこかで個展とかやってないのかな。
と思って調べたら、なんと真っ最中だった。
この近辺は私が過去に悪意あるぶつかり方をされ、この駅へ近づきたくなくなった原因のエリアなのだけど、これはもう平日ひとりで行くしかない!とすぐに思った。だってこんなん行けってことやん。
医師からは、トラウマ(というと少し大げさかな)のある場所には安心できる人と一緒に行って、何回も行って克服するんだよと教わった。が、そんな悠長なことは言っていられない。
ライブのときも思うけど、本物を見たい!!という心の叫びは不安を凌駕する、こともある。
課題以外でわざわざ足を運んで絵を見るなんて人生で3回目くらいだし、私は芸術とかアートとか、正直よくわからない。でもそんな自分だからこそ、こんなに心惹かれるのならもう生で見るしかなかった。
幸い平日の電車は静かですいていた。降りると、まあそれなりに人は多い。あれから使う電車は変わったし、一瞬頭の中でどう行くんだっけ?と思ったけれど、体は覚えていてスラスラと歩いていけた。頓服も飲んでる、大丈夫、大丈夫と思いながら、人にぶつからないように、ぶつかられないように歩いた。
お店は端のほうにひっそりと、でも存在感のあるおしゃれな店構えで、最初は私以外お客さんがいないくらいに落ち着いていた。
うわあ、ある!!日下さんの絵がある…!
そんな当たり前のこと以外にも、色々思ったことはあるけれど、なんせ芸術的感性が乏しいので下手な感想は書かないでおく。
しばらく独り占めでたっぷり堪能し、人がきたら譲り、なんと絵の写真撮影もさせていただけた。贅沢すぎる時間。
たくさんの商品の中から、手元に置きたいものを選んだ。写真の上部の2種類のカレンダーはつい最近ネットで購入したもので、あとは便箋とポストカードを買い足した。
あとは悩みに悩んでふたつの絵(デジタルの複製)を購入したら、新幹線で東京往復できるほどのお値段になってしまった。
でもこれくらいは、これまで生きてきたご褒美としたい。家に飾る絵もずっと探していたし。
スタッフさんによると、意外なことにこっちで個展を開催することは珍しいのだそう。東京?ばかりらしい。
なんだろうこのタイミング。あんまりスピっぽく捉えるのは苦手なんだけども、、今回のはどこかから、あんた今見ときなさい、と言われたような気がしてしまった。
たまにある、こういうのが見れたなら、生きてて良かったのかもなあと思える作品。私にとって日下さんの世界はまさにそれ。
めったにない、そんな潤いの時間をありがとうございました。都会に住んでてよかったと、久々に思えました。