見出し画像

Number_iという神輿が日本のエンタメ界を活気づける

元旦、「GOAT」がリリースがされてから、まだ4ヶ月ちょっとしか経過していないのか…と感じるほど、Number_iに始まり、早くもNumber_iで終わりそうな予感がする2024年。

説明する必要もないほどの破竹の所業を少しおさらいしつつ、Number_iが日本のエンタメシーンにもたらしているものなどに触れつつ、タッキープロデュースについて個人的な思いを馳せたいと思います。

まず最初に結論を言うと、Number_iの現在の功績の軸になっているのは「GOAT」という楽曲とMVのクオリティの一言に尽きると思っています。

いかに平野紫耀を筆頭とした元King & Prince3人の人気が凄かろうと、TOBEという箱に注目が集まろうと、 SNSの構築が巧みでも、(いやむしろ、昨年後半にぶち上がっていた期待値からすると、これらはプレッシャーとしてネガティブに働くリスクがあったとすら思う)、
彼らが最初にドロップするタイトルは、酷なくらい期待値を超えた作品である必要があった。

そんな中、「GOAT」で見せたものは、にわかにしか彼らを知らない人からすると”完全な逆張り”、割と見ていた人やファンからすると”完全に振り切った”。
といった具合に、どちらの層も巻き込んで、もはや全員が一つのスタジアムにブチ込まれ、日本に爆誕した規格外の”スーパーアイドル/アーティスト”を楽しむことができた。

2020年代は韓国アーティストに実力も人気も話題性も全て上書きされてしまった日本のエンタメシーン。
国産のアーティストのパイがどんどん萎んでいくのを、仕方ないと思いつつも何処か虚しく感じていた日本人は多かったと思う。

日本人は、Number_iに日本代表としてあちらに対抗できるレベルのものを出してほしいと暗黙のうちに期待していたのではないか。

もちろん、ここで避けては通れないのが、事前に平野紫耀がルイ・ヴィトンやイヴ・サンローラン・ボーテといったハイブランドのアンバサダーに就任し、BTSのメンバーのような活躍を個別ではし始めていたこと。

が、これは前述にもある”彼らに纏い付く事前のハイプレッシャー”にも繋がり得ることで(LVのバッグが爆売れとか、イブサンローランの口紅が即完とか)
実際の音楽活動はどんなものか?と、より値踏み感が高まっていたわけです。

巷に出ているインタビューを見ると、「GOAT」の発売はもう少し前の予定だったという情報がある。
が、結果として平野の一連の広告活動の後に発表されたことは、功を奏しているように見える。
その後、サントリーやマクドナルドといった日本マターでのCMにグループとして出演するあたりも。

このようなタイミング全てが吉と出ているようにも見え、その辺りはタッキーの名監督ぶりを感じざるを得ない。

タッキーと言えば、これは悪口でもなんでもなく同世代としてずっと、愛すべき側面として思っていたことだが、いい意味で、センスはいなたい。

それ故に、独自のやり方で大衆に斬り込むパワーが強い持ち味だと思っているのだが(「タッキー&翼」自体や、滝沢歌舞伎、SnowManの初期がいい例かと)、
この意味で「GOAT」のクリエイティブはあくまでアーティスト達が主導し、タッキーは見守りだったのではないか、ということを勝手ながら感じている。

しかしながら、「GOAT」以降のNumber_iは、タッキー節と融合していることを随所に感じさせてくるので、面白い。

顕著なのが、「GOAT」以降のシングルおよび、アルバム『GOAT』に収録されている楽曲のテイスト。

「GOAT」リリース後、こういうゴリッとしたHIPHOP路線を続々と出していくんだな、とかなり多くの人が予想したはず。
実際、「FUJI」はラップが入っているのでその路線から辛うじて外れてはいないが、サビ部分では既に片鱗があった。
そして「Blow Your Cover」の曲とMVで、懸念は確信に変わった。


2000年代辺りのCHEMISTRYらを筆頭としたJ-R&B路線、そしてSMAPを筆頭としたギミックのあるジャニーズ楽曲路線。
これこそ真のタッキーカラー・プロデュースかもしれない。

正直、5人体制のKing & Princeの終盤は、J-POP的に言うとクオリティが高かった。
例えば「ichiban」「TraceTrace」「ツキヨミ/彩り」あたりを思い浮かべると一目瞭然だと思うが(そして音楽リスナー目線のみでいうと、今の二人体制のキンプリの楽曲も、良くできている。)

ただ、面白いことにその当時、「ichiban」など上記の楽曲ではうまいこと跳ねていないのが現実。これにはサブスクで楽曲を聴けない状況にあったことも深く影響していると思うが、それこそこの問題自体は、ニワトリタマゴである。

そういう意味でも、結果的に「三人」と「二人」が決別することになったのは、ある意味「音楽制作と音楽リスニングに対する拘りの違い」も大きかったのかもしれない、と、今現在の2グループの曲を並べて聴き比べると、思うのだ。

Number_iの「GOAT」以降が、ゴリッとしたHIPHOP楽曲揃いであればこのような考察をすることは全くなかったと思うので、今しか出せない感想を述べてみました。
(次のシーズンではまたジャンルが変わってる可能性すらあるので)

いずれにしても、彼らが日本のエンタメシーンを間違いなく活気づけていることにはワクワクと感謝を、タッキーという経営者にはリスペクトの念を抱くしかない。

当然のように2024 SSの主要音楽番組に出演し、エンタメ界を楽しませたNumber_i。
この状態にごく自然な流れで至らせたタッキーの手腕は、やはり誰も真似できないと言えましょう。既存のメディアを置き去りにせず、祭りにしっかりと巻き込み、さらにSNSを使った新しいファンエンゲージメントも手に入れた彼らは、今のところ向かうところ敵なしと言ったところ。

一点だけ、振付師RIEHATA氏への誹謗中傷が無くなれば、もっと応援する層が厚くなると思うので、そこも未来に期待したい。

以上、前途洋々のNumber_iについて少し書かせてもらいました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?