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The journey continues.

先日UNの公演を無事に終えることができました。足元の悪い中、お越しいただきました皆さまに感謝申し上げます。

この公演はjourneyと題して、モンゴルよりヤトガ(モンゴル箏)奏者のアリウンヒシグ・ウルジサイカンさん(私たちはアリウカさんとお呼びして楽しくワイワイやってました)をお招きしました。ヤトガは見た目こそ日本の箏に似ているのですが、爪をつけず楽器を床に置くので、床鳴りもあり柔らかく豊かな響きでした。感覚的ですが、演奏の場が畳か土かの違いが現れているような気もしました。

私たちUNのプログラムはラヴェルの「天国の美しい3羽の鳥」と「クープランの墓」そしてバッハのフーガの技法よりContrapunctusXIV。手に染み付くまで練習したつもりですが、やればやるほど曲の深部との距離を感じる、そんな深遠を垣間見る体験になりました。曲との向き合い方について多くを学ぶことができたと思います。

終演後はしばらく燃え尽き症候群により何も手につかず、先日西洋美術館で岩瀬さんと大田さんのデュオを拝聴し(とりわけ牛島さんと細川さんの曲が素晴らしかった)友達とご飯を食べたりしてようやく復活。

本公演で取り上げた未完のフーガは、完成前にバッハが亡くなったため突然曲が終わることになるのですが、その先にどんな展開や着地を予定していたのか私には想像することが難しく、むしろそのまま永遠に音楽が続くのではないかとすら思えるのです。もしかするとバッハが夢みていたのも、遥か未来の音楽だったのかもしれません。私たちも永遠に続く旅の、ひとときの参加者のようなものだなと。

最後にエレキギターでアンサンブルに加わるための備忘録を少し。音作りはクリーンより少しクランチしていたほうがデュナーミクのバリエーションが広がるので、今回はsweet honey overdriveを踏みっぱなし(手元のボリュームは軽く絞るのでほとんど歪まない状態)TS系のレンジを狭くするペダルは音が強すぎて合わない気がしましたが、こちらは引き続き試行錯誤。

演奏面ではバイオリニストに教えてもらったレガートの方法(ある音を押さえて弾いたら、そのとき次の音をあらかじめ押さえておくというもの)が慣れは必要でしたが、とてもフレーズの流れが良くなるかも。あとギターはある閾値を超える強さで弾くとペチンとした変な音になるので、綺麗なフォルテを取っておくために全体的に弱いピッキングを心がけること(ピアニッシモは生音では聴こえないくらい優しく撫でるように)本番までの練習の過程でピックが徐々に薄くなっていましたが、こちらも試行錯誤は続く。

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