個人の力、組織の力

ここ最近の世間的な出来事が胸に刺さるのは何でだろう

京アニの事件、吉本興業の一連の流れ、そして選挙。
それ以前の出来事も含め、なんだろうこの感覚は。

個人の力が組織を超え始めている?
いや、まだまだ変わらないな・・・そんな揺さぶられる感覚があった。それは良い意味も悪い意味も含めて。

個人の力って、ポジティブな感情もネガティブな感情もある。個人のネガティブな感情は時に凶器だ。かなりエグい。そのエグい感情が、「周りの目」のおかげでその感情が和らぐこともある。それは組織というか「世間」の果たすプラスな役割。

一方、組織というものは、それをルールをもって統制、均一化するもの。人間同士の関わりの中で必要不可欠なものでありながら、時には組織をもって個人の力を世界から抹消してしまうような力をもっている。
「組織」と「個人」その二つのバランスが、ぐらりと社会全体の中で傾いたような静かな衝撃をニュースから感じたのだ。

そして参議院選挙。「個人の力」を押し出したれいわ新選組、それでも自民党、公明党が過半数をとる現実。
私は、政治家でも活動家でもないし、特定の政治家を応援することで自分を固定化したくない。なので、この結果は残念とも嬉しいとも思わない。もちろん選挙には行きましたが。この結果で世間がどう変化していくのかは、これからの話だ。政治は世間が変えるものだろう。

組織は苦手だが必要だ

組織が悪い、とは思っていない。人間が集えばそこにはルールが定められることは自然の流れだ。

私はどちらかというと組織が苦手な人間だ。自分でイベントを企画して人を集めたりして、人間と触れあうことはどうやら好きなくせに、そこに決められた組織を持ってこられると、とたんに逃げ出したくなる。(幼稚園は登園拒否してだいぶ親を困らせた)

それでも、大人になるにつれて、組織での振る舞いもある程度覚えた。やはり馴染むことはできない部類ではあるが。こればかりはしょうがない。

組織からはみ出したものの叫び


でも、世の中にはわたしよりもうまく組織に馴染めない人たちがたくさんいる。また、なにか小さな原因で組織から、ふいにつまみ出されてしまう人も。

数年前からずっと感じていることは、組織から少しはみ出したものがやたらと排除される傾向。

「消費者」の声に過剰に反応する企業。(この「消費者」というのは一見「個人」の意見のようでありながら顔のない「世間」の声)

「商店街」の声に縛られて地域活性化に個人の力を生かしきれない地方自治体。

京アニの事件は、「失うものはなにもない」という人間が「夢や希望」を作り出すクリエイターたちを狙ったという衝撃。そのコントラストが私にはすごくつらかった。
うまく生きられない、はみ出してしまった人間の結果の狂気のように思えてならなくて、一人の人間の人生を「何の希望もないもの」にしてしまった社会、この犯人が異常なんではなくて、ここまで追い詰められている予備軍は確実に存在しているように思える日本全体の危機感。そういうものを象徴している事件に思える。

そして最近のニュースでぐらりと傾く感覚を覚えたのは、「はみ出したもの」が個人的なエグさを持って叫びをあげているからなのかもしれない。「はみ出したらしょうがないよね」という暗黙の了解をくつがえす力。それは、時に人に勇気や希望を与えるけれど、時にものすごく残酷だ。

はみ出したっていいじゃん、それが芸術、文化の愛の力

吉本興業の一連の流れを見ていて、久しぶりにテレビに釘付けになる感覚を覚えてのだけれど、それは本人たちの会見も衝撃的だったが、それを受けて発言をする芸人たちの、なにか一線を超えてくるものを感じたからだ。

芸人としてテレビに出る以上、大人の事情には常に対応してきているであろう人たちが、スポンサー?株主?ビジネス上の事情を超えて、「お笑い」というものに対する信念を発信してきた。それは、芸人はお客さんに愛されていなければ生き残れない、僕たちをどうか愛してください、という個人の心の叫びのように感じた。

とっくの昔にテレビには期待しなくなった、「愛」のかたちを久しぶりに目撃した。

北野たけしさんがコメントしていた言葉も胸に刺さった。「芸人に品行方正を求めるな!!」

7月頭に山下達郎さんのライブを見に行った。その時の彼の言葉がとても残っている。
「ギスギスした世の中になってるけど、音楽を聞いているときくらいは、愛とかいたわりとか優しさとかそんな感情を持ってもらいたい。」

アニメだってお笑いだって音楽だっておんなじだと思う。

文化や芸術やアートが与えてくれるものは、はみだしたり間違いを犯したものへも同じく与えられる勇気や希望や救いでもあり、社会的に正しい、正しくないのルールの世界とは逸脱したものであって、「失うものはなにもない」という、希望も守るべきものもない人間を作り出さない社会に最も必要な要素だと私は考えている。

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オオトヨウコ

三人育児しながらフリーランスで働く母。週に1度だけパン屋「OTO.PAIN」をオープン。「子育てしながら親も子供も自由を捨てない生き方」をしたい。小学1年生の娘と二人でパーソナリティを務める「ゆめままラジオ」を配信中!
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