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底辺学科も悪くないよ【東大】【進学選択】


はじめに

東大には「進学選択」という制度がある。理科一類や文科一類として入学するが、1年生と2年前期の成績をもとに基本平均点を算出し、その順位で3年以降の後期課程で進学する学部・学科が決まるという仕組みである。高校生時点で自分の専門を決めなくて済むというメリットがある反面、大学に入学してからも自分が興味のない分野も含め、勉強をして良い成績を取り続けなければならないというデメリットもある。

今回は、理科一類から理系の(基本平均点という観点では)底辺に近い学科に進んだ私の体験談から、底辺学科の良さを紹介したいと思う。

私の進学選択

私は理系科目が全般的に苦手である。もちろん超進学校や東大理系に合格しているため、世間一般と比べたらできる部類には入るのだが、東大生の中では相当できないほうだ。

中高時代は人より多くの時間をかけることで、苦手を補っていた。人の2倍の時間を割いて、ようやく半分程度の点数が取れるといった具合だ。非効率だが、こうするしかなかったのである。

しかし大学に入学して理系科目が高度化すると、私はついていけなくなった。授業も一応は出席してはいるものの、受験勉強の時ほどは勉強していないため当然理解が追い付かない。今まで人の2倍の時間をかけて半分の成果しか得られないような人間が、大学で人並み(あるいはそれ以下)の勉強量になったため、もう全くできなくなったのである。

そんな感じで、微分積分学やら線形代数学やら電磁気学といった理系科目すべてで、不可や50可といった悪い成績を取りまくったため、当然私の基本平均点もひどいものだった。確か60点くらいだった気がする。

この点数だと、選択肢はほとんどないといってよい。情報系は80点以上が必須だし、それ以外も70点以上が求められる。底割れしている学科や必要点数が50点台の学科の中から、まだ一番興味がありそうな学科を選び進学することになった。

進学が決まった時は少し落ち込んだものの、今振り返ると非常に良い学科に来れたと思っている。今はその学科に接続する大学院で勉強しているが、非常に楽しい。底辺学科の良さは、①競争的な雰囲気がなく居心地が良い、②相対的に優秀な成績を取れる、の2点があると思う。

良さ①競争的な雰囲気がなく居心地が良い

底辺学科の良さは、”人”が良いことだ。進学選択という競争に敗れた(あるいはもともと競争に興味がない)人間が多い。よって超進学校から東大に進んだ人にありがちなエリート感や競争意識が強い人がおらず、みな穏やかで落ち着いている

また多様性もある。単位を落とすのは当たり前であり、2浪、2留、地方出身者など色々な人がいる。超進学校出身者は少ない。

このような環境に出会い、私は非常に居心地が良かった。

良さ②相対的に優秀な成績をとれる

周りの成績が悪いため、ちょっと頑張ると良い成績が取れる。これは超進学校や東大に入学して、自己肯定感が下がっている人間にとって、嬉しいことである。私も高校入学以来、自分は勉強が苦手だという意識がうっすらとあったが、この学科に入り良い成績を取ることができたため、自信が回復してきた。これは私が、この学科の勉強と相性が良かったという点も大きいが。

まとめ

東大の進学選択における底辺学科の良さについて説明した。東大にありがちなエリート感や競争意識に馴染めない人にとっては、居心地が良いと思う。

もちろん工学部計数工学科や電気情報工学科といったエリート学科に進学できたら世間体や就職という観点では良かった可能性もあるが、居心地の良さという観点も大学生活を送るうえで重要だと思っている。


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