見出し画像

「君たちはどう生きるか」密教的脚本。(2回観て。)

先週観て、ぽろぽろ泣いて、
その後とぼんやりと味わっておりましたが、
再度あれ味わいたいと思い、
2回目を観てまいりました。
やはりぽろぽろ泣きました。

これを「ジブリ映画です」と発表するのは少し乱暴に思いますが、その乱暴さも好き。


密教的である。


目からの情報としては特に美術が素晴らしいと思ったが、何よりも脚本が良い。

「風立ちぬ」後、やはりこれをやらねばならぬ、と取り組まれたわけで、それを思いますと宮﨑駿氏は今まで、
なんと、
この世にご奉公なさってきたことだろうと思う。
この世にいらっしゃる間にこれ(……封印してきたものを解き放つ)が成立して、ほんとに良かった。

私が触ったことあったものを、
皆も触っているのだ、と思えるような、
時間の展開と、絵と、キャスト陣のお芝居と。

音は丁寧な効果と、
何より米津玄師氏の楽曲が素晴らしい。


キリストの生涯が「受難曲」として歌われる、詠じられる?ようになったのは、聖書、が編まれてからすぐあったかも?しれない。
現代人の感覚として、完全に娯楽作品だろこれ!の手法で導入しつつキリストの生涯に心動かされるような「ジーザス・クライスト・スーパー・スター」の初演は1971年。



「君たちはどう生きるか」は聖書のような、
何某か、教典のような、タントラのような、もので、
宮﨑駿氏が今まで「ジーザス・クライスト・スーパー・スター」のような手法で今までなさってきたのを、

今、「聖書」を編む……
という手段を使いたいという希望を果たしてくださって良かった…ですし、
これを「ジブリ制作です!」と出してしまうのも良かったです。
今までの作品を思えば、今までの手法で出来ないわけないのにも関わらず。

氏の今までの功績を思えば、
このくらいの自由さは許容されるべきであろう!!

それを遂行したプロデューサー、
鈴木敏夫氏も、
とんでもなく肝のすわった御仁であろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?