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【大月書店通信】第164号(2022/9/30)

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9月27日、直近の世論調査で6割もの人が反対しているなかで、安倍晋三元首相の国葬がおこなわれました。

今回の国葬には、安保法制やアベノミクス、森友・加計・桜を見る会での公文書隠蔽や国政の私物化など、安倍元首相の業績が国葬に値するのかという問題もありますが、そもそも法的根拠がなく、国会を無視して閣議決定し、巨額の費用をかけるという手続き上の重大な瑕疵があります。そして何より怒りを買ったのは、反社会的カルト集団である旧統一教会と自民党との癒着の頂点にいたのが、安倍元首相だったことです。

1992年の国際合同結婚式の騒動以来、私たちの関心事からすっぽり抜け落ちていた旧統一教会。どんな組織でいかなる問題があるかを知らない世代も増えています。

1980年代からこの統一教会問題を追及するジャーナリスト・有田芳生さんの新著『改訂新版 統一教会とは何か』には、教団設立時からの歴史や教義、霊感商法や信者への献金強要の手口、被害の実態、連綿と続く保守政治との結びつきなど、統一教会についての基本的な情報がまとめられています。入門書として大好評です。

10月3日からいよいよ臨時国会が開かれます。統一教会の問題が国会で追及されるこの時期に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

【新刊案内】

9月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

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●《たちまち重版》カルトと保守政治の結びつきの源流にせまる
改訂新版 統一教会とは何か
有田芳生[著] 1,650円(税込)

1992年国際合同結婚式騒動からの空白の30年。統一教会と政治の関係はどのように変貌したのか。組織の実態や保守政治勢力との結びつきに鋭く斬りこんだ労作に、書き下ろしを加えて緊急出版する。統一教会問題の必読入門書!

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●仲間とつながって変化を起こす! 社会運動の入門書
ヨノナカを変える5つのステップ――マンガでわかるコミュニティ・オーガナイジング
鎌田華乃子[著] 沢音千尋[漫画] 1,760円(税込)

納得いかないルールや社会を変えたいなら、「コミュニティ・オーガナイジング」をやってみない?世界的に研究・実践が進み注目される「社会の変え方」を、マンガと解説で教える超入門書。あなたにも現状を変える力がある!

推薦

変えたい理不尽があるのなら。
本書を手にして、つながりはじめよう。
社会やコミュニティの課題に気づいてしまったとき、
進むべきステップを整理してくれる「読むコーチング」ブックです。
――荻上チキさん(評論家)

奇跡と言われる杉並区長選で、
私がめざしたのは「地べたからの民主主義」です。
地域の課題を見つけ、自分のコトバで語り、
仲間とつながり、解決していく。
まさにこの本は、すべての人にその扉を開いてくれます。
――岸本聡子さん(杉並区長)

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●法治国家の中の無法地帯=入管の闇をあばく迫真のルポ
彼女はなぜ、この国で――入管に奪われたいのちと尊厳
和田浩明+毎日新聞入管難民問題取材班[著] 1,980円(税込)

夢を抱いて来日した留学生はなぜ入管収容施設での非業の死を強いられたのか――社会に衝撃を与えたウィシュマさん死亡事件の克明な記録とともに、外国人の人権のために奔走する支援者・若者・弁護士・政治家たちの群像を描く。

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●《シリーズ刊行開始》当事者の子ども自身が語る、障害理解の絵本
障害があってもいっしょだよ! 1 自閉症のあるぼくの毎日
マリ・シュー[文] イザベル・ムニョス[絵]
上田勢子[訳] 別府哲[監修] 2,200円(税込)

障害がある子はどんな毎日を過ごしているの?みんなと違うところもあるけれど、同じところもたくさん。当事者の子ども自身の語りで、低学年からやさしく読める障害理解の絵本。第1巻は自閉スペクトラム症の男の子が主人公。

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●ADHDのわたしが好きなこと、困ること
障害があってもいっしょだよ! 2 ADHDのあるわたしの毎日
マリ・シュー[文] イザベル・ムニョス[絵]
上田勢子[訳] 別府悦子[監修] 2,200円(税込)

当事者の子ども自身の語りで、低学年からやさしく読める障害理解の絵本。第2巻はADHDの女の子アナベルが主人公。ADHDがあると授業や学校生活で何に困るのか、どんなサポートがほしいかなどをわかりやすく説明します。

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●特集=なぜ、教員不足なのか!?
月刊 クレスコ10月号 no.259 550円(税込)

文科省の調査により、全国で2000人もの「教師不足」の実態が明らかになった。教職から人が去っていく「働かせ方」の実態や、そうした教師不足が子どもたちに及ぼす影響を探り、改善の道を考え合う特集。

【イベント】

★ 統一教会と政治の関係は、どう築かれてきたか?

改訂新版 統一教会とは何か』の著者、有田芳生さんのトークイベントが開催されます。

日本の性教育をリードしてきた産婦人科医の河野美代子さんも加わり、統一教会と政治との癒着からの性教育バッシングについて、有田さんと意見を交わします。

現地参加/オンラインお申し込み受付中ですので、ふるってご参加ください。

★ デジタルと学びの明日を展望する――2030年代の学びの生態系とは何か

子どもの創造性発揮や社会的成長にテクノロジーを活かすには? 小社刊『デジタル・シティズンシップ』『デジタル・シティズンシップ+』の著者が多く登壇するシンポジウムです。

【メディア】

★ ウィシュマさんはなぜ命を落としたのか? 入管収容の問題

9月新刊『彼女はなぜ、この国で――入管に奪われたいのちと尊厳』を執筆した毎日新聞の和田浩明記者が、TBSラジオ「荻上チキ Session」に出演。ウィシュマさん事件と入管収容の問題について30分以上話されました。

【話題の本】

★ 『台湾がめざす民主主義』書評

5月に刊行した『台湾がめざす民主主義――強権中国への対立軸』(石田耕一郎 著)の書評が、『ジャーナリスト』第774号に掲載されました。評者は長岡義博さん(ニューズウィーク日本版編集長)です。

「書名は『台湾がめざす民主主義』だが、実は日本がめざすべき政治の姿が、いまの台湾にあることが分かる。」

「オードリー・タン氏が体現する相互信頼のための『他者を理解しようとする努力』が台湾にあって日本に決定的に欠けているものだと本書は気づかせてくれる。」

【編集後記】

草の根選挙で杉並区長になった岸本聡子さんが、区議会の本会議で小社刊『ケア宣言』に言及していたと、人づてに教えてもらいました。そのこと自体も驚きですが、区議会をそこまでつぶさにウォッチしている方がいるのがすごいですよね。岸本区政の特徴のようです。(Q)

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