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大月書店通信*第137号(2020/6)

「大月書店通信」第137号をお届けいたします。

「女性活躍」のスローガンも虚しく、ジェンダーギャップ指数で153か国中121位(2020年)と過去最低を更新した日本。企業や政治のリーダーに女性が少ないこと、女性が働き続けるための労働環境の悪さや賃金格差などが理由とされます。

では、女性がほんとうの意味で「輝ける」のはどんな社会でしょうか?

北欧のデンマークは世界の幸福度ランキングで2位、ジェンダーギャップ指数は14位(2020年)。出産後も働き続けられる雇用制度、権利として保障された保育、家庭内での家事分担意識など、社会全体で子どもを支え、女性の働く権利を保障するしくみが徹底しています。

7月の新刊デンマークの女性が輝いているわけ(澤渡夏代ブラント、小島ブンゴード孝子著)は、日本から移住し、デンマークで働き子育てもしてきた二人の女性が体験的に学んできたデンマークの制度と文化を紹介。
隣の芝生の青さをうらやむだけでなく、当事者が声をあげることによって、ジェンダー平等ですべての人が幸福になれる福祉社会を実現してきた民主主義の文化に学べるものがあるはずです。

新刊案内『デンマークの女性が輝いているわけ』ほか6月の新刊

6月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

●働くことと子育てをふつうに両立できる国がある
『デンマークの女性が輝いているわけ――幸福先進国の社会づくり』
澤渡夏代ブラント、小島ブンゴード孝子[著]

幸福度調査で世界トップレベルのデンマークでは、女性がいきいきと働きながら子育てをしている。それを可能にしている労働制度や保育・教育などの社会システムや納税者としての権利意識を具体的に紹介し日本の課題を提示する。
試し読みできます

●《シリーズ刊行開始》身のまわりの「きまり」から社会が見える
『人権と自然をまもる法ときまり 1 くらしと教育をまもるきまり』
笹本 潤[法律監修] 藤田千枝[編] 増本裕江[著]

法律やルールを身近な問題をとおして解説する全4巻のシリーズ! 第1巻は毎日の生活や学校についての法律やルール。となりの家から伸びてきた木の枝は切ってもいいか、いじめは犯罪で訴えることができる、等々。
☆続巻
第2巻 健康と福祉をまもるきまり
第3巻 自然と環境をまもるきまり
第4巻 平和と安全をまもるきまり

●特集=新型コロナウイルスとメディア
『放送レポート』7月号 no. 285


●子どもたちにテレビができること――北海道における休校中の学習支援番組(奥村大輔)●コロナとイチエフ――福島ローカル局のたたかい~(小田桐誠)●感染者が現れたとき――放送局に聞くコロナ対策(編集部)ほか


●特集=「ノーモア・ヒバクシャ」の声 世界へ、ともに未来へ
『月刊 クレスコ』7月号 no.232


広島・長崎への原爆投下から、まもなく75年。被爆者をはじめ、核兵器廃絶を求める国際世論によって、核兵器禁止条約なども実現してきた。平和といのちの大切さを後世につなぐ教育実践やとりくみを紹介する特集。

話題の本『ファシズムの教室』『この国の不寛容の果てに』

★『ファシズムの教室』書評続々★

4月に刊行した『ファシズムの教室――なぜ集団は暴走するのか』(田野大輔著)。おかげさまで好評をいただき、多くの書評が出ています。

☆『朝日新聞』6月20日付
評者:本田由紀さん(東京大学教授、教育社会学)

☆『沖縄タイムス』『秋田魁新報』ほか地方紙各紙(共同通信配信)
評者:斎藤貴男さん(ジャーナリスト)

☆『HONZ』6月24日公開
評者:麻木久仁子さん(タレント)

☆『信濃毎日新聞』6月13日付、『週刊東洋経済』7月4日号、『週刊朝日』7月10日号、などなど。

現在3刷を重版中。まだの方はぜひご一読ください。

『ファシズムの教室――なぜ集団は暴走するのか』
☆試し読みできます


★『この国の不寛容の果てに』作家・星野智幸さんによる紹介記事★

6月6日付『朝日新聞』で、星野智幸さん(作家)が「コロナ禍読書日記」の一冊として『この国の不寛容の果てに――相模原事件と私たちの時代』を挙げられています。

「本書で何度も言及される、当事者研究とオープンダイアローグという活動は、コロナ後の社会を作る鍵となるだろう。その真髄は、『人を決めつけない』という姿勢にある。」

本書の一部は大月書店noteで無料公開されています。下記URLからどうぞ!

お知らせ★図書目録2020年版を作成しました

2020年5月までに刊行された小社の刊行物について、在庫のものを中心にご紹介しております。
PDFファイル版 左からダウンロードいただけます。

☆冊子版 ご希望の方は、小社までメールにてご連絡ください。無料でお送りします。件名を「図書目録2020送付希望」とし、氏名/住所(郵便番号も)/必要部数の明記をお願いいたします。

宛先:info(アットマーク)otsukishoten.co.jp


編集後記

昨年末に友人宅で小学校の給食の献立表を見て、目が点になりました。行事食あり、お米あり、デザートあり。1970年代に学校生活を送った者にはうらやましい充実ぶりでした。逆に私たちにはおなじみだったクジラは当然登場していません。月に2、3回は出たような記憶があるのですが、もはや献立表は手元になく確かめようがありません。薄紙に小さな字でびっしり印刷された献立表。とっておけばよかったと思います。今は感染症を心配しておかずの数も減らされているとか。各地の今昔の献立表をながめるだけで、いろいろなことが浮かび上がってきそうです。(C)

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