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【大月書店通信】第152号(2021/9/29)

10月11日は何の日かご存知ですか?

スポーツの日?(今年はお休みではないのでご注意!)

実は、この日は「国際ガールズ・デー」でもあるんです。

初耳の方もいるかもしれません。実は、2011年に制定された比較的新しい記念日です。世界中の女の子たちの権利と、彼女たちが直面する課題を考える日として、NGOやカナダ政府の提言を受けて国連総会で議決されました。

制定から10年にあたる今年、この記念日にちなんだ絵本『世界じゅうの女の子のための日 国際ガールズ・デーの本』が出版されました。

女の子は貧困や暴力、差別、紛争などの影響をとりわけ受けやすく、幼児婚や、女子への教育を軽視する伝統などのために、自分自身で未来をきりひらく機会も奪われやすい。この本は、世界各地の9人の少女のショートストーリーの形で、そうした問題を子ども向けにわかりやすく解説しています。

アフガニスタンで、女子が学校に通うことを禁じられた時代を経て、ようやく教育を受けられるようになったことを喜ぶ女の子の物語もあります。

いま、時計の針が逆転して、ふたたび性別によって教育の機会が制限される
時代が来ないことを願います。

【新刊案内】『世界じゅうの女の子のための日』ほか9月の新刊

9月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

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●女の子には無限の力と未来がある!
世界じゅうの女の子のための日――国際ガールズ・デーの本
ジェシカ・ハンフリーズ[文] ロナ・アンブローズ[文]
シモーネ・シン[絵] 国際NGOプラン・インターナショナル[訳・解説]
2,600円(税別)

10月11日は国連が定める国際ガールズ・デー。教育や健康、早期婚や暴力など、世界各地の女の子たちが今も抱える問題と、それに対して声をあげた9人の少女の物語を描く。小学生からジェンダー平等への理解を深めるために。

☆推薦 サヘル・ローズさん(俳優)☆

男性? 女性?性別が私たちの人生や未来を変えてしまう。それが現実です。

希望をもって生まれてくるすべての生命に、性別ではなく、人としての生きる権利が平等に与えられるだけでも、世界は違った景色になる。

私たち人間は、ともに助けあい生きていく。

この絵本に登場する女の子たちの願いは、アナタと重なるはずです。

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●教育現場の自律性は「民意」と両立するか?
教育の自律性と教育政治――学びを支える民主主義のかたち
荒井文昭[著] 4,000円(税別)

学ぶ権利を保障するためには、学校・教職員の専門性に基づく自律的な教育活動が欠かせない。しかし他方で、学校・教育現場への統制の強化が、「民意」を背景に進められてきた。教育における民主主義のあり方を探る本格的研究。

試し読みできます

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●特集=どうしてる? 生徒会活動
月刊 クレスコ10月号 no.247 500円(税別)

コロナ禍で生徒同士のつながりが貴重になっている今、仲間と共に活動できる生徒会活動の意義が高まっている。自治活動の形骸化が指摘されるなか、豊かな生徒会活動を展開するヒントとなる特集。

【イベント】岡野八代×本田由紀「ケアレスな日本の教育と政治」 ほか

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★ 岡野八代×本田由紀「ケアレスな日本の教育と政治」 ★
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前号でもお知らせしたとおり、東京・田原町のReadin’Writin’BOOKSTORE大月書店「ジェンダーと多様性を考える」フェアを開催中です(~10月末)。

フェアを記念したトークイベント(10月23日・土)では、ケア論で注目を集める岡野八代さん(政治学者、『ケア宣言』共訳者)と、新著『「日本」ってどんな国?』(ちくまプリマー新書)を刊行する本田由紀さん(教育社会学者)に、教育と政治を語り合っていただきます。

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★ 《明日》『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』イベント ★
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7月に刊行し、すでに4刷の話題書『「日韓」のモヤモヤと大学生のわたし』刊行記念イベント。明日9月30日(木)の開催なので、お早めにお申し込みください。

【話題の本】『差別はたいてい悪意のない人がする』たちまち増刷

8月に刊行した『差別はたいてい悪意のない人がする――見えない排除に気づくための10章』(キム・ジヘ 著、尹怡景 訳)。売れ行き好調で、早くも増刷となりました。

23日に開催した刊行記念イベントには、300名以上の予約が集まり大盛況に。

大月書店noteで、本書の書評も連載しています。

各所で読書会も企画されています。

まだお読みでない方はぜひ!

【編集後記】

大相撲秋場所は、新横綱照ノ富士の優勝で終わりました。NHK大相撲解説者「常連のお二人」がいつも口にされるのは、「稽古しているから」か、あるいは「稽古が足りない」かの「キメ」の一言。コロナ禍でいつも通りにならない力士たちにとっては、試練の場所が続いています。

その中で言われていたのは、感染対策でほかの部屋への「出稽古」もままならず、「合同稽古」1回で迎えた場所の「稽古量不足」という困難さでした。

出版界も自由な企画活動にいろいろなところで影響が出はじめているように思えます。「企画力不足」から「内輪の議論」だけとならないよう、さまざまな場所に出かけ、さまざまな方とお会いすること、すなわち「出稽古」できる環境を整えていきたいものです。(N.S.)

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