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『子どもを本嫌いにしない本』(赤木かん子著)読書メモ

読書教育に関する本を読み終えたのでメモをnoteに転記します。著者の赤木かん子さんは説明不要の方。育児をしている方、これから育児をする方に向く本ですが、教員ほか教育関係の人間も興味深く読める本だと思います。

乳児と読書

”本を読まなくても”ちっともかまいません。”本を使って”その時間を楽しめばよいのです。(p20)

必要なのは音声としての言葉であり、視覚としての絵。0歳児1歳児の読み聞かせにおいて、ストーリーを追うことの優先順位は高くない。改めて思ったのでメモした一文です。

我が子に本を読ませようという願いが強いほど、方法論に縛られ過ぎてしまうと自分自身危機感をもっています。まずは楽しさ。


幼児と読書

子ども達も、もう知っているお話を、次はこうなるんだよな、というのを楽しみに待っていて「ほらきた!」と楽しむのです。(p22)

音楽というものはその曲を覚えて、歌えるようになってからが、また楽しいのですから。(p22)

繰り返し同じ本の読み聞かせをせがむのは幼児あるあるですね。それが楽しいのならば、こちらはやってあげるしかないです。

幼児のこの「繰り返し病」を音楽に例えたのはストンときました。大人も同じじゃあないですか。たしかに音楽は覚えてからも面白い。特に物語性の強い曲は。

音楽の歌詞は繰り返し聴くことで強烈に脳に残ります。歌詞で使われている言葉や言い回しを気づくと自分も使っている。幼児も気に入った絵本を繰り返し楽しむことで、絵本を通して言葉を学ぶんでしょう。


精神的につらくなってきたら、本を読んでいるのではなく、石油ストーブにポンプで灯油を入れていると思ってください。(p24)

これはその「繰り返し病」への対応に疲弊した親や教員への金言。今風に言えば充電作業とでも言いましょうか。

この例え話は勇気づけられますね。目標が生まれラクになります。相手に伝わる、相手に沁みる例え話、大切です。


この「バナナってなあに?」はようするに”定義”を聞いているわけです。(p36)

そしてこの定義は百科事典の一番はじめの行に書いてあります。(p36)

ですので、百科事典、図鑑などは、家にあったほうがよいのです。(p36)

幼児の「なになに攻撃」から百科事典の必要性を語る一節。自分は普段小学生を相手にしているので幼児教育から物を見る視点はどうしても不足してしまうのですが、これは勉強になりました。

学習とは言葉を知り使えるようにすること。それは感覚的にわかっていたのですが…その素養、自主学習の精神の一歩が「なになに攻撃」を百科事典につなぐことだという考え方は今後忘れないようにします。

百科事典、家に欲しいんですが高いです。手が出ない。今回のポプラディアはふりがなが多く、子どもにとってもユーザーフレンドリーで良いとは思っているんですが。


小学校低学年と読書

小さい人に覚えてもらいたいなら、おもしろくすればよいのです。(p52)

その通り。忙しさの中で忘れてしまいそうになる、基本中の基本です。へ〜と思えば覚える。言語習得期ですね。

高学年であっても特別支援学級の知的学級を担任したり授業したりする際など、同じ感覚が必要だと思います。


読書=小説なのか

本は、自分の身の回りにはないことば、そうして、ふだん使わない言葉を運んできてくれます。(p54)

雑学本の王さまは百科事典です。王子さまは「ギネスブック」や「プロ野球選手名鑑」
そして各種の図鑑です。(p55)

朝読書にギネスや年鑑を読んでいる子達がいます。彼らの読書スタイルを認める一発回答。小説以外からも、自分のことば量は広げることができる。


読書教育・調べ学習

本を使えるようになる、とは目次と索引を支えること

大切です。国語の時間に「〇〇ページを開いてください」ではなく「ごんぎつねを開いてください」と言うのも小さな読書指導。子ども達に目次を意識してもらう。

本を探すとき、表紙タイトルだけでなく、加えて「目次」も見れる子であってほしい。そんな姿を目標に指導がしたいです。


奥付にはその本に対して責任をとらなくてはいけない人々や会社の名前が書かれています。(p90)

奥付は責任の所在。書籍とWebサイトやブログの違いはそこにあると言われます。ブログも責任の所在をはっきりさせたいもんです。つまり実名ブログ…勇気がいるなぁ。いつかその域に行きたいとは思うのですが。


出典・書籍紹介

乳幼児を育てていて知育や読み聞かせに悩んでいる方には刺さります。本の前半部分、乳児幼児に関する内容は、疲れたお父さんお母さんをだいぶ勇気づけてくれると思います。

教員向けでもありますね。読書指導に限らず、授業全般につながる気づきが得られると思います。

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