見出し画像

もっと広まれ「心理的虐待」の何がマズいのか

今日、ヤフーニュースで見たPRESIDENT Onlineのコラム。とてもよかった。

個人的にタイトルは気に入らない(ごめん)。その前にもっと大事なことがあるのに…と思ってしまった。とても軽く捉えられそうなタイトル付け。

ただ、本当に、コラムの内容は良いものだった。私は救われる思いだった。

機能不全家族で起こる問題点。何がまずいのか。
「心理的虐待」の何がマズいのか。
専門家視点による問題提起。もっともっと広まってほしい。

以下、コラム内容を一部引用しつつ、私見を述べる。

1.「心理的虐待」は非常に厄介な種類

■子供の自殺未遂に母親は「何カッコつけてんの?」
・・・(以下一部抜粋)
 この親子関係の違和感の正体は「心理的虐待」に違いありませんでした。児童虐待の一種ですが、目には見えず、周囲も本人も気づかない、とても厄介な種類です。

なぜ「子供の自殺」が増えているのか…
学校カウンセラーが「眠そうな子が危ない」と警鐘を鳴らす理由
(「PRESIDENT Online」より)

身体的虐待に比べて、「心理的虐待」はとても軽く捉えられてしまう。

もし、「心理的虐待だ」と訴えたとしても、
子どもが未熟だから、
子どもがワガママだから、
それはしつけの一環だった…などと言い逃れられて終わる。

親が子供に与える、心理的な影響の大きさはもっと重要視されるべきだと思う。
「親ガチャ」という言葉は経済的な面を捉えられている印象があるが、
心理的虐待を受けた子どもの被害の大きさは、より一層深刻だと実感している。

もし子ども時代を何とか乗り切ったとしても、大人になってから、大きな壁にぶつかることも多い「心理的虐待」。
本人も何がマズいのか気付けない。まさに「とても厄介な種類」だと思う。

2.「愛着行動」が社会で力強く生きる力を育む

■被虐待児は「自己表現能力」が育たない

 虐待を受けてきた子は愛着の問題を抱えて生きていくことになります。「愛着行動」が抑制されてしまうのです。たとえば、困った時に「すみません、手伝ってください!」と言えない、不服がある時に「その言い方は、ひどいと思います!」と訴えられないなど、自分を表明する力に大きなブレーキがかかってしまい、自己主張できないのです。

なぜ「子供の自殺」が増えているのか…
学校カウンセラーが「眠そうな子が危ない」と警鐘を鳴らす理由
(「PRESIDENT Online」より)

この一文は、非常に痛感する内容。さらに、

■苦しい時でも助けを求められない  

どんな人でも自己主張するのは場面によって遠慮が伴うものなのですが、虐待を受けてきた人は、これがひどく強力です。重症になると、子どもの頃に「反応性アタッチメント症/脱抑制型対人交流症」などの、いわゆる愛着障害を負い、これが原因で大人になってからも、うつ病やパニック症を併発することがあります。  

なぜ「子供の自殺」が増えているのか…
学校カウンセラーが「眠そうな子が危ない」と警鐘を鳴らす理由
(「PRESIDENT Online」より)

37歳の時、当時の会社で酷いパワハラに遭いました。

・課長代理1年目。20人の部署で、私だけが終電まで残業
(しかし後日、内部監査でこの状況が指摘された際に「仕事では無かったと言え」と詰め寄られる。上司の指示でしたが。断ったら管理職中心のいじめに遭った。)
・管理職になりたいなら平日病院には行くなと言われる(当時、婦人系の持病で数年来通院中)など。この年に起きたことの詳細は、これ以上は控えます。

その1年は耐えました。
夏以降、週末はいつも38度の発熱。駅のホームで悲しくも無いのに涙が出てきたときに、これはマズいのでは…と思ったけれど、心療内科を受診する勇気は無く。

その翌年、婦人系の持病が急激に悪化して手術せざるを得ない状態に。
この時の病気休職が、メンタルを自力復活させる期間にもなりました。
いまにして思えば、良くも悪くも。

それから半年後、あろうことか、当時の上司と仲の良い方が上司として赴任。さらに詳細は控えますが、酷い状況に陥りました。

「これは、諦めて、病院に行こう」そう決断しました。

その頃、産業医とも何度も面談を重ねました。そこで言われたひとこと。
「あなたの上司は相当酷いことをしたけれど、その状態から逃げなかったあなたは相当おかしいよ」
と。ショックでした。私はあんなに頑張ったのに、耐えたのに、と。

当時はかなりショックだったけど、今は感謝しています。

この一言をきっかけに、
どうして私はあの酷い状況から逃げることが出来なかったのだろう…
どうやったら考え方・生き方を変えることが出来るのだろう…
と思い、
様々な心理学の書籍を読むことに繋がりました。
親子関係の心理面での重要性、機能不全家族の与える子供への悪影響を知ることが出来たことは、私の人生を取り戻した!!そう思えた瞬間です。
(以前noteに書きました)

酷いパワハラを受ける前から、
会社の上司や同僚に「mackyは頑張りすぎる」と良く言われていました。
理不尽上等、とも思っていました。

そうやって、頑張ることがプラスに働くならば良いけれど、
逃げるべき状況でも頑張り続けるのは、バカです。

まともに育った人たちは「本当に嫌なら、嫌と言っている」と思っている。
だからこそ、自分を守れるのは自分だけ。

自分の内側に必要以上に踏み込ませない。自分の感覚を信じる力強さ。
これを育むことが出来るのは、本来は親だけ
なんですよ。
(私の場合、祖父母との同居で育ったことに、かなり救われました)

「愛着行動」が社会で力強く生きる力を育むということ。

乳児期は、特に1歳までは命を守ることが最優先と思います。
しかし同時に、心を育む「愛着行動」の大切さを、もっと早くに学ぶ機会があればいいのにと思います。

例えば妊娠中、病院での両親学級(母親学級)で、ミルクの飲ませ方・オムツの変え方だけでなく、愛着行動の重要性について話してもらうだけでも、親として知るきっかけになると思います。

そして、できれば子ども自身が知るきっかけもあるといい。
例えば中学校の道徳とか?

それは、現在進行形で、心理的虐待を受けて育っている子どもを救うことにもなると思うのです。

「私の今いる環境は、おかしい!」と思えることが、自分の感覚は間違えていないと自信を持つことが出来、子供たちの自殺を防ぐことの一つになるのではないかと。

そして子ども時代のうちに「愛着行動」の大切さを知っておくことは、
社会に出る前に、なるべく早く、自分自身で心を育て直すことにもつながると思うのです。

また凶悪事件が起きるたびに、犯人の生い立ちが注目されます。
経済的な環境は注目されるようにも思うけれど、
機能不全家族での育ちや、心理的虐待はあまり深堀されていないように思う。

もちろん犯人の犯した罪は罪。絶対にダメ。そこを言いたいのではなく、
犯罪者の生い立ちに注目する割に、心理的虐待の悪影響が及ぼす深刻さが、どうしてここまで放置されているのだろう?と不思議にもなります。

その犯人がどうこうではなく、今後同じような犯罪者を生まないためにも、
出来ることがあるのではないか??

それは、
「心理的虐待」を重要視すること、繰り返し専門家から広くメッセージが出されることが、大切な一歩になると思う。

だって、私の子ども時代、大人になってからもしばらくの間は、
自分の陥っている状況・問題が何なのか全く分からなかったから。

心理的虐待を受けて育った者は、自分を守ることが出来ないことが多い。
そのため、
自責の念が強すぎれば心を病むし、他責の念が強すぎれば犯罪を犯す。

そんな関連性があるのではないか?そう思います。

親子間の愛着行動が形成できなかった子供は、そのさみしさを社会からの評価で埋めようとする(代替する)傾向があると思います。

報われなかった時の悲しさもダメージが非常に大きい(と感じてしまう)。さらに、その悲しさが尋常でない怒りとなり、他責に向かうと…。

まずは大事件の時だけでなく、継続的に「親子間の愛着行動マジ大事」だと、専門家たちに発信し続けてほしいです。

親になる人には、必ず知ってほしいから。自分が子供に与える影響の大きさに気付いてほしいから。

心理的虐待を受けて育って来た当事者として、強く思います。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!