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性格形成

性格は生まれ持ったものだから、変えようがないと考えがちですが、本当にそうでしょうか?(うーん、どっちだろう•••)

確かに「この性格、本当に変わらないよなあ」と思う人がいるかと思えば、別人のように変化する人もいる。

性格は変わるのか。
それとも、変わらないものなのか。
今回は、性格形成の本質について考えてみたいと思います。

特性は独自性の芽

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「お友だちの輪に入れずポツンとしている」
「すぐにカンシャクを起こすので、周りから”乱暴な子”と見られてつらい」
3歳も過ぎると、こんなお悩みが増えます。

個性を摘むことなく育てたいけど、個性が強すぎてお友だちができなかったらと思うと将来が心配。
そんなママたちの声が、あちこちから聞こえてくるようになるのです。

きっと多くのママたちが、この二つの間で揺れながら、子育てを頑張っているんだろうな。

でもちょっと待って!
よく考えてみよう。
そもそも個性って何?

わが子の性格が、一見、世の中的にマイナス要素たっぷりでも、そのまんまの性格を大切にすることで、他の誰でもない、その子の独自性が磨かれていくと思いませんか?
つまり、特性を磨いていくことでしか、独自性って創れないんじゃないのかな。
と思うのです。

プラスだけ頂戴、マイナスは要らないから・・・それはない!

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無いものを在るようにして欲しい。
(えー⁈ それはないんじゃない?)

それでは、子どもは苦しい・・・。
世の中的に見て、プラスなものは磨いてあげるけど「マイナスは要らない」「無くして欲しい」というのはおかしくないですか?

そもそもマイナスこそ、まずはそのままを受け入れ、そして磨いて、時間をかけてプラスに変えていくのが大人の役割。
怖がりを繊細さとして磨きをかける!
落ち着きのなさを行動力にシフトさせる!
ほらね♪魅力が引き出されるでしょ?

ところで、一見マイナスに見えるものを、どうやってプラスに転化させればいいのでしょう。

これは至ってシンプル。
まずは、あるがままを受け入れられる体験を積む!です。
そのまま受け入れられる体験は、自己肯定感を高めますからね。
高い自己肯定感を持てた人は、他人に対しても、敬意を持って接することができるようになる。
つまり、人や社会とつながる力を育むことになるのです。

ところが、最初から「つながる」ことばかり強いられたらどうなるでしょう。
常に周りを気にして、外れないように、はみ出さないようにと、細心の注意を払って、まわりの評価にビクビクして、本当の自分を押し殺しながら生きることになるかもしれません。
個性と社会性は、相反するものではないはずなのに、おかしな話です。

環境によって遺伝子情報がON・OFF

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ここで、ちょっと興味深い実験を紹介しましょう。
ミツバチの実験です。

ミツバチは、見事な連携プレーを発揮する、社会性の高い昆虫。
まず、ミツバチの中から、おとなしい性質のミツバチと、どう猛な性質のミツバチを選び出します。

そして、各々の幼虫を、孵化1日目で入れ替えたのです。
すると、おとなしい性質のミツバチが攻撃性を発揮し、どう猛な性質のミツバチがおとなしい性質へと入れ替わったのです。(ビックリ!)

これはどういうことかというと、どう猛なミツバチは、他のミツバチよりも警戒心を働かせるホルモン(警戒ホルモン)が活発になる遺伝子をONにする特徴があったのです。
なので、おとなしいミツバチの子どもを加えると、子どもの警戒ホルモンが活発になり、攻撃性を発揮するようになったというわけです。(ふむふむ)

遺伝情報スイッチのON/OFFを決める環境

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つまり、何が人をつくるのかという問いに「遺伝じゃない?」「いや、環境でしょ?」と、ずーっと論争があったのですが、ひとまずの決着がついたのです。

親から受け継いだ遺伝情報のスイッチが、環境刺激によって、ONになったりOFFになることがわかったのです。

このことをエピジェネティクスといいます。

人間で例えるならば、一卵性双生児の研究が有名ですね。
遺伝情報が全く同じなのに、好き嫌いや性格、からだの特徴など、様々な点で違いが見られるのは、エピジェネティクスの影響によるものだったのです。

氏か育ちかではなくその間を埋めるもの

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そもそも人間には、遺伝か環境かのどちらかだけでなく、ちゃんとその間を埋めるものが用意されていたというわけです。(なるほど!)

このことを、子どもの性格形成に置き換えてみると、同じことが言えるのかもしれませんよ。

つまり、おとなしい子・やんちゃな子・マイペースな子、個性はいろいろ。
行動から読み取ると、危険なことが大好きな子・怖がりで引っ込み思案な子・細かいことは気にしない大雑把な子、などなど。

本当は、人間の持って生まれたものに、無駄な性質なんて一つもないんです。
どの性質も、生きるためには欠かせない、大切なもの。
だとしたら、どうすれば子どもの性質を価値あるものへと育てていくことができるのでしょう。

性格は記憶でできている!

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子どもの持つ性質を、価値あるものに磨き上げていくためには”記憶”が重要です。

好奇心旺盛な子に「世の中は恐ろしいぞ」と言って聞かせれば、警戒心の強い大人に成長するし、臆病な子に「世の中は可能性に満ちていて素敵なところだ」と言って聞かせれば、行動力のある大人に成長するのです。

そばにいる大人がどんな価値観を持ち、どんな判断を下すのかによって、子どもの世界観は変化していくのです。

だとしたら、怖がりな子には「大丈夫、大丈夫」「怖くないから試してごらん」「ほら♪大丈夫だったでしょう?」という経験を積ませてあげればいい。

なんでもやりたがる子には「ちょっと待って、よく見てごらん」と一旦注意を促して、自分が置かれている状況を振り返る習慣を身につけてあげればいいのです。

記憶は上書き保存ができる!

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いかがだったでしょう。

性格は生まれ持ったものではなく、つくられるものだということがおわかりいただけたでしょうか?

私たちが一般的に呼んでいる「性格」とは、経験→結果の積み上げであり、それはどんな記憶を積み上げたのかということなのです。

記憶ですから、本人が望めば上書き保存は可能。
過去は変えられなくても、未来の自分をデザインして、実現することができるのです。

但し、ここで大切なのは、間違っても、親が子どもの最悪を想定しないこと。
きっとこんないいことが起こる!
と最良の未来をイメージしてあげてくださいね。

鶯千恭子(おうち きょうこ)




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