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デザイナー読書メモvol.18 スペキュラティヴ・デザインの授業

以前「スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。」を読んでとても面白い作品ばかりで非常に好きだったのでもっと詳しく知りたい!と思い本書を手に取りました!
具体的な作品例を上げながらの説明なので読みやすくて分かりやすかったです。


この本の概要をまとめると?

RCAでスペキュラティヴ・デザインを学んだアーティスト長谷川愛さんが、MITメディアラボと東大で教えた授業をもとに、SDGsや倫理問題をふまえて社会変革に挑むための思索トレーニングブックとしてまとめた一冊です。
過去から現在に至るさまざまな革命=価値の転換や創造を読み解きながら、スペキュラティヴ・デザインが初めて実践されたRCAの伝説のコース、デザイン・インタラクションズでの授業を振り返り、未来をプロトタイプするフィクションの力を探ると共に、昨今抜け落ちていた倫理教育、さらにはアジアのスペキュラティヴな未来に迫ります。


この本から得た学びは何か?その学びをどう活かせそうか?

・デザイナーやエンジニアなどある技術のサービスや商品を社会に届ける人々にとって倫理とは無関係ではいられない。
IDEOではデザイナー、エンジニア向けに倫理ブックをつくって「尊敬・責任・誠実さ」の三原則を軸として定めている。その他の会社でも様々な取り組みがされている。今までデザイナーとして倫理をすごく求められることはなかったので眼からうろこでした。ですがすごく大事なことだと思いました。

他者を傷つけるものでないか
安全性を担保しているか
環境に負荷を与えていないか
誰かのアイデアを盗用していないか
全ての鑑賞者にとって展示の形式は公平か

私が生きている何十年かの中でも特に現在は倫理観の移り変わりのタイミングになっていると思うので、思想や文化に触れたり、アンテナを張ったりすることで、学んでいきたいです。無意識に他者を傷つけないように気をつけていきたいと思いました。

・想像力を培うためには表現力を鍛えること。クリエーションで世界を変えるような思考を育むにはとにかくたくさんの作品を読むこと。
SF作家の藤井太洋さんの対談の中で、
想像力を培うためには→表現を鍛えることが大事で、一瞬思いついたものを即座に表現できるスキルを徹底して鍛えていかないとイマジネーションもクリエーションも広がらない。
世界を変えるような思考を育むために普段からどのようなインプットを心がけるべきか→現代小説でも古典でもとにかくたくさんの作品を読んで自分の知らない発想を見つけること。とありました。
これはフィクション作品の制作に限らず、デザインにも通じるものだと思いました。この頃どうやって作ったんだろ??想像もできない!と思うものが増えて少し焦りを覚えたのですが、やはりとにかくインプットアウトプットあるのみだなと腑に落ちました。

この藤井さんの著書がとても面白そうなので読みたいです!


読めば読むほど面白いスペキュラティヴデザイン…
なかなか自分が実践するのは難しいですが作品にはどんどん触れていきたいなあと思います。巻末の推薦図書&作品はめちゃ参考になります!


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