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デザイナー読書メモvol.5「スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。」

今週は前回挫折しかけたスペキュラティヴ・デザインについての本の感想を書きます!やはり知識が及ばずかなりアホっぽい感想になってます!!
前回の番外編はこちらです。有名な国内事例と疑問をざっくりまとめています。

例によってこちらのフォーマットに則って感想をまとめています。

この本の概要をまとめると?

スペキュラティヴデザインとは何かということを様々な事例や角度から説明した本です。スペキュラティヴデザインはこう!という定義をはっきりさせるというよりは、これもスペキュラティヴデザインという例をたくさんあげて輪郭作っていくような内容でした。
その中でも冒頭のABリストは特徴を掴みやすいです。
A:ふつう理解されているところのデザイン
B:スペキュラティヴデザイン

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この本から得た学びは何か?その学びをどう活かせそうか?

まず、前回でた疑問をクリアにしてみます!

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■スペキュラティヴデザインはデザインなのか、アートとの違いは?

これは私が一番に湧いた疑問で、見たことある作品は美術館のアート展で見たものが多く、どうしてデザインという名称で括っているのかが気になりました。一般的に、「デザイン=問題解決、アート=問題提起」と定義されることが多いので「問題提起するということはアートでは?」と思ってしまいます。これの答えとしては何個か当てはまりそうなものがあり、

①スペキュラティヴデザインとは何かということからデザインと定義してみる。
(本文p27~)

・我々が直面する多くの問題は解決不能である。
・それらを克服するには人々の価値観、信念、考え方、行動を変えるしか手がない。
・そのために物事の可能性を「思索=speculate」するための手段としてデザインを用いる。

具体的にどういうアウトプットなのかは見えにくいかもですが、問題解決以外のデザインというものが存在し得るな!?と思えます…!

②現実に実用的な影響を与えることからデザインを感じる。(本文p86~)

デザインを使えば、実験室で行われている研究を早送りして、治療のニーズではなく人間の欲望がもたらす応用の可能性を探ることができる。

技術を実際に取り入れた際の影響をスペキュラティヴデザインを使用した作品を通して、倫理的・文化的・社会的・政治的な意味で論じることができるということです。プロトタイプ的なものを出すという感じがデザイン思考ぽいと思いました。

③技術的、科学的にあり得るという信憑性を持たせるのはデザインぽい。(本文p97~)

デザインは、新しい技術的発展を、架空とはいえ信憑性のある日常の状況へと落とし込む力を持っている。そして、アイデアが実現する前に、考えられる結果について考察できるようにしてくれる。

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■もっと様々な媒体や製品での事例がみたい

いっぱい紹介したいものがあるのですが、、わかりやすい事例を1点紹介します!

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「LIFE SUPPORT」リヴィタル・コーエン

消費や娯楽用として商業的に生み出された動物を、ペットとしてだけではなく、体外の臓器代わりとして使うことを提案している。
遺伝子組み換えの家畜や使役犬を、腎臓病や呼吸器疾患の患者の生命維持“装置”として利用すれば、非人間的な医療技術に代わる選択肢が生まれる。このプロジェクトを通して、彼女は「遺伝子組み替えの動物は、体の一部を提供するだけではなく、一つのメカニズム全体として機能し得るだろうか?」と問いかけている。

・どういう流れでこの考えが出てきたのか
・日本や世界でのスペキュラティヴ・デザインの現状
上記の疑問はボリューミーになったため、また後日調べてみます…!

何に1番驚いたか?

こういった未来を思索するための作品というものがたくさん存在していたことに驚きました。知らないとやはり目にもつかないのか…。本書には世界各国のあらゆる作品が掲載されているのでとても参考になるし見ていて本当に面白かったです。

この本から得た深めるべき問いはなにか?

・「デザイン」の可能性がすごく広がって少しだけ視野が広がった気分です!本書にでききた他のほにゃららデザインについても勉強しようと思いました。もっと理解度が上がりそうですし、もっと広がって行きそうでわくわくします。
例えば:ラディカルデザイン、クリティカルデザイン、デザインフィクション、コンセプチュアルデザインなど

・写真や説明では見たものの、もっと詳しく知りたい作品がたくさんあったので調べてみようと思います。

・長谷川愛さんのこの本はスペキュラティヴなアイデアを出すためのワークキットがついていて気になります。もう少し体系的にスペキュラティヴ・デザインが知れそうな予感です。

いろんなデザインについて勉強したくなりました!
楽しいですね〜

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